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高難易度ダンジョン同時攻略戦 2

円環のドラゴン編第三十七話となります。

今回はリアンサイドのお話となっています。

では本編へGO!

 旧首都の地下から入ることに成功したリアン一行、先ほどまで後ろの方から感じていた魔力と魔力がぶつかり合う感触がはっきりと途絶えた所を感じて戦いが終わったことだけは分かったが、距離が距離なのでどっちが勝ったのかまるで分からない。

 最もリアン達は別段ジャックが負けたとはまるで考えていなかったが、ここから彼らが追い付いていくかはまるで分からない以上此処で待つという事も出来ないわけで、ならば彼等だけで役目を果たすことをしっかりと考える必要がある。

 リアンは後ろをもう一度確認するように振り返ると、それを見ていたメイビットがリアンの方を見ながら「どうしました?」と尋ねる。


「いや…ここに入った時から何となく思っておったんじゃが、誰かに見張られておるような気配をな。それが一切感じなくなったと思ってな。少し気になってしまって」

「単純にあいつ等だったんじゃないのか?」

「悪意は感じなかったんじゃよ。バレない様に神経質な気配ではあったがな」

「それは感じていましたが、多分ですけどドラゴン族じゃないでしょうか? 気配の感じ方から私達と似た気配だと思いましたし…でも確かに悪意を感じなかったんですよね?」

「ああ。少なくとも儂はな。じゃが気になると思わんか? 悪意もまるで感じない追跡者が。それどころか、儂等は彼らが居ることを教えて貰えていなかった。何か気になるんじゃよ」


 リアンは「まあいいか」と再び歩き出すと、地下から地上へと昇る階段を上って行くと旧首都の端っこに出てくる。

 真後ろには旧首都を囲んでいる半透明の結界が見えてきており、個々が旧首都の中だと教えてくれる。

 荒れ果てたアスファルトの地面を歩き出す一行、大統領は未だに目を覚ます気配を見せないまま一行はとりあえず目的の建物へと急ぐことに。

 ジャック達の戦いが終わってから約一時間が経過したころ、先ほどまでジャック達が戦っていたはずの双子山の方から眩い光の柱が高らかに夜空へと向かって伸びていく姿が見えた。

 驚いて真後ろへと視線を向ける一行。


「何をしているんだ? ジャックは…まさか!?」

「え? どうしたのディラブの兄ちゃん!」

「気にしないで良いと思うけど…多分」

「難易度の高いダンジョン攻略をしているのでは!?」


 今すぐにでも追いかけようとするディラブを必死で止めるリアン達、亡霊型の女性タイプのモンスターが三体現れると、ディラブは抱えていた国家元首を放り投げ、リアンは飛んできた国家元首を避けた。

