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白と黒の輪舞 6

円環のドラゴン編第三十四話になります。

いよいよ戦いもクライマックスです。

では本編へGO!

 ジャックの攻撃方法は魔力を使った攻撃方法しかない以上、そこから考えを広げれば凡その攻撃手段を絞り込むことが出来る。

 だからこそ悪魔王は武器そのものに注目をしたわけだ。

 ナーガの元勇者は元々魔力を扱う事に長けているだけに基本特殊な武器が多いイメージだったが、今代の勇者であるジャックはヒューマンとして生きてきたので他の元勇者とは違いヒューマン族に近い武器を使うだろう事は想像できた。

 だからこそジャックの武器の性能に当たりをつけて考えていたわけだが、攻撃範囲と攻撃回数を増大させて連続で攻撃仕掛けた結果ジャックはそれを反射することを選んだ。

 大太刀は吸収して倍にして返すという手段、小太刀はあらゆる攻撃を反射することに長けているわけだが、悪魔王は問題にしていたのは小太刀の反射の方であった。

 大太刀は倍返しに前に吸収という過程を含めるため魔力などのエネルギーだけであり、これはジャック自身の魔力を吸収し斬撃として放つためと思われた。

 ナーガは自身の魔力に『形』『属性』『大きさ』などを設定して使いこなすが、ジャックはそれの内『形』を省略して使っているのだ。

 その上魔力の使用量を半減させることが出来る大太刀の効果はジャックの戦い方にもあっている。

 しかし、実際の所脅威なのは小太刀。

 反射するという過程に何処までなのかという制限が実はジャック自身すら全く把握できていない上、下手をすると呪いなどまで無差別に反射する可能性が高い。

 下手に即し攻撃を放てば死ぬのは悪魔王自らという事にもなりかねない以上は慎重に戦う必要がある。

 先ほどから使っている斬撃に幾つかの呪いなども多少は混ぜて放っているのだが、その全てを小太刀は反射しているのだ。

 此処までくれば間違いが無くジャックが扱う小太刀は向かってくる『攻撃』に分類されるものは全て例外なく『反射』するということだ。

 これは実物系の攻撃すら反射しかねない行動であり、奇襲すら反射する可能性があるのだ。

 特に即死系は攻撃が着弾する時点で反射されるだろう事は間違いが無い。

 まさしく鉄壁の盾であり、それをなるべく小さく使いやすい形に収めている。


 ジャックは元々攻撃手段である剣術一帯を使いこなしていたが、実は盾という防御術は学んでこなかった。

 と言うのも盾を装備して総重量を増やすと動きが遅くなるというデメリットがある。

 元々ジャックは動きが素早いので攻撃を受け止めるより避けたほうが早かったが、それはヒューマン族時代の小柄な時だからこそ使えた手段。

 今のジャックは肉体が大きいナーガ族であり、ヒューマン族時代の身軽さは存在しない。

 だが、今まで学んでこなかった盾というイメージが湧かないジャック、それゆえの小太刀というイメージ。

 それが今現在の反射という防御方法に繋がっている。

 反射…全て弾き返すというイメージが強いこの方法は要するに武具そのものにダメージを負わせない様にと言う造りをしている。

 実際の所反射する際に着弾しているかのように見えるが、着弾する前に不可視であり不可侵の結界が反応して反射しているだけ。

 小太刀をジャックの勇者の刻印と連動させている今はもはや奇襲による暗殺すら未然に防げるという意味では最強の盾の名前を名乗ってもおこがましくも無いだろう。

 ジャック自身の攻撃手段を最大限生かす大太刀とジャックの戦い方に合わせる形になっている防御方法の小太刀。

 ひたすら攻撃することで一旦ジャックの攻撃手段を封じつと言う攻撃方法は間違っているわけではないが、それではスタミナが切れたほうが負けである。

 そして、ジャックは未だに魔力を消耗していない以上はまだ余裕を持っている。

 それ故にジャックは少し考えていたのだ。

 此処で攻撃に転ずるか、悪魔王の油断を誘う方が適切か…未だに決めあぐねていた。


 ひたすら迫りくる攻撃をひたすら反射しながら多少左右前後に移動してベストポジションを探し出すジャック、悪魔王はその間に別の攻撃手段を考えていた。

 反射を封じつつの攻撃という事もあり少々決め手を考えあぐねていたのは事実で、そこで悪魔は自立型の攻撃ドローンを自らの影を触媒にして製造して連続攻撃を命令、そのうえで自らはジャックの反射を警戒しつつ近接攻撃を仕掛ける為に地面を強めに蹴る。

