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密林を歩いて

円環のドラゴン七話目になります。

本格的な戦闘はまだですが、今回からドラゴン大陸初のダンジョンです!

では本編へGO!

 そのまま俺達は軽く語り合い一時間ほどで自らの部屋に戻ってからそのまま熟睡した。

 朝起きて全員で朝飯を食べてから俺達はそのままファリーダの案内のまま北の方へと歩いていき、街を出ていくわけなのだが、出た瞬間にあっという間に密林の湿気を前に俺達は表情を曇らせる。

 鬱蒼と生い茂る深い木々と背丈の高い草、道なき道を進んでいくファリーダの足取りに全く迷いは無かった。

 女性陣に荷物を持たせるわけにはいかないので俺とディラブとリアンが荷物を持っているわけなのだが、この中でリアンだけが「儂は女性なのじゃが?」と疑問を呈すが、俺達は「中身はエロ爺だろ?」で返すと何も返ってこなかった。

 この中でネリビットだけがビクビクしながら実の姉であるメイビットの後ろに隠れながら歩いている。

 いい加減歩きにくそうな気がするわけなのだが、まあここまで露骨だと分かり易いわけなのだがどうやら虫が嫌いなようだ。

 先ほどから木や草木などに注目しているようだし、間違いなく虫…特に気持ち悪い分類を嫌がっているようだ。

 典型的な都会っ子だなと思いながら俺は前を歩いていると、アンヌは割と余裕そうに歩いて時に邪魔ったるそうに虫をレイピアで遠くに飛ばす。

 ディラブも特に気にしているわけでもなさそうで手で掴んで吹っ飛ばしている辺り流石だった。

 リアンも時折驚いたりしているが、特に嫌がっているわけではなさそうだ。

 俺も好きではないが、別段嫌悪することも無いので邪魔な奴だけ飛ばしているわけだが、メイビットは何処かウキウキしながらスキップ交じりに歩いている。

 もしかしてと思いながら全員がメイビットの動きに注目していると、メイビットは何かを発見したのか地面に手を突っ込んで持ち上げた虫は毒蜘蛛であった。

 地面に巣を作るタイプの大き目な毒蜘蛛なのだが、正直大きさが気持ち悪く小学低学年の頭部ぐらいの大きさはある。

 悲鳴を上げて俺の後ろに隠れるネリビット、俺は隠れたネリビットに「隠れる相手を間違えたな」とツッコム。


「ネリビット。私の後ろに隠れても良いよ」

「え? 良いよ…ジャック兄ちゃん体大きいから隠れやすいし」


 アンヌが物凄い落ち込みようを見せてより、小さく呟くように「昔は私の方が大きかったのに…」とぼやく。

 ディラブはメイビットに語り掛けた。


「流石に危険じゃないか? それ毒虫だろう?」

「でも噛まれないと大丈夫だよ。それに私は耐性作ってあるから大丈夫だし。皆にも作ってあげようか?」

「作ってくれるのは有難いのじゃが…とりあえず遠くに投げるかしてくれんか?」

「えっと…メイビットさん? ネリビット君がすごく嫌そうな顔をしているのでそろそろ…」

「そういえばネリビット苦手だったね。虫のお香を焚けばいいんじゃない?」

「だったら焚いてよ!! あれ、生きている虫を使わないと焚けないんだよ!! こっちに持ってこないで!!」

「だってネリビットがお香を持っているんだよ? そっちに持っていかないと私焚けないもん!」

「それで焚こうとするな! もっとあるだろう!?」

「捕まえるの面倒だよ。せっかく捕まえているんだし…」


 ネリビットは俺に向かって「これ!」と渡してくるお香の入れ物、俺はそれをメイビットに渡すわけだが片手では使えないようで困り顔をしている。

 仕方がないと思い俺がお香の入れ物の蓋を開け、メイビットは毒蜘蛛をお香の入れ物の中に入れてそのまま中に火を焚いて虫よけのお香の蓋を閉めてから自分の両手でしっかりと持つ。


