デルカ・アル・フォースへようこそ
円環のドラゴン編開始です。
では本編へGO!
ドラゴン大陸は外周に存在している四つの大陸の内北東に位置する大陸で、同時に隣接している大陸は南にナーガ、西にはホビットが存在しているが、実は四つの大陸の中でオーク同様に内情が全く理解されていない大陸なのだ。
内海に通じる場所に色々と街が存在しているが、その多くがドラゴン族以外ばかりが目立っている状況である。
それでも大体は旅を良くするオーガと元より商売っ気が強く金目に強い関心が強い者が多いホビットが多いが、それでも一部のナーガが観光で訪れることが多い都市。
しかし、それだけに五つの都市と浮遊都市の中で浮遊都市に次いで他種族が交流する珍しい大陸である。
浮遊都市を交流と言う言葉で締めくくるのは俺ジャック・ロウとしては認めたくない限りだが、それでも一般的に交流と言う意味ではドラゴン大陸が一番な気がするのだ。
ドラゴン大陸の中に存在している首都と勇者の剣の正確な製造の最終過程を踏む必要がある。
しかし、俺の前にいるメンバーの内半分はすっかり刊行する気分でいるのだ。
「俺達が勇者の剣製造の最終過程を行い、首都へと赴いてドラゴン政府に会うという目的を忘れているんじゃなかろうか?」
「ジャックが頑張って説得すると良い」
「私達で頑張るしか無いですよね? 頑張ります!」
「メイビットは真面目で優しくて優等生だな。それに引き換えそこに居る聖女は…不真面目なくせに難癖付ける…」
「真面目ではないのか? 真面目だから聖女なのでは?」
「え? 真面目なら聖女なの? それにあれは真面目と言うかめんどくさがりと言うんだと思うが…」
「アンヌさんは優しくて良い人だと思います」
「「そして、面倒な奴だな…間違いない」」
俺とディラブの意見が完全に一致した瞬間であり、アンヌが呼ばれたと思ってそのまま顔だけを俺達の方へと向ける。
整った綺麗な顔立ちで同時にまるで幼い頃をそのまま残している顔立ち、あれが俺と兄妹ねぇ~信じられないよなぁ。
俺は「何でもない」と言うとアンヌが「あっそ」と言いながらドラゴン族である赤髪のリアンとメイビットの双子の弟であるネリビットと三人で向こうでなにをするか話し合っているようだ。
一泊することは決定したような話をしているが、俺は未だに納得はしていないのだが…。
俺達が今向かっているデルカ・アル・フォースという街はドラゴン大陸のリゾート地であり、観光名所が多い場所でもある。
基本的には大陸の海岸沿いを西から東に掛けて作られた街並みで、住宅地から繁華街、そのまま真っ直ぐ伸びで海岸や高級ホテルが建ち並んでいるリゾート区画、そのまま東側に別荘地が作られているわけだ。
今俺達はフェリーでデルカ・アル・フォースの港へと向かって移動している真っ最中である。
「こういう時にディフェンダーが役に立たないから困るよなぁ~」
「仕方ないですよ。ディフェンダーはその国に対して行動している立場で、基本はその国に準じた考え方をするわけですから。私達のような国に準じない考え方で行動してから協力はしてくれませんし」
「それに対して俺達が行動していることが結果ディフェンダーの為になるんだから納得がいかないというジャックの言い分も理解は出来るな」
「オーク大陸の時は偶然でもディラブと出会えたから助かったが、今回も同じように出来れば良いけど」
「それが一番ですよね」
「まあ…あまり期待しないでおこう。俺は今までリアン以外のドラゴン族を見たことが無い。それぐらいレアだ」
「そもそも人と関わらないと言われているぐらいですし…実際に生活を見たことがる人ってどれぐらい居るんですかね?」
浮遊大陸にすら見たことが無いのがドラゴンで、とにかく他者とのかかわりを避けて生きているという考え自体は間違っていないように思う。
なので正直話の内容を考えても答えが出ないのだ。
「でも、それならドライ最高司祭はどうやって本来行われるであろう勇者の剣最終工程場へと向かうつもりなのでしょうか…いや、実際に向かったんでしょうか? どんな形であれ実際に向かう必要があるわけですし…」
「そうれもそうだな…やはり何か手段や連絡を取る方法が有るという事だ」
「だが、あの本にはそれらしい内容は一切描かれていなかった。なら、もうすでに話が伝わっている可能性はあるな」
「探してみます?」
「それしか無いだろう。あのメンツが遊んでいる間に俺達だけでも探してみよう」
「しかし、何をするんだろうな? 勇者の剣を今度はどうするつもりなんだろう…正直何をするのかまるで分からない」
「武器の領域を獲得するのだろう?」
「武器の領域ですか…私が持っている双星のホビットが記した本の中にも書かれていますけど、実際に使えた人は少ないらしいですよ? 女神は領域の獲得と使用では別の条件があると言っていたそうです」
「そうなのか…」
「今面倒だなと思ったな?」
「誰でも思うだろう?」
勇者の剣…歴代の勇者毎に形状が異なり、その能力も異なるという事らしい。
その全ては教会本部に隠されているはずなのだが?
「そういえば勇者として旅立つ前にどの勇者の剣を選んだんでしたっけ?」
「ああ。俺用の剣を作ってくれてもいいのにと批判したくなったな。実際にしたけど…」
「したのか? 度胸があるな」
「実際誰でも不満を持つだろう? メイビットならどうだ? 他人のお古を渡された時に不満を抱かないか?」
「まあ、分かります。でも、私の場合は作りますから」
「それもあるか…別の勇者が自分用の剣を作っているのに、俺だけ別なんだぜ?」
「そういえば気になる事が一つ。勇者って何処かにお墓があるんですか?」
「そういえば見たこと無いな」
「あるよ…ナーガに三つ、中央大陸に四つ。まあ、その内の一つは機能していないわけだが…」
実際には死んでいないわけだし、今も生きているわけだから。
「結構大きな墓標で、中は一種のダンジョンと化しているんだよな。入ったこと無いけどさ。遠目には見たことがある」
「そうなんですか? 実際に見たお墓ってどんな場所に在ったんですか?」
「ジャングルの奥地って感じだな。道なき道を進んでいけば見えてくる。石造りの建物に地下へと進む階段、周りはツタや木で覆われていて歴史を感じるんだよな」
「熱帯雨林か…暑苦しそうだな。ムシムシしていそうだ」
「ディラブはあまり経験無さそうだよな? 中央大陸ではそういう一面が多いイメージだ」
「あっ…見えましたよ」
どうでしたか?
今回の円環のドラゴン編で最後の仲間が加入します!
では次は円環のドラゴン編第二話でお会いしましょう!




