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高難易度ダンジョン同時攻略戦 5

円環のドラゴン編四十話となります。

今回はジャックサイドの勇者の剣のお話となります。

では本編へGO!

 魔道区画も中盤までやってきたジャック達は奥の方にはっきりと見えてきた魔道核をしっかりと視認する。

 敵もそこまで強敵と呼ぶようなモンスターは現れておらず余裕を残していたわけだが、ジャック自身確実に感じつつある勇者の剣の気配。

 ジャック自身が問題にしているのは本来であれば教会かナーガ大陸の墓の中にあるはずの勇者の剣がこの地に在るのかという事である。

 この地にあるという事はナーガ大陸にある墓の一つは空という事になるわけだが、それはこの先を探らない事には分からない事であった。

 かつて勇者の役目を終えた元勇者の一人がこの地にやってきて、何をしようとしていたのか、いよいよ勇者の剣はこの先に存在しているようだった。


「この先だな。強くなってきた。やはり最奥の手前だな」

「最奥の手前でなにをしていたかよね? でも、お墓はナーガ大陸になるという事は遺体は…?」

「この先にあるかどうかは行けば分かろう」


 ジャック達はやってくるモンスターをあっという間に蹴散らしていき、ジャック達はいよいよ勇者の剣の前までやってきた。

 大きく開けた場所でありながら岩や木などの障害物がしっかりと存在感を示しており、丁度ジャック達の対面に勇者の剣は巨大なドアの様に見える金属の塊に突き刺さっている。

 勇者の剣は東洋の手裏剣のような見た目に似ており、十字の形をしている見た目、四方には両刃が付いていた。

 色合いは黒色で近づきながらよく見てみると、ダブルセイバーと呼ばれる武器を二つ組み合わせたような見た目をしている。


「ダブルセイバーよりは小さい感じか?」

「そうね。片手で扱える程度には小さいんじゃないかしら? あれに似ているわね…東方にある『十字戟』だったかしら?」

「ああ。似ているな。あれよりは西洋のダブルセイバーよりだな。あれを小型化して無理矢理形にした感じがするな」

「早く取ればよかろう。あれを取らんことにはこの先には行けないだろうしな」


 ジャックは「それもそうだな」と近づいていきドアに突き刺さっている勇者の剣へと右手を伸ばした。

 すると勇者の剣がはっきりと強い光を放ちながら目の前にある勇者の剣が眩い光を放ち始めそのまま勇者の刻印へと消えて行ってしまう。

 その瞬間この地で起きた出来事がジャックの脳裏に過った。


『ではこのままこの地を封印すると?』

『ええ。私が持っている勇者の剣の効果は二つある。一つは『絶対切断』でもう一つは『封印』だ』

『封印?』

『正確には攻撃する対象の動きを完全に封じるだな。こうして突き刺していればこのドアが開かれることは無い。この剣を解き明かすことが出来るのは私かいずれ現れる勇者の血を引くナーガの人間だけだ』

『そして、その血を引くものならこの先の問題を解決できると?』

『そう信じるしかない。我々が出来ることはこんなことしかできない。魔道核の暴走なんて事例が無い』

『はい。他の地でも魔道核が暴走したという事例はありません。やはり暴走している理由は『あれ』しかありません』

『だな。あれをこの地に封じておけばあいつは他の魔道核へと乗り移ることは無いだろうしな』

『はい…迂闊でした。この地はこれから悪化するでしょう…』


 そこで記憶は無くなりジャックは現実に戻ってくる。

 左右を確認して先ほど見えた記憶を今一度思い出し勇者の刻印の中に隠された新たな勇者の剣である『双極の剣』を取り出して軽く振り回す。


「どうしたの?」

「先ほどこの先で起きていることを知った。何かが魔道核に乗り移ったと」

「その通り。儂の祖先曰く『この先には化け物が救ってしまった』と。問題の化け物が魔道核に乗り移ったと聞いているよ」

「化け物って何なの?」

「それは分からない。だが、魔道核に何かが宿るという事は事例が無い事らしくてな。他の魔道核の場所は当時は分かっていたらしく、調べたと聞いておる」

「他の魔道核の場所を守る為にこの地を封印し俺達が来ることを待っていたと? 先ほどの記憶を覗けば、俺がこの地に来ることを待っていてアンタにそれを伝言していた?」

「そういう事じゃな。儂はお主がくればと聞いているよ。勇者の一人が必ずこの地に来ると。その時に一緒に魔道区画の奥へと迎えとな」

「本来勇者は中央大陸とナーガ大陸以外には出歩かないからな。勇者の役目を終えればもう勇者としての機能は無いのが普通だしな。ヒューマン族の勇者は役目を終えれば死ぬ」

「そっか。ドラゴン大陸まで来る理由が無いというわけね。だからジャックが来るのを待っていた。選ばれた勇者の血を受け継ぐ一族になったわけなんだから」

「その言い方止めないか? 俺が望んでなったみたいに。それを言い出したらお前は勇者の一族の親戚だぞ」

「あら。光栄ね」


 嘘っぽいとジャックは思いながら先頭を歩き出したアンヌの後ろをついていくように歩き出す。

 最奥に見えてきた眩い光と共に混じりあうようなどす黒い気配が覗かせている。


「先ほどの記憶で言っていた乗り移ったこのドラゴン大陸を蝕む原因か?」

「そうじゃな。偶発的に生まれてきた存在で、このドラゴン大陸をダンジョンだらけに変えた元凶じゃ」

「さて…会わせて貰いましょうか…それよりその勇者の剣効果は何なの?」

「絶対切断と封印だそうだ」

「それ多分じゃが…封印に対する耐性も手に入れたんじゃないか?」

「ますますパーフェクト超人と化したわね?」

「その言い方止めろ! お前は面白がっているだけだ!」

「はいはい。じゃあ行きましょう」

「クソ! 楽しそうに…!」


 どす黒い気配がはっきりと邪悪な気配が目玉という形で見えてきた。

どうでしたか?

次回はリアンサイドの完結回となっており、ボス戦はあっさり終わらせてある意味このドラゴン大陸の別の問題を語ろうと思います。

では次は円環のドラゴン第四十一話でお会いしましょう!

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