「なんで姉ちゃんは平気なんだよ! 平気な顔であんなデカい気持ち悪い虫を握るし」

「そんなこと言われても蜘蛛だって好きであんな体に生まれたわけじゃないんだし、責めても可哀そうでしょう?」

「その蜘蛛をお香の入れ物に入れて火を入れた子が言うかなぁ?」

「アンヌ。突っ込んでも無駄だと思うぞ」


 俺が代わりに突っ込みながら歩き出す中で、後ろからリアンが声を掛けてきた。


「結局。アンヌには話したのか?」

「なんだ…知っていたのか? それともディラブから聞いたか?」

「お前達が揃ってホテル最上階にあるナイトプールに移動したら誰でも察するわい。で? どうなんじゃ?」

「いや…直接は言っていない。本人も何となくは察しているようだが、ドライ最高司祭から話を聞きたいそうだ」

「なんだ…言わなかったのか? アンヌの性格を考えるとむしろ知りたいと思っていると思っていたがな?」

「ディラブまで話に入ってくるし…アンヌなりに色々考えているんだろうさ」


 俺達は草木に警戒しながら歩いていると、遠くに石造りの遺跡が薄っすらと見えた気がして俺は足を止める。

 遠目に見てみるとやはり蔓に巻きつかれ、ひび割れている部分もあるが、しっかりした造りが見えてきた。

 角ばっているが、先細りの立体的な構造の遺跡が見えた。


「あの遺跡がこの辺りがダンジョン化している理由か?」

「ええ。反対側にもありますよ。全く同じ遺跡で対になっていると聞いています。地下でも繋がっており、この辺りは昔ドラゴン族通しで殺し合いの戦争が在って、この辺りはその戦場だったらしいです。その際に拠点として作ったのがあの遺跡らしいですよ」

「それってダンジョン化したのはあの遺跡が起点になっているだけで、ドラゴン族通しの戦いが起爆剤なったって事?」

「そうですね」

「凄い戦争じゃな。普通戦いでダンジョン化するって規模が違うわい。流石ドラゴン族。ナーガでも同じことが出来るんじゃろうか?」

「かもしれないな。ナーガの方が酷いかもしれないが。何せ規模がデカいのはナーガの魔術は起爆剤としては百点満点だろうし」

「そもそもさ…ナーガってお互いに戦争するぐらい仲悪いことあるの?」

「無かったわけじゃないけど。それこそ、直ぐに鎮圧されるから基本ダンジョンを作ったというのも聞いたこと無い」

「ナーガは政治としてもその辺りしっかりしていますしね。私達ドラゴン族は基本自由気ままでマイペースな人が多いですから」

「確かに、リアンはマイペースだもんな。俺やジャックやアンヌは良く振り回されているからな」


 照れるリアンに対しアンヌはドン引きしながら「褒めてないわよ!」と厳しい突っ込みを浴びせる。

 それに対しては俺は敢えて突っ込まない。


「このダンジョンって長いの? もう…嫌なんだけど。虫以外モンスターが出てこないし…」

「出てこないというより多分だけどディフェンダーが最近退治したんだろうな。痕跡はあちらこちらに残っているしな」


 俺が草木を分けると攻撃の痕跡やモンスターの死骸の後が残っている。


「そうですね。運が良かったです。でも、この次のダンジョンは多分対峙していないと思いますよ」

「漸く俺の出番と言うわけか!」

「約一名やる気を出しております。私今回は後方支援で良い?」

「誰よりも最前線が性に合っている女が後ろに下がったら役に立たないだろう? 前に出ろよ。俺が後ろに下がるとしたらまだ分かるけどな」

「そうだよなぁ。ジャック兄ちゃんはまだナーガ族だから魔術を使った攻撃が出来るけど、アンヌ姉ちゃんは後ろに下がったら何が出来るの?」

「ヒ、ヒーラー?」

「俺はいらないぞ。ていうか、メイビットとネリビットがいるから多分要らんぞ。後方支援は。前に出ろって」


 アンヌは口を尖らせながら仕方なそうな顔をしているのだった。

どうでしたか?

戦闘はもう少し先になります。

では次は円環のドラゴン第八話でお会いしましょう!

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