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狂った物語 3

狂った物語三話目となります。

なんだかんだ言って愉快なパーティーがダンジョンを攻略しております!

では本編へGO!

 街のど真ん中に陣取り同時に人々を呪いで歪め始めている巨人の化け物、人から人へと呪いは移っていき、広がるその姿はまさしく『災い』と呼んで間違いが無いだろう。

 しかし、人にはそれが呪いであるとはまるで判断できるわけが無く、呪いなんて見えるわけでもないが、それでもある程度の実力者にはそれが見えてしまうのだ。

 各ディフェンダー達や軍人達、警察などは迅速に動き始めるが、見えていない感じていない存在をどう説明して動かすか、そこに重点が置かれていると、次第にパレードを中心に人々の間に小さいいざこざが起きるように。

 それが呼び水となったように喧嘩や果てには殺し合いなどに興じつつ、その全ての人達がそれを理解できないまま、そしてそのままそれを楽しむように笑いながら戦っている。

 アンヌ達が化け物の足元まで辿り着くと、化け物もまたアンヌ達を始めて視認し始めるが、そこから化け物は右手の平を大きく開いてアンヌ達目掛けて振り下ろす。

 しかし、体が大きいという事は同時に動きが呪いという事でもある、力は強くても動きは呪い、その動きに合わせて避けることぐらい朝飯前でもある。

 体は未だに半透明となっており、実体と非実体が曖昧なままであった。

 ディラブが跳躍して頭部目掛けて大斧を振り下ろすが、表面的な部分には切り裂いた跡が出来るのだが、それはまるで存在していなかったように、スライムのようにあっという間に元通りになってしまう。

 触れることも出来る、触れれば実体を感じることが出来るが、それでも呪いそのものと行っても良いこの存在は生き物と言う概念には入らないのだろう。


「生き物の常識が通用する相手じゃないから当たり前だと考えて攻撃しない方が良いわ。どちらかと言えば、本命は厄災のホビットを討ちに行っているメンバーなのだから」

「じゃあ、どうするつもりなの?」

「このまま此処に押しとどめるだけだ。こいつが動けば動く程人を取り込む。取り込めばその分だけ…」

「被害が増すというわけじゃな。此処に押しとどめる分には被害が加速することは避けられよう」

「だが、それでも被害は出るだろう?」

「それは仕方が無いよ。倒せないんだもん。でも、邪魔をする人間がいなければこいつは此処を離れられない。適度に攻撃してこいつは此処に釘付けにする」


 呪いとは本来ある程度の実力がある人間でなければ見ることが出来ない仕組みとなっており、一般人には視認することも感じることも出来ないままただ飲まれるのみ。

 一度飲まれた人間はある程度の心の深度へと潜り込まれると助けることは不可能になるが、どんな呪いでもそこまで至るには時間が掛かる。


「ざっと見込んだ限りだが、こいつの呪いが人の深度を超えるまでざっと三時間。それを超えた人間は助からないだろうな」

「他人事みたいに!」

「他人事さ。俺達は厄災のホビットを殺せばいいんだからな。君達とは勝利条件が違う」


 あくまでも他人事であるとはっきりと告げるノルヴァスにアンヌは「これだから」と悪態をつく。

 実際ノルヴァスには此処に生きている人達を救う理由が無いのだから。



 ジャック達は三つの鏡でオーブからエネルギーを奪い取ろうとしている存在と対峙していた。

 まるで小さい太陽な精霊と呼ぶべき存在と小さい月のような姿をした精霊と呼ぶべき存在。

 何処に実体があるのか、それを見極めないといけない。


「とりあえず『太陽』と『月』と名付けよう」

「ジャック兄ちゃんそれいる!?」

「名前が無いと不便でしょ?」

「ふん。好きにすればいいさ」

「それで? ヴェルズリさんはおわかりなんっスか? 案外間違って記憶しているんじゃ?」

「俺を馬鹿にするのも大概にしろよ! 名前で判断できなかったら馬鹿じゃなくて愚か者だろうが!!」

「愚か者じゃないと? うわぁ!?」


 ヴェルズリはドドナ目掛けて力一杯斧を振り下ろすが、ドドナはわざとらしい悲鳴を上げて余裕を持ちながら回避する。

 周囲はまるで天空に浮かぶ庭園であり、人工的に作られた建築物の上に草木や水溜まりが存在していた。

 オーブはその中で大きな木に包まれる形で保存されているが、それから無理矢理エネルギーのようなものを抽出していた。

 ジャックは手始めにと太陽目掛けて太刀を振り下ろそうとするが、太陽はそれが見えているのが素早く後ろに後退する形で避ける。


「避けたという事は実体があるという事です!」

「そういう事ね。前の奴より厄介じゃないと良いけど」

「ふん。力で捻り潰してくれる!」


 大斧を振り回しながら逃げようとする月目掛けて襲い掛かり、月はまるで光のような速度で逃げていくが、逃げている道の途中にジュアリーが先回りをしており、動きにわせるように大剣を振り回すのだが、それすら月は避けた。

 ジャックは動き自体は比較的鈍い太陽へと太刀を振り下ろしながらそちらへの視線を向ける。


(動きが速い月と動きは呪いがこちらの動きを呼んでくる太陽か…それだけが能力じゃないとは思うが…つがいの存在であることがキーにはなりそうだな)


 ジャックは動きを呼んでくる太陽にある試みを向けてみることにした。

 太刀を収めて小太刀だけを握りしめ、ジャックは右手に重力属性の魔術式を作り出し、太陽と月の丁度真ん中を軸に小さいブラックホールを発動させた。

 すると太陽と月はブラックホールを解除しようと魔術式そのものに干渉し始める。

 ブラックホールは他の術式とは異なりある一手において厄介な特性を持つ、それは術式を使っている術者が存命している限り外部の存在によって強制解除が出来ないという特性である。

 それだけにブラックホールは危険な術式にも成り上がり、術者はブラックホールそのものに精神を使わなくてはいけないが、つがいの丁度真ん中に陣取っているだけ、しかも攻撃範囲も狭まっている為正直そこに近づかなければ脅威にはならないはず。

 なのにも関わらず太陽と月はその間に常に解除に勤しんでいる。


「あれ…何っスか?」

「あれが答えさ。俺は最初あれはつがいの存在だと思っていた、見えておらず感じていないだけであれの本体は真ん中に常に居たんだ。俺は真ん中へとブラックホールを展開すると、ブラックホールがその見えない何かに反応した。重力はあらゆる物体非物体すら影響を与える」

「なるほど。ジャックお兄ちゃんはその間の存在に見ることも感じることも出来ないなら、重力でまとめて倒そうと考えたんだ」

「無論非物体だから時間は掛かるかもしれないが、あれで倒せるはずだ」

「能力はどう説明する?」

「簡単っスよ。真ん中に存在している本体が能力を二つに分けて作り出した実体なんっスよ。あくまでも本体はあれが合体している姿で、自らの本体を無理矢理二つに分けて運用し、本体は実体を失いながらも操っていたんっス。でも、その本体が本来なら考えられないような力で影響を受けたから焦って術式解体し始めたって事っス」

「そういう事だ。あのまま放置すれば…」


 ジャックの言う通りあっという間に太陽と月は輝きを失ってしまい、そのまま消えてしまった。


「これで三つ目のオーブを確保だな…しかし、これもまた…」

「そうだと思う。多分…元人間」

「クズめ…」

どうでしたか?

次第に最終決戦までが近づいてまいりました!

では次は双厄のホビット第四十四話でお会いしましょう!

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