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狂った物語

狂った物語一話目となります!

いよいよホビット大陸編もクライマックスです!

では本編へGO!

 ジャック達が聞いた話によるとこの建物に収められている四つの道具はそれぞれ双星のホビットが作ったとされるレシピさえ残っていないオーバーテクノロジーによる錬金術。

 しかし、ジャックはホビット大陸の歴史を全くと言っていいほどに知らないので、何故四つなのかと素直に聞いてみると、ネリビットがはっきりと答えてくれた。


「まだ五百年前ぐらいまではこのホビット大陸は四つの国に分かれていたの。それに四つの宝具を作って与えたのが初代双星のホビットで、それを国の宝として大事にしていたとされているの」


 すると今度は両手を後頭部に添えて歩ているドドナがジャックの方を見てニタリと笑いながら会話を受け継いだ。


「でも、その宝を巡って小さい争いごとが耐えなくなったんっスよ。無益な争いごとばかり続けていた際に「これじゃダメだ」と訴えた双子のホビットが多くの同士を募って革命と謳い四つの国をあっという間にまとめてしまったんっス。でも、その双子のホビットは革命が終わりそのまま姿を消してしまったんっス。その内多くのホビットの中で「彼らは双星のホビットの生まれ変わり」と信じられたんっス」

「それ…二人は知らないの? 家にある本の中にそれに対する記述書があるんじゃない?」

「それが…家にあるのはレシピ本だけで日記どころか手記一つ存在しないんです」

「俺も見たこと無いしな~レシピだったら嫌と言うほど見たけど、その鏡なんて見たこと無いし」

「多分残していないんじゃないか? オーガである俺が言うのもなんだがな。へへ。ワザと残さなかったのか、それとも残したくなかったのか。どっちだろうな」

「残せないほどの錬金術だったんっスよ! 一度でいいから見てみたいっスよね。お二人も双星のホビットの一族ならあるはずっスよ。双星のホビットは発想が異常とも言われていますからね」


 ヴェルズリとドドナは楽しそうに笑っているが、後ろを歩ているネリビットとメイビットは何処か俯き加減である。

 彼等には自覚が無いのだから仕方がないことで、ジャックですら本当の意味で彼らが本気を出しているところを見たことが無い。

 ジュアリーは腕を組みながら背負っている大剣の刃の方へと視線を向け、長い廊下の先に見えてくる空間を前に大剣に手を伸ばしてスッと身構える。

 ジャックもヴェルズリも同じように気配を感じ取り武器を構えながら奥の空間へと足を踏み出す。

 すると、鏡の世界の一番奥に在ったのは青い光を放つ球体とそれから何かを奪おうとしている四本腕の十メートルを超える人型の馬鹿者だった。


「ネリビット。メイビット。二人ともあの球体は何か知っているか?」

「レシピ本には無かったですけど…多分『聖属性』を形にしているんだと思います。多分元々送られた四つの道具も全て中にあれを隠しておくための方便だったんじゃないでしょうか?」

「あるっスね。中に敢えて空間を作ったのも、レシピ本を残さなかったのも、あれ自体を量産でもされたら後々面倒事になるからでしょうね。隠して封じておくため。これが入っているだけである程度の祝福は得られるっスから」

「ふ~ん。あれは壊しちゃいけないのか?」

「止めておいた方が良いんじゃない? そうでしょう?」

「そうっスね。特にヴェルズリと言えば邪悪な方なんっスから。聖属性の塊を砕いたら肉体にどんなダメージがいくか。自分は見物っスけどね」


 ケタケタ笑っているドドナに対してため息を吐き出してジャックは二本の勇者の剣を握りしめて駆け出していく。

 四本腕の化け物は一旦『吸う』という動作を止め、突っ込んできたジャックに対して右上腕を力一杯振り下ろすが、ジャックはそれをバックステップで回避し化け物の腕をずんずん上っていく。

 化け物の二つの目の一つを剣で切り裂いて封じ、同時にネリビットとメイビットは持っていた銃で敵の動きを封じる為に粘着力の強い銃弾を体中にまとわりつかせ、同時にヴェルズリが勢いよくジャンプして化け物の首をあっさりと斬り落とした。


