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災いを求める者 2

災いを求める者二話目となります。

では本編へGO!

 ホビット大陸の首都リンカーンシティーは旧市街地と新市街地に分けられており、旧市街地は昔ながらの色彩豊かな小さい家などが並ぶ綺麗な街並みが特徴で、外からの観光客が押し寄せる観光名所となっている。

 その分新市街地はビルなどが建ち並ぶ現代的な街並みとなっているのだが、俺達が到着したのは旧市街地の方になった。

 リンカーンシティーは旧市街地が一番北西側に作られ、南東側へと向かって新市街地そしてディレクという港町へと続いていくことになる。

 このリンカーンシティー中央駅は旧市街地の中でも新市街地側に作られており、南北に作られた駅前広場、北側の駅前広場は円状に出来ており五つの道は旧市街地へと繋がっている。

 南側の道は一本の大きな通りに細かい通路が網目状に広がっており、大通りを通り過ぎれば新市街地へと辿り着くわけだ。

 新市街地も旧市街地側の近くは繁華街や宿泊施設などが広がるエリア、そのままディレクへと近づいていけば政府機関が集まっているを真ん中にその先にはディレクが見渡せる小高い丘とその周りを商人などが集まるエリアと分けられていた。

 とりあえず俺達は新市街地にある宿泊施設の宿を確保してから動く必要があるわけだ。


 駅から南側の広場へと出ていくと視界に映るのは色彩豊かな壁や屋根の家三階建てから五階建ての建物が並んでおり、一番奥には高層ビルがはっきりと見えている。

 駅から出てまずやるべきことは新市街地へと向かう方法を探るという事であった。

 ホビットの駅員さんに話しかけて聞いてみると辿り着く方法は幾つかあるらしいが、観光客が最も良く使う方法はバスらしいので、俺達もそこに習いバスでの移動を選ぶことに。

 バスに揺られる事一時間ほどで目的のホテルへと辿り着いた。

 六十階建ての高層ビル丸々がホテルであるらしく、俺達は事前に政府からこのホテルを手配されていた。

 正直に言えば政府に恩を着せているようであまり良い気がしないのだが、俺とリアン以外は物凄く乗り気なので反対は出来なかった。


「何故乗り気なのじゃろうな…恩を着せられているのに」

「情報が筒抜けで面白くないんだけど。こういうのが弱みになるんだけどなぁ。理解していないな」


 分からないわけじゃないのだが…アンヌもディラブもメイビットもネリビットも基本政治が出来るわけじゃないし、ましてや理解をしているわけじゃない。

 しかし、俺は勇者という曖昧な立ち位置上政治はどうしても関わらざる負えなかったし、そもそも政治のど真ん中で生きてきたリアンからすればやはり無条件の好待遇というのはあまり褒められたものじゃない。

 どうしても相手の心の底を探ろうと、疑おうとしてしまうのは止められないのだ。

 実際恩を着せようとしていることだけは間違いが無い真実で、それ故に喜べない俺達。

 ううん…喜んでいる奴らを残念な顔をさせるのも忍びないのでここは俺とリアンだけの秘密としておこう。

 最上階は一フロアの半分ほどの大きさの部屋が一つと外に屋外プールが設置されているわけなのだが、正直にそのプールはいらないと思った。

 要らないからワンランク下の部屋を欲しい。

 そう思ったのだがメイビットとネリビットはどうにも嬉しかったようで、楽しそうにプール際ではしゃぎ回っており、アンヌはそんな姿を見て微笑ましそうにしながらもソワソワしていた。

 多分あの輪に入りたいのだろう。


「入っても良いぞ。別に何か行動を起こす理由も無いしな。俺は今日中に済ませておきたい個人事情があるからもうすぐに出るけど」

「ええ…ジャックがやることがあって私に無いんじゃ…」

「普段からあるわけじゃ無かろうに…特にアンヌは」

「そうだな。長距離歩けば不満を言うだけで」

「お爺ちゃんとディラブは黙る! 良いもん! 二人とも遊ぼ!」


 そう言いながらアンヌはメイビットとネリビットへと駆け寄っていき、水着に着替える為に部屋に入っていき、俺はその隙にホテルから出ていき、まずはこの首都にある大きな図書館へと向かうか、それとも一回政府に話を聞くべきか。

 そう悩んでから一旦ディフェンダーのホビット大陸総本部に顔を出すべきなのだろうと考えた。

 場所自体はきちんと聞いていたし、そう思って地下鉄に乗りそのまま一旦旧市街地にある総本部に入っていった。


「ようこそ。ジャック様。話は事前に聞いていますよ」


 若い男性のホビットの受付が俺に話しかけてきたので、俺は小さい受付の前に立ち話しかけた。


「じゃあ早速…厄災のホビットらしき人物が多分だけど首都に来ていると思うんだが?」

「それらしい人物が入ってきているという噂話は来ていません。しかし、呪いらしい現象は実はこの旧市街地や新市街地の一部ではもう既に動き出しています。呪いの残痕を見つけたという報告がディフェンダーのメンバー達が発見しているので」

「それはきちんと駆除しているのか?」

「はい。それについては気にしなくていいですよ。ですが、ジャック様の推測通りやはり厄災のホビットと呼ばれるような存在がこの首都には来ているようです」

「一つの村を壊滅させるような奴だ。他の村や集落に似た情報を流している可能性もある」

「実際流していました。最もそこまでヤバい事態に発展しているという話は聞きませんけど。なのでそこまで難しく考える必要はないかと。そもそもどうやってこの首都を攻略するのかという話ですし」

「それもそうだな。だが、存在しているだけで呪いを振りまくような存在だ。何をしでかすか分からないぞ。双星のホビットを狙っているのだって自分の計画の妨げになるからだろうし」


 そう考えて俺は窓の外へと視線を向ける。

 澄み渡るような青空が見えるだけだった。



 大きなビルの屋上に立っているノルヴァスとヴェルズリの二人は首都リンカーンシティーを見下ろしていた。

 文字通り視線という意味でも気持ちという意味でもである。

 ヴェルズリは見下すという言葉自体は嫌いではない。


「厄災のホビットを討て…邪魔だからだってよ」

「同じ意見だ。あれは…生きているだけで邪魔になる。存在しているだけで私達にとっても計画の妨げだ」

「あの二人は街中で情報収集だろう? 俺達も行かないで良いのか?」

「私もお前も少々悪目立ちし過ぎた。あの二人もだが、そこまで警戒度は高くは無い。アルノ最高司祭は当面は役に立たないしな」

「ああ~本来なら教会を襲う為の準備の為にドラゴン大陸へと向かうはずだったのにな」

「もうしばらくの我慢だ。厄災のホビットを討てばどのみち私達も邪断の元勇者もドラゴン大陸に移動する」

「て言うか…お前は知っていたのか? 厄災のホビットの一族が生きていると」

「知らなかった。だが、生きていてもおかしくは無い。聖典に出てくる一族は皆生きているかな。お前も知っているだろう? だから厄災のホビットが生きていると考えてもおかしなものじゃない」

「そういうものかね? あの邪断の元勇者殿はかつての女神の伝承でもなぞらえるつもりかねぇ?」

「いや…そうさせようとしているのは多分…」


 小さく呟くのだ。


 ドライ最高司祭という名前を。

どうでしたか?

直ぐにでも厄災のホビットが現れると思いますのでお楽しみに!

では次は双厄のホビット第三十三話でお会いしましょう!

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