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災いを求める者 10

災いを求める者十話目となります!

異色のパーティーでホビット大陸ラストダンジョン攻略です!

では本編へGO!

 ノルヴァスとメロンの二人は鏡の中へと入っていく彼らの姿を見て不敵な微笑を抱き、同時にしゃがみ込んでいるヴェルズリと座り込んでいるドドナの二人は面白そうなワクワクしているような表情で今にも飛び出しそうになっていた。

 ヴェルズリはノルヴァスの方へと顔を向けて「行っても良いか?」とワクワクしており、ノルヴァスはふと考え込むような顔をして「フム」と呟く。

 メロンは呆れたような顔をしながらため息を吐き出し、ドドナは小声で「変わらないっスね」と笑っているが、ノルヴァスは「条件だ」と言い出した。


「今回は協力。敵対じゃない。それは分かっているな? 私達は厄災のホビットを倒せないといけないんだ」

「分かっているって! あいつがこの一か月ほどこの首都で起こしていた一連の失踪事件の原因なんだろう?」

「そうだ。その失踪者を自分の手駒にしているのなら間違いなく化け物にでも変えられてな。楽しそうじゃないか。特に二週間前に失踪している本命はな」

「本命ってたかが半グレでしょう? 彼が連れ去ったホビットって…」

「あれはそんな生易しい半グレじゃないっスよ。珍しく通り名があるぐらいですし…撲滅の意味名がね。そうでしたよね?」

「そうだ。あれは警察位だったら十人ぐらいでも余裕で殺すことが出来るしな。その上ずる賢く中々隙を見せない人物でも有名だ。だからこそ、厄災のホビットはこの町に来て二週間も掛けてそいつを仕留めたんだ。手練れが二週間も掛けているわけだしな」

「へぇ~。でも、それ私達より強いわけ?」

「それは無いだろう。でも、化け物に変えられたのなら俺達に匹敵する実力者になるだろうよ…」


 ヴェルズリが実に楽しそうに笑っており、ドドナも「自分も行きたいっスね。あの双子の正体も知りたいっス」とノルヴァスへと意見を出す。


「勝手にしろ。止める権利は無い。私は目立つから止めておく。屋敷の時に少々やりすぎたしな」

「なら私も止めておくわ。興味ないし。パレードはどうするの?」

「そっちも動くんでしょう? そうっスよね?」

「間違いないぜ。昨日までずっと昼間はパレードの仕込みをしていたようだしな。昨日もずっとタバコを販売していたんだろう?」

「間違いないだろう。パレードも本命だ。と言うよりはこの術式の構築具合から考えればこれはまだ未完の術式だ」

「そうね。完成させるのに少し時間が掛かっているようだし。完成した暁には間違いなくパレードを使って本命(首相官邸)へと襲撃する手はずなんじゃないかしら?」

「アハハ! 楽しそうだな!? 俺やっぱりそっちに参加しようかな」

「止めて置け。派手なのはボスの指令に背く。この場合はコソコソする方が丁度いい。パレードは聖女達に任せておけばいい。俺とメロンは彼女達のサポートだ。暴れたければ邪断の勇者の手伝いで模しておけ。間違いなく厄災のホビットと戦うのは彼方だ」


 ヴェルズリはウンザリしたような顔をしながら「ならあっちに行くか」と勢いよく跳躍し鏡の置かれている窓を割りながら入っていき、ドドナはワイヤーショットと呼ばれるワイヤーを飛ばすことが出来る銃を割った窓へと打ち込んで入っていく。

 二人はジャック達の後を追う様に鏡の中へと入っていき、それを見届けたのちノルヴァスとメロンはこの場から去って行く。



 ジャック達が鏡の中へと入り化け物へと遭遇したその瞬間、ジャックとジュアリーの二人は後ろから襲ってくる斬撃を避けるためネリビットとメイビットを抱えながら飛ぶ。

 斬撃は化け物を切り裂き縦に真っ二つにしてしまい、ジャックとジュアリーは揃って斬撃の主であるヴェルズリを睨む。


「貴様! 何故今!?」

「おいおい。助けてやったんだぞ? お礼があれど批判される筋合いが無くないか?」

「良く言うっスよ。巻き込むつもり満々で斬撃を飛ばしたくせに。久しぶりっスね。自分達も参加させてもらうっスよ」

「どういうつもりだ?」

「ノルヴァスが言っていただろう? 俺達も厄災のホビットを殺したんだよ。始末したいしな。そういう意味で今回は協定通りお互いに手を出さない。そうだろう?」

「ジャックお兄ちゃん…」

「…そうじゃない。何故殺した? と聞いたんだ」

「その元人なら助からないっスよ。呪いの錬金術の一つ『円環の呪魂』っスからね」

「聞いたことある。対象者を呪いで強化した化け物に変える錬金術。禁止指定されている『絶対に使うな』って錬金術師なら誰もが知っているヤバい錬金術」

「俺も。母さんとか言っていた。裏の人間すら絶対に使わないヤバい奴」

「その通りっス。使うだけで呪われてまともな終わりを迎えない。使うだけで普通なら死んでしまうレベルっス。でも、厄災のホビットは存在が呪いそのもの。それだけに呪いに対する耐性もあるんっスよ」

「ノルヴァス曰く「存在するだけで災いを呼ぶくせに、呪いを使っても問題が無いレベルの呪いに対する耐性の持ち主」なんだそうだ。殺すならお前『邪断の元勇者』か先代の勇者であるノルヴァスのどちらか。これは勇者の力を持っている人間でなければ呪いを完全に払う事が出来ない」

「なるほどね。ノルヴァスとかいう人間が此処にいない理由はジャックにやらせると決めたから?」

「そういう事っス。その代わりノルヴァスとメロンはパレードの方を任せているっス。パレードも本命っスからね」

「ジャック兄ちゃん。協力するの?」

「今回だけだろう?」

「無論だ。あくまでも俺達は敵なんだ。この大陸をお前達が出るまでは手を出すつもりは無いさ。約束してやる。約束が不満なら契約と行っても良い。制約を結んでも良い」


 ヴェルズリの方をジッと見るジャックは大き目のため息を吐き出しながら「分かった」と呟く。


「俺もお前達を襲わない。それで良いんだな? 要するにお前達はこの状況でお互いに戦争状態に持ち込みたくない。そういう事だな?」

「へぇ~流石ノルヴァスを苛立たせた男っスね。そっちの双子のホビットに大きいホビットのお姉さんも。特にそっちの双子のホビットは興味があるんっスよね」

「なんで俺達の事を?」

「………私達が双星のホビットだって疑っているからですか?」

「まあね。自分はそうだって疑っているんっスよ。邪断の元勇者さんもそう思っているんじゃ?」

「…ノーコメント」

「だそうだ。まあ、その反応から何となくわかったような気がするけどな。そっちの大きいお姉さんも分かっていそうだな。いや…裏社会では有名な黒兎だったか?」

「それもノーコメントよ。でも、手を出さないと約束してくれるなら一緒に行動するのは良いとして…また後ろから襲ったら殺すわよ」

「だって。自分はしないっスよ。その野蛮人さんは知らないっスけど」

「分かっているって! 仲良くしようぜ! ともに厄災のホビットを討つ為にな!」

「ああ…そうだな」

どうでしたか?

次は一旦アンヌサイドのストーリーも並行して進みます!

では次は双厄のホビット第四十一話でお会いしましょう!

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