「はん。弱っ! 期待してきたってのによ」

「何を期待しているんだ? お前の所のオーガは」

「知らないっスよ。もっと強い奴と戦えると思ったんじゃないんっスか? それよりこれ…取り出すんっスか?」

「止めておいた方が良いと思います。この場所に安置しておいた方が良いです。下手に取り出すとどんな悪影響があるか分かりませんから。残りの化け物だけ駆除しましょう」

「そうね。まあ、これから先は無いみたいだし、もういないかもしれないけど」



 アンヌは生クリームたっぷりの苺パフェを食べながら楽しそうに祭り気分の強い大きな通りを歩いていた。

 その隣を監視役を付けられているリアンと監視役のディラブの三名と一緒に。


「何故。俺まで一緒に?」

「駄目よ! 私一人だとこのお爺ちゃんの暴走を阻止できないモノ。でも、戻ってこないわね」

「前々からあの子達の楽しみにしていた場所じゃ。楽しませてやればいい。それよりそろそろパレードが開始されるんじゃないか?」

「フム。前方方向からやってきたな」


 一番前をトランペットなどの楽器を持った男女が演奏しながら歩いており、その後ろを少し前を開けて若干過激な衣装を身に纏っている女性がダンスを踊りながら歩いている。

 ホビット族だけで構成されているパレードではあるが、美しさと芸術性を両立させたパレードに周りがすっかり浮かれているが、そんな中リアンの様子がおかしいとディラブは気が付いた。


「どうした? ソワソワして」

「感じんか? こう…ざわつくという感じじゃ。何か嫌な感覚が背中から迫った来るような…」

「…お爺ちゃんはドラゴン族だからもしかしたら周りにあるそういう嫌な気配に敏感なのかも。という事は…」

「面白いドラゴン族だな」


 三人は驚きながら飛び退り警戒心を向ける中、まるで当然という寄りにノルヴァスとメロンは現れた。


「私も感じるのよね…呪いが少しずつ迫ってくる感じ…好きになれないわ」

「そこまで警戒しなくても良いだろう? 今回はお互いに契約があるはずだ。そうだろう? 先ほどドドナ達から連絡があったぞ。邪断の元勇者ジャックと共に厄災のホビットの潜伏先が分かったそうだ」

「どうしてそれを…?」

「まあ、確認する前に突入した奴が悪い。あっちはヴェルズリとドドナに任せておけばいい。どのみちこっちのパレードも本命なんだ」

「本命?」

「ああ。何せ厄災のホビットの目的は国家転覆なんて可愛らしい物じゃないんだからな。この街の一般人を使った集団錬成陣だろう。呪いに掛かっている人間の命を使って錬金術を完成させるため。パレードのコースを見て直ぐに思いついたよ…」


 ノルヴァスはアンヌに一枚の紙を投げ飛ばし、アンヌはその紙に書かれていた地図とパレードのコースを見て驚いた。

 それは幾何学模様のようになっていたからだ。


「これ…わざと!?」

「だろうな。一か月前から潜伏し様々な方法でこのパレードに仕込みを行っていたようだ。今は最後の錬金術の為に潜んでいるんだろうな」

「そっちはそちらの勇者さんに任せればいいでしょ? 私達は別に備えていなくちゃね…ほら。始まったわよ」


 全員の視線の先にそれは現れた。

 パレードを行っている人も、パレードを見ている人も皆誰も気が付いていないが、街の中心に巨大な巨人が現れようとしていた。


「ククク。あれがホビット大陸の首都の人間を犠牲にして完成させようとしていたもの」

「でも! まだでしょう!?」

「中途半端でも大丈夫という事でしょう? 形を作るだけならね。こちらから攻撃して削ぎ落せば錬金術の妨害は出来るはずだ。戦う準備は出来ているかな?」

「勿論よ。でも、足を引っ張ったら殺すからね」

どうでしたか?

次はジャック達の方へと再びお話が戻ることになります。

では次は双厄のホビット第四十二話でお会いしましょう!

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