 地面に派手に着弾する国家元首だったが、それですらなお起きる気配が無いさまを見下すように見るリアン。

 ディラブは大きな斧を振り回しながら大きな口を開けて叫ぼうとする亡霊の一体へと振り下ろした。

 丁度ど真ん中にいた一体目を撃破し、左右に分かれていた亡霊はディラブ目掛けて方向を上げようとするが、それよりも早くディラブは斧を横なぎに一回転させて切りつけた。


「つまらん! 強くない! ジャックのいるところに行きたい!」

「でもさ。別にジャック兄ちゃんが難易度の高いダンジョンにいるとは言っていないよね?」

「でも、状況的に此処に向かってはいないのではないでしょうか? 多分ですけどまだあの場所か近い場所に別のダンジョンを発見したんだと思いますけど…」

「問題は付いてきていた気配が無くなり、あのような光の柱が現れた事です。どう考えてもジャック様達はあの場にいる」

「そうじゃのう…しかし、この先の状態を考えるとディラブに抜けられると儂等は困る。お前は筆頭戦力じゃ。前衛はお前とファリーダしかおらんのじゃぞ?」

「ジャックお兄ちゃんとアンヌお姉ちゃんは此処にいない以上はそうだね。私とネリビットは後衛だし、リアンのお爺ちゃんは前衛は出来ないし」

「我慢しろよな。気になるなら後で問い詰めればいいじゃん。多分教えてくれるとは思うし」


 ディラブは斧を背負いながら「仕方がない」と言いながら歩き出す、国家元首を完全に放置して。

 リアンは「仕方がない」と言いながら足を掴んで歩き出すわけだが、お店が左右に存在している商店街の方な道を進んでいく過程でも亡霊型のモンスターがワラワラと笑われる。

 ディラブは斧を振り回しながらつまらなさそうに倒していく。

 時折現れる強そうな敵すらも然程苦戦しない。


「此処って難易度は低い方? それともディラブの兄ちゃんが強いだけ? どっち?」

「そこまで高くない方ではありますが、一般的な人なら多少は苦戦するのではないでしょうか? ディラブさんが強いだけかと」

「私達何もしてないもんね。楽で良いけど」

「そうじゃな。それに、やはり旧首都の目的地の方は奇妙な力を感じるのう」

「はい。前回来た時とは明らかに違って高い霊力と言っても良い力の高まりを感じます。特に…」

「建物の最上部からは高い霊反応が見えるからキングクラスが居座っておるようなじゃな。ディラブの戦いに期待じゃな」

「お前達だけで戦えないか? やはりジャック達の方に行きたい! 絶対にあっちの方が強い奴と戦っているような気がする!」


 ディラブが我儘を言い始めると他のメンバーも「困ったな」と言う困り顔を見せ始めるが、メイビットが何かいいアイデアを思い付いたという顔をすると口を開き始める。


「ならディラブお兄ちゃんが早めに解決してダッシュで戻れば追いつけるんじゃないかな? 真面目に早くすれば良いんだよ!」

「成程!!」

「馬鹿で助かったな。気が変わらないうちに進むとするか」

「ですね(笑)」

「単純で馬鹿って助かるよな…」


 ディラブは斧を振り回しながら当初の目的地であるビルディングの近くまでやってきた。

 ビル前にある広場には前回来た際には居なかった大きな首無しの巨大な騎士の鎧を着ている巨人が大きな剣を握りしめながら徘徊している。

 その姿はビルを守る守護者の様にも見えた。


「守っておるんじゃろうけれど…キングクラスが三体じゃな」

「はい。そもそも見たことが無いレベルのモンスターです」

「こんなことならディフェンダー辺りにモンスターのリストでも貰っておけばよかったよな? 中央大陸のモンスターじゃねぇの?」

「どうじゃろうな。儂はそもそも詳しくないしのう…ジャックやアンヌなら知っておったかもしれんが。あれはプロじゃからな」

「倒せば全部同じだ!」


 地面を抉り割るような勢いで跳躍するディラブ、舞い散る砂煙に顔をしかめる一行、首無し巨人は飛んできたディラブに気が付き素早く剣を振り上げてタイミングよく振り下ろすが、ディラブは体を上手く捻りながら剣の攻撃軌道を無理矢理変更して着地。

 そのまま素早く足を斧で弾き飛ばしコケさせると斧で胴体を真っ二つにしてしまう。


「強すぎでしょ…どんだけ興奮しているわけ?」

「早く片づけたいという気持ちが強いんだろうけど。この調子なら下手に手伝ったら勢いを削ぎそうですね?」

「ですが、そのまま放置も出来ませんし。私が手伝ってきますから皆さんはそのまま建物の中へと入って行ってください。私達は終わり次第中に入りますから」


 ファリーダが走り出していきその隙にと建物の中へと入って行った。

どうでしたか?

次回はジャックサイドへと話が移り変わります。

この高難易度ダンジョン同時攻略戦はリアンサイドとジャックサイドでお話が切り替わりながら進んでいきます。

では次は円環のドラゴン第三十八話でお会いしましょう!

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