表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/193

水氷の神殿 4

円環のドラゴン編第十八話目となります。

今回登場する新キャラクターは中央大陸に入ってから重要キャラクターです。

では本編へGO!

 神殿の最奥へと歩くこと三十分が経過していると一番奥の手前で大きなドアに遮られてしまったわけだが、ファリーダ曰く「前に此処に来たときはこんな大きなドアは無かった」と言い出した。

 まただ…前の山の時と同じで誰かに事前に妨害されているような気がするが、誰が何の目的でこんなことをしているんだ?

 やっていることが小さすぎるのだが…困るんだよな…無駄な抵抗でしか無いし。

 俺は魔力を練り始めそのままコピーしておいた術式を再現してブラックホールを作り出してから正面に叩き込んだ。

 大きな両開きのドアに着弾してからブラックホールはそのドアをあっという間に吸収と圧縮して無くしてしまう。

 そのまま俺は術式を解除してから鼻歌交じりで歩き出すと、皆からドン引きするような雰囲気を感じ取り振り返るとドン引きされていた。


「どうした? なんで引く?」

「その術式だけで十分じゃない? 他の技を使う必要あるの? ていうかそもそも…? ねえ…変じゃない?」

「そうですね。あれだけの音が響けば中にいるキング種とクイーン種は興奮するか大きな反応をするはずなんですけど…」


 そういえばそうだと思い俺は部屋の方へと向かって顔を向けると、俺はドアが破壊した際に立ち込めていた煙が無くなっていくのを視界に捉えた。

 視界が晴れていくとそこに映る光景に俺は驚愕することになった。

 二体のキング種のゴーレムとクイーン種のドラゴンは確かに存在していた…遺体として…

 その遺体は重なるように放置されており、その上には黒い騎士が佇んでいる。

 遺体の状態から考えると先ほど倒されたのは間違いないわけだが、そうなるとこの先にいる黒い騎士が倒したという事になるわけだ。

 一本の黒い綺麗な騎士剣を両手に持ち、真直ぐに遺体を眺めているわけなのだが、俺はそれ以上に二本の剣の方に視界が行ってしまう。

 立派過ぎるほどの剣なのだが、禍々しいという表現が強そうな剣に見えた。


「その扉を破壊したのはナーガ族の君かな?」

「そうだと言えばどうするんだ? その剣で攻撃されるのか?」

「どうしてその武器で切らない? 君は私と同じ二刀流だろう?」


 俺は今剣を刻印の中に隠している。

 それはすなわち剣が見えないという事だ。

 なのにも関わらずこの騎士は俺が二刀流であると言い当てたわけだが、それを問いただすべきか、俺はふと悩むと騎士は俺の方へと向かって体を向けてくる。

 途端に嫌な予感が脳裏をはっきりと感じ取り、刻印から勇者の剣を二本とも取り出して俺は騎士から攻撃を受けた。

 全員が驚きの声を上げる中俺はそのまま至近距離で騎士を睨みつけると、俺は騎士の息遣いがはっきりと聞こえてきた。

 籠っている声が俺に届く。


「君は剣術でも達人クラスの実力者だ…私はそれが分かる」

「だからと言っていきなり襲うか? 常識が無さすぎるだろう!?」

「何の用事で君は此処に来たのかな? その理由を知りたい」

「こっちの質問には答える気が無いだろ!? そっちこそこんな場所でなにをしている? まさか修行だとか実力試しだとか言わないだろうな?」

「さあな…君が勝てば教えよう」

「その言葉…撤回するなよ!?」


 俺は力一杯敵を室内へと向かって吹っ飛ばすとその勢いで室内へと入っていく。

 騎士は空中で身を翻し、地面に着地すると同時に俺の方へと向かって視線を合わせて俺が振り抜く横なぎの一撃を身を後ろに下げてそのまま回避する。

 俺はその勢いのまま敵の左わき腹目掛けて力一杯蹴り飛ばし、騎士はその蹴りを上手い事受け流し、攻撃の勢いを削ぎ落してから体を捻りながら俺の首目掛けて二本の剣を振り回す。

 やってきた攻撃を俺は受け止めながら少しだけ後退りしてしまう。

 二本の勇者の剣の内大太刀の方にブラックホールの術式を吸収させてから刀身を真っ黒に変える。


「一閃!」


 黒い一閃がはっきりと騎士目掛けて飛んでいくと、騎士はその一撃を受け止めようとしてとっさに空中へと向かって避ける。

 感が良いというレベルではない。

 まるであの一撃の効果が咄嗟に分かったような動き方であり、地面を強く蹴って今度は大太刀に炎属性を吸収してから連続で三連撃を放つ。

 今度はその三連撃を全て叩き落して見せる。


「先ほどの一撃はナーガ族だけの一撃という事かな? 魔術を使った一撃とは面白い」

「お前は…ヒューマン族だな? ホビット族の長身タイプかなと思ったが、それにしては体の身のこなしや咄嗟に俺の攻撃を回避したあの勘の良さと言い」

「そうだが?」

「だとしたら余計に謎だ。此処はドラゴン大陸だぞ? そもそもヒューマン族は外の大陸には出ないだろうしな。そこにいるチビのヒューマン族の女は別としてね」

「誰の事よ!? 私のことじゃ無いでしょうね!?」

「アンヌお姉ちゃん落ち着いて」

「そうかな?」

「それに此処に居る理由も分からない。俺達がこの部屋に入るのに存在していないはずのドアが設置されている。それが破壊された痕跡が全くない。そして、その反対側のドアにも開閉された痕跡が無い。お前…どうやって入った!? まさかそのドアを作ったと言わないだろうな?」

「ドアが前には無かったというのは知らなかった。此処に入ったのは転移と言う術式だ」


 彼は姿を消してしまうと俺の真後ろに瞬間移動してしまう。

 俺は後ろからやってくる首を狙った一撃を剣で上手い事受け止めてから睨みつける。


「多彩なヒューマン族らしい手段だな」

「此処に来た理由は宝を求めてきたからだ。このドラゴン大陸に存在している呪われた逸品をな」

「呪われた逸品?」

「ああ。とある人物から外の大陸にある曰く付きの逸品が欲しいと言われていたのでね」


 俺はその逸品を求める頭のおかしい人物に心当たりしかない。


「私…そのバカみたいなことをする人に心当たりある。そんなことの為にこんな所までやってくるヒューマン族には心当たり無いけど」

「俺はある。金次第でどんなことでもする傭兵。たしか…『ガーディー』だったか? 黒い騎士姿の一風変わった男と言う噂話だが…」

どうでしたか?

水氷の神殿のお話もそろそろ終わりです。

では次は円環のドラゴン第十九話でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