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災いを求める者 8

災いを求める者八話目となります。

再びジュアリー事黒兎登場です!

では本編へGO!

 ジャック達がホテルに帰ってから皆でまとまって夜食を食べた後、ジャックはホテルの最上階にあるプールに一人やってきていた。

 ホテルの最上階にあるプールにはお金持ちや著名人などが集まっており、水着姿でそれぞれが楽しみゆっくりしていた。

 ジャックもトランクスタイプの水着と上半身には耐水性のパーカーを着てからプールサイドにあるドリンクスタンドで簡単なカクテルを注文する。

 ガラスのグラスに入れられた赤色のカクテルを持った状態で近くのベンチに座った状態でゆっくりし始めた。

 ホビット族だけでなく、オーガやナーガなど様々な種族が楽しんでいる中、ジャックに一人の女性が近づいていく。

 かつて黒兎という名前でジャックに喧嘩を売ってしまった女優ジュアリー、ビキニタイプにパレオを付けた優雅な水着、色合いは淡い薄水色で出るところは出ており引っ込むところは引っ込んでいるボディーもあり見ごたえがある。

 実際多くの人は彼女の方を見ながら男女に関わらず見惚れてしまっている。


「ナーガの十将軍がゆっくりしていると目立つわね」

「大女優がプールで水着姿でウロウロしている以上の目立つことは無いと思うけどな。本当に居るとはな」

「明日から行われるお祭りは毎年呼ばれているのよ。パレードにはうちの会社も支援しているしね」

「支援って…」

「ホビット族は毎年このお祭りを楽しみにしているのよ。双星のホビットは今でもホビット族の誇りだもの」

「お前もか?」

「…さあ? どうかしら。パレードは配給会社から様々な事務所や錬金術師など色々な人が参加していて、内容は双星のホビットの聖典になぞらえている形をしているんだけど。毎年個性的な内容で行うから」


 ジャックはカクテルを飲みながら「そうか」としか言わず興味を抱こうとしないが、ジュアリーはやってきたバーテンダーに「同じカクテルを」と言う。

 持ってきたカクテルに口に入れながら「ふう」と息を吐き出す。


「お疲れだな。映画の撮影でもあったか? それとも裏家業かな?」

「毎日毎日裏家業をしているわけじゃないわよ。お偉いさんやお金持ちに良い顔するのは疲れるのよ。アンタだって教会と言う組織で良い顔するのは疲れるでしょ?」

「あの頃の俺は良い子を演じていたからな」

「今もすれば可愛げがあるのにね。本当なの? 明日のパレードでトラブルが起きるかもしれないって」

「パレードかは分からないさ。でも、明日以降に動きがあるし、目立つ行動があるとすれば…」

「まあ、お祭りしか無いわね。でもさ…その人は双星のホビットを襲おうとしていたんでしょう? 私だったら双星のホビットを誘い出そうとするけど?」

「かもな。でも…あるのか?」

「あるわよ。毎年やるもの。双星のホビットの錬金術で作られた作品を展示しているもの。私は興味ないけどね。でも、それだけホビット族にとって錬金術は特別なのよ。最悪を退けて文明を開化させることが出来たのは間違いなくあの双子のお陰だもの」

「聖典の内容が本当だとは証明されていないだろう? まあいいや。でも…」


 ジャックは飲み終えたカクテルのグラスをテーブルの上に置いて腕を組んで考え込む。

 すると、プールにネリビットとメイビットが水着姿で駆け寄ってきた。

 二人でお揃いの赤と白の縞模様の水着を着ており、男物はトランクスタイプ、女物はワンピースタイプになっている。


「あ! ジャック兄ちゃん此処にいた!! ほら!」

「うん。ジャックお兄ちゃん…とジュアリーさん?」

「あら? 双子のホビットちゃん達じゃない。このナーガのお兄さんを追いかけに来たのかしら?」

「他のメンツは?」

「ディラブ兄ちゃんは寝たよ。アンヌ姉ちゃんはサロンに行くって出かけて行って、爺ちゃんはなんか若い女の人に話しかけながらどこかに消えたよ」


 ジャックは心の中で「役に立たない奴だな。子供の御守も出来ないのか?」と思いながらもいつもの事だと敢えて口にはしない。

 二人はジャックとジュアリーの目の前にあるプールサイドに腰掛けそのまま水辺に足を付けて楽しそうにバタつかせる。

 そんな年相応の姿を見せる二人を温かい目で見ているジャックとジュアリー。


「そういえば聞いたわよ。貴方とあの小さいヒューマン族のお嬢さんの関係」

「っち! あの爺!」

「お酒を少し飲ませたらペラペラ喋ったわ。変装して話しかけたから気が付いていないんじゃないかしら?」

「一度絞めるぞ。誰にも喋るなよ?」

「さあ? 私をその辺りにいるような物わかりの良い人間じゃないし。貴方が私の秘密を喋らない限りは黙っていようかしら」

「人の足元見やがって…はぁ」

「分からないわね。さっさと喋ればいいんじゃない? そうでしょ? 隠すようなことでもないし」

「…あいつは親を知らない。孤児として育ち、それでも良い孤児院で育って不自由なく生きてきた。それも、今思えばドライ最高司祭なりの親心だったのかもしれないけれど」

「ふん。それこそ親であることを止めている人が親心ね…理解できないわね。それに、結局でどうして貴方が勇者だったのか。私には理解できないわね。誰でも良いんでしょ? ナーガなら」

「知らんさ。そんな内容は掛かれていなかった」

「意外とそれも親心だったりしてね。貴方達に生きていて欲しいとか」

「ドライ最高司祭もアルノ最高司祭も勝手なものさ。それに振り回される身になってほしい」

「ねえ…知ってる? ヒューマン族は他の種族から見下される傾向にあるって話」

「? 知らん」

「だってそうでしょう? 寿命が短く長くは生きられない。ヒューマン族は中央大陸に引っ込んで隠れてしまう。そういえばずっと前にヒューマン族の人間達が外の大陸で変な計画を立てようとしてい合って聞いたわね」


 ジュアリーはカクテルの入っているグラスをテーブルに置き、右手の人差し指を顎にそっと当てながら考え込む。


「何だったかしら? 他の種族を連れ去って人体実験をしていたって聞いたけど?」

「知らないな。少なくとも中央大陸では聞いたことが無い」

「ヒューマン族の事? そういえば私の祖母が昔ヒューマン族から何かを頼まれて品物を作ったって聞いたことあります」


 ネリビットが微笑みながら近づいてくる。


「何でもヒューマン族の寿命問題を解決するような品だったとか? でも、呪いに手を出さないといけない分野だし、一朝一夕で出来るようなものじゃ無かったとか」

「今の俺には分からないな。五百年も生きる長命種だ。それはアンヌも同じかもしれんが。あれも今や五百年生きる」

「それってナーガの血が覚醒したから?」

「あくまでもヒューマン族なんだよ。ナーガの寿命をヒューマン族で再現していると言えばいいのか。きちんと調べれば分かるんだけどな…」


 ジャックはやってきたバーテンダーにカクテルのお代わりを注文した。

どうでしたか?

今回のラストダンジョン攻略はこのメンバーにノルヴァスサイドのメンバー二名参加の六名での攻略になる予定です!

では次は双厄のホビット第三十九話でお会いしましょう!

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