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高難易度ダンジョン同時攻略戦 7

円環のドラゴン編第四十二話となります。

高難易度ダンジョン同時攻略戦編最終話となります。

では本編へGO!

 ドラゴン大陸魔道区画最奥、自然豊かな地面とは裏腹に空気は力強さと圧力をはっきりと感じ、眩く光輝く眩い何かからは邪悪な悪意をひしひしと感じてしまうわけだが、ジャック達が最奥へと向かって歩いて近づいていく。

 ジャックが新たに手に入れた勇者の剣である双極の剣は迫りくる悪意を軒並み弾き返しており、ゆっくりとではあるが接近できる。

 目の前までやってきたところで改めて魔道区画と呼ばれる魔道核をしっかりと眺める。

 このドラゴン大陸を支え続けてきたエネルギー源だったはずで、今では邪悪な存在に取りつかれて本来の役目を果たせないでいた。

 先代の元勇者は既に勇者の刻印を失っていたため勇者の剣を使いこなせなかった。

 だからこそここで封印して対策を講じたという事がジャック達の推測だったわけだが、それは当たっている。

 歴代の勇者は本来勇者の役目を終えれば勇者の刻印は消えてなくなってしまうが、ジャックの代で勇者の刻印は一族の血に刻まれてしまった。

 だからこそ勇者の刻印は今現在も存在出来ており、それがいずれはこの地に来るだろうと推測し当時の元勇者はこの地に勇者の剣を置いてこの先に待つ邪悪な存在の討伐を願ったわけだ。