 地面が抉れるような感じの激しい音を鳴らし、爆音を響かせながらジャックへと向かって一気に近づいていくわけだが、ジャックからすれば攻撃するチャンスがやってきたと感じていた。

 大太刀を召喚して自らの聖属性の魔力を込めていきカウンターのチャンスを待つ。

 下手に攻撃を仕掛けるより確実な攻撃チャンスを待つことにしたジャック、悪魔王は右手に真っ黒な魔力を纏いながら殴りかかる。

 その攻撃を丁寧に右に回り込むように避けて縦に大太刀を振り下ろすと同時に聖属性の斬撃を放つが、悪魔王はニヤリと笑いながら拳に纏わせている魔力を弾けさせる。

 周囲に弾け飛ぶ悪魔王の魔力、同時に悪魔王目掛けて飛んでいく聖属性の魔力を盾の手で防いでみせるのだが、その盾の手を貫通するような勢いでめり込んでくるジャックの攻撃。

 流石に驚きを隠せない悪魔王、それはジャック自身も同じではじめっからジャックからの攻撃に合わせてカウンターを放つつもりだったとは思わなかった。

 まともに弾けた魔力を受けて吹っ飛んでしまうジャック、同じく斬撃を捌き切れなかった悪魔王はその威力に負けて吹っ飛ばされる。

 予想以上の攻撃手段にジャックは、予想以上の威力に悪魔王は同時に吹っ飛んでいき空間の端の壁を粉砕した。


 見ている両者がそれぞれの方へと向かって視線を送るが、沈黙は五秒程度で素早く反応したのはジャックの方だった。

 聖属性の斬撃を悪魔王目掛けて三発放って見せるが、同時に一瞬だけ沈黙していたドローンの攻撃が再開する。

 斬撃攻撃を反射しつつ今度は二発聖属性の斬撃をドローン目掛けて飛ばして撃破、砂煙の中からジャックが身を出してそのまま距離を縮めようとしていた。

 悪魔王の方は攻撃を受けても沈黙しており、ジャックは警戒心を高めて距離を縮めるが、立ち込める砂煙の中には悪魔王は居なかった。

 そのはずはないと考えても何度もチェックしてもその場にいない。

 ジャックが続けざまに放っている攻撃もその後ろにしっかりと刻まれているところを見ると、連続で放った攻撃の時点でこの場から移動していると分かった。

 今までの攻撃や移動などを考えてジャックは脳をフル作動させると素早く敵の次の一手を思い出す。

 ジャックはその場から適当に跳躍すると先ほどまでのジャックの足元から黒い槍が数本突き出る。

 影になって逃げるという特殊な移動方法を習得している悪魔王、攻撃が当たる直前に真下に逃げ、その場で息を殺して待機しつつジャックが向かってくるのを待っていた。

 舌打ちなどは一切せず冷静にジャックの動きを見極めてつつ今度は身を乗り出してジャックとの間はほぼゼロ距離、ジャックに体目掛けて真っ黒な魔力の球体をぶつけようとする。

 反射する隙間は一切無い、しかしジャック大太刀に聖属性をひたすら吸収させてその場で大きな大爆発を起こさせた。

 狙いは敵の真っ黒い魔力を聖属性で出来る限り中和するという方針、その防御方法は間違ってはいない。

 自らの身を削る防御方法であるが、ジャックには魔力がある限りの再生能力がある。

 此処でダメージを受けたのは悪魔王であった。

どうでしたか?

次回で決着と今回のドラゴン編の真髄へと迫ります。

では次は円環のドラゴン第三十五話でお会いしましょう!

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