表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/193

狂った物語 6

狂った物語六話目です。

いよいよ厄災のホビット戦開始です!

では本編へGO!

「双星のホビットには大きく分けて二つの親類を持つ。一つは私達厄災のホビット…これは双星のホビットにとって年の離れた兄にあたる一族。そして…もう一つは年の離れた妹の一族だ。いわばもう一つのホビット族はいわば突然変異と言うべき種族でもあった。かつてこの地に女神がやってきた際、世界は天変地異に襲われた。その天変地異はこの世界にモンスターを作り出した。女神と呼ばれる者は三つの一族と共に立ち上がり天変地異を解決したと言われている。その際に女神に選ばれたのは兄でもなく妹でもなく中間子である双星のホビットと呼ばれる双子の姉弟だった」


 ジャック達の目の前にいるフードを被ったホビット族の男、この男こそが厄災のホビットの一族であり、同時にホビット大陸での一連の事件のもう一人の黒幕でもある。

 語られる一族の語り部、それはきっと今代の双星のホビットが聞くべき案件でもあるのだ。

 何故双星のホビットが生まれたのか、何故双星のホビットは歴史の陰に隠れているんのか、何故双星のホビットが選ばれたのか。

 厄災のホビットはそれを全て知っている。


「双星のホビットが生まれた時代ホビット族は錬金術で世界を轟かせた。しかし、同時にホビット族には他の種族には存在している魔力を有さないまれな種族だった。そんな中に魔力を宿したいと願うホビットが現れると突然変異として長身のホビットが生まれた」

「そうなんっスか? 良く知っているっスね。今代の双星のホビットは知らないというのに」

「恨んでいるからな。この憎しみを晴らさなければ…お前達の一族が選ばれなければ…」

「その話なんだけど…才が無いから選ばれたんじゃないわけ?」


 ジュアリーが真っ当な意見を述べると、厄災のホビットはその言葉を鼻で笑った。


「才能か…あったさ。選んだのは女神じゃない…貴様の…ジュアリー…お前の一族だ!! お前は妹の一族! お前達が受け継いできた道具は双星のホビットが作った物だ! 当時ヒューマン族が作られた時にな!」

「ヒューマン族を作った?」

「? どういう話だ? どうして俺達のボスですら知らない情報を貴様が知っている?」

「どうやら今代の各継承者や教会や裏の勢力すら継承されなかった歴史を知っているという事っスね」

「ヒューマン族の大元は女神達が元になっている。女神は他の世界より飛来しこの地に災いを持ち込んだのだ。その後、ナーガ以外の三つの種族が女神と共に戦い別世界の出入り口を封じ、その入り口を切り離して封じ込めたのだ」

「切り離した…そうか! 浮遊大陸はその際に! やはり内海は元々大陸が在った場所だったのか」


 ジャックは納得がいったという顔をしながら頷き、ドドナも「成程っス」と感心していた。


「その際に妹の…ジュアリーの一族が他の突然変異のホビットと共に浮遊大陸へと渡り封印を完全にさせたのだ」

「なら。余計に分からないな…ヒューマン族を作った理由も、ナーガが何もしなかった理由も…」

「簡単さ…どうせお前達も知る。勇者と言うシステムとその犠牲者達。そして…もう後戻りが出来ないほどの定められた物語を…」


 厄災のホビットは身を翻しジャック達の方へと顔を向ける、そこにある顔と呼ぶべき場所に顔は無かった。

 目も、鼻も、口も、耳すらも。

 何もかもが存在しない圧倒的な無。


「呪いか…そうか…一族であるお前達は次の子に無理矢理呪いを引き継がせる事で生きる術を身に着けたのか…」

「そうさ…そうしていく内に私達は呪いに対する耐性を付け、同時に呪いを振りまく存在になったのさ」

「そんなことより…教えて欲しいっスね。何なんっスか?」

「元より勇者と言うシステムはこの世界のシステムではなく外の世界で作り出されたシステム。だが、外の世界では魔力と呼ばれる力に対する研究が不十分だった。作り出した魔力をコントロールできないまま、作った魔力の大元この世界に遺棄すくことにした」

「フン。身勝手な話だな。自分達が作っておいて」

「しかし、そんな中にこの世界に同じようにやってきた女神達は必至で戦った。いわばゼロ番目の勇者たちがな。強力な魔力をコントロールすることが出来る勇者システム。不可能を可能に変える力。運命すら乗り越えることが出来る力にこの世界の技術文化はついていかなかった。そう…勇者システムを宿したヒューマン族は代々短命。女神は役割を終えて死んだのだ。その際に勇者の役割を引き継ぐことが出来る種族としてはじめっから目を付けられたのが…ナーガだ」

「ナーガは後の勇者っスか? これを聞いたらノルヴァスがまた…」

「フン…激怒しそうな話だな」

「そうだろうな…だが…勇者の継承譚もヒューマン族の短命問題もこれで終わりだ…」

「? どういう意味?」

「フン。ドライ最高司祭は作ったんだよ! 勇者の完成形であるジャック・ロウとその妹であるアンヌをヒューマン族の完成形としてな! 自分の子供に生きていて欲しいという邪な願いでな!」

「邪じゃ無いです!!!」


 メイビットが大きな声で張り上げて厄災のホビットの言葉を遮った。

 目の前にいる厄災のホビットから向けられる恨みや怒りを受け止めながら立ち向かおうとする姉、その姉を支えようとしている弟。

 今代の双星のホビットはジャックに影響を受けその瞳に星を宿す。


「自分の子供に生きていて欲しいと願う事は決して邪じゃない!!」

「そうだよ! 誰だって自分の子供に幸せに生きて欲しいって願う! それが普通なんだ! 邪なのはアンタだ! 自分本位にこの大陸を振り回して!」

「だったらさっさと死ね! お前達が生きているだけで不愉快なんだ…! 苦しいんだよ!」

「自業自得でしょ? 呪いの錬金術には手を出すなと言う父親の言いつけを破り、呪われた身で大陸に仇をなして…ましてや世界を危うくさせたんだから」

「ふざけるな! 貴様の一族が私達の一族を選べば」

「身勝手な恨み言を述べているところを悪いけどさ…俺…興味ないんだよね! アンヌの事は既に知っていたし、知りたいことも知れたしな…」

「自分もっスね。知りたいことも知りたくない事も知れたっス」

「俺はそもそも興味ない。さっさと殺し合うとするか!!」

「どうせ勇者に殺される運命だ! ならせめて双星のホビットとジュアリー!! 貴様たちだけでも道連れにしてやる!!!」

「させると思うか? 厄災のホビット。俺は邪断の元勇者ジャックだぞ? お前の言う下らない願いは此処で打ち砕く!」

どうでしたか?

次のお話で厄災のホビット戦も終わりです。

後はのんびりと双厄のホビットのエピローグでも書こうと思います。

では次は双厄のホビット第四十七話でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