「これが魔道核…何と言うか小さい太陽な感じのイメージだな」

「これが三つあるのよね? ドラゴン大陸に一つとナーガ大陸に一つと中央大陸に一つ」

「それぞれ役目があるとだけは聞いておるよ。最もどんな役目があるのかは知らんが」

「まあ今重要な話ではないしな。手っ取り早く始めよう。先ほど入り口の方から大きな声が聞こえてきたところを見ると戦闘マニアが入り込んだようだ」

「ていう事はあっちは上手く行ったんだね。良かった良かった」


 ジャックが「来るぞ」と呟くと魔道核から真っ黒な手が三人目掛けて伸びてくると力一杯叩きつけてきた。

 ジャック達は四方八方に飛んで攻撃を避け、ジャックは双極の剣を二つに分けてダッシュで近づいて黒い手を切り裂いてしまう。

 その隙にアンヌが地面を抉るような速度で近づいていき魔道核から漏れ出ている邪悪な存在にレイピアを突き出すが空ぶってしまう。

 通り過ぎたアンヌへと鋭い一撃が襲い掛かるが、それをアルドが力一杯蹴り上げて攻撃を逸らす。


「どうやら儂等は攻撃そのものを弾くことは出来ても本体への攻撃は通らんようじゃのう」

「なら私達が援護してジャックがトドメしかないわね…どうしたわけ? 考え事?」

「やりたいことがある。多分一瞬でケリを付けられるだろう。だが、準備期間が居る。何せ初めてやるわけだからな」

「はぁ…分かった。私達で援護すればいいのね? もう…自分勝手」

「悪いな」


 ジャックが双極の剣を握りしめて深く深呼吸をしつつ勇者の刻印へと意識を集中させる。

 一瞬で周りの空気が張り詰め、邪悪な存在は魔道核を盾に使いながらジャックへと攻撃を集中させる。

 十本の槍上の攻撃がジャックへと襲い掛かり、アンヌはそれを全て叩き落してジャックの目の前へと回り込む。

 自らの肉体を強化しつつ大きく息を吸い込んで眩い光のブレスを吐き出したアルドの攻撃を大きな手を作り出して吹き飛ばす。

 アンヌはその間に眼前まで接近してレイピアで連続攻撃を仕掛けるが、それを全部防ぎきって見せる邪悪な存在。

 すると、アンヌ達の真後ろからはっきりとディラブの怒号のような声が聞こえてきて邪悪な存在の意識が完全に逸れた。

 その一瞬でジャックは丁度準備を整えた。


「武具の領域発動。勇者の庭園」


 刻印が眩く光り輝き邪悪な存在とジャックだけの空間を作り出すのだが、その手前ジャックは勇者の刻印が作り出す双極の剣の世界へと辿り着く。

 目の前にいるジャックと同じナーガ人、彼は黙って頷くと自らが刻まれていた刻印をジャックへと差し出した。


「これにて継承を終了する。我が力使いこなして見せよ」


 再び世界が切り替わりジャックと邪悪な存在だけに変わり、周りは花と草木が生え並ぶ美しい庭園邪悪な存在は魔道核を失った戸惑いと何故自分がこんな場所に居るのかと混乱していた。

 ジャックは双極の剣を握りしめて邪悪な存在目掛けて切りつけようとするが、邪悪な存在はそれを邪魔するような槍のような攻撃を繰り出すが、ジャックは攻撃を全部切りつけて叩き落し、そのまま眼前まで接近して十字に切りつける。

 その時だった。

 ジャックの脳裏に身に覚えのない記憶が襲い掛かった。


 近代的な建物だけが並ぶ見知らぬ街並み、それが大きな爆発で包まれてモンスターが次から次へと現れ、住んでいるヒューマン族と思われる人が襲われて行く光景。

 それ以外にも様々な街並みが似たような経緯を得ているが、それもがイマイチ要領を得ない記憶だった。

 共通しているのは突然モンスターが現れて襲われるという光景。

 それが同じ時代のモノなのか、それとも別の時代のモノなのかははっきりとはしない。

 最初の爆発が切っ掛けの様にも思えるが、何故爆発するとモンスターが現れるのかが分からない。

 問題なのはこの記憶の時代は随分武器のレベルが高いようにも思え、剣などのような近接武器はあまり好まれず銃火器ばかりを使っている。

 極めつけは巨大な爆弾のような兵器すら使っている始末。

 それは同時に魔法のような力が存在していないという分かり易い証明でもある。

 そんな時代にモンスターが現れる余地はあるのかと不思議に思っていると記憶は終わり現実へと帰って行く。

 敵を討伐しアンヌとアルドは考え込んでいるジャックへと近づいてくる。

 どうかしたのかと聞いてみるアンヌとアルドにジャックは先ほどの記憶を教えた。


「恐らくじゃ邪悪なるものの記憶の一辺じゃろうな。それこそが邪悪なるモノがやってきた場所。世界なのかもしれん。言ったじゃろう? 出生も何処から来たのかもまるで理解できない存在だと」

「その近代的な世界からやってきたと?」

「でも、その世界魔法が存在していない世界なのよね? なのにモンスターが現れるもの?」

「じゃらから彼らは襲われて混乱したんじゃないのか? 今まで現れたことが無い存在が現れた訳じゃからな。巨大な爆弾まで使う始末じゃろう? その記憶が確かなら時系列順に記憶を見たとすると最初の爆発で何かが起きてモンスターが現れたと見るべきじゃな」

「こいつ自身は魔力で作られた存在のようだし、恐らく自らの存在を魔力でしか維持できなかったんだろうな。結果生成する魔力を最大値まで弄り、取り付いていた存在はドラゴン大陸をおかしく変えた」

「此処からは儂の仕事じゃな。その前に爺の姿に変えておくか、ディラブとやらが来たという事は遠からず我が子がやってくるという事じゃしな」

「器用だな」


 ジャック達の目の前で爺の姿に早変わりするアルドは魔道核前の装置を弄り始めた。

 すると、モンスターを軒並みぶっ倒してやってきたディラブが部屋の中へとやって来るのだった。

どうでしたか?

次回からはドラゴン大陸編もエピローグへと向かっていきます。

では次は円環のドラゴン第四十三話でお会いしましょう!

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