麗華との挙式
麗華との挙式のお話がメインです
札幌市内
チャペルが併設され女性に人気があるホテルで和馬と麗華の挙式が行われた。
チャペルの式には出席した紫苑だがやはり別れてもいない旦那様の披露宴に
出るのは気が進まないと披露宴に出席しないで牧場へ帰った。
牧場の繋養馬たちのお世話はホースパークの厩務員が嬉々としてしてくれる
やはりG1馬の世話をするのは厩務員の夢なのだ
希望者が多く父さんも人選で苦労したらしい
式のほうは身内のみで行われお客さんがたくさん集まるのは披露宴のほうだ。
和馬は正直参加者の名簿を渡され困惑している
和馬と麗華の知り合いでもある競馬関係者はいいが、
それ以外の参加者が麗華のお父さんの関係者で政財界の重鎮の姿が見える
テレビでよく見る政治家の人 現職の総理大臣までいるな
麗華の話によると重婚の法案のおかげで党の支持率が上昇したらしい
それと会社の経営者には当然外国の資本が入っ企業もあるので
外国人の姿を見かける
俺にも当然挨拶してくるが、今の俺は英会話は得意だ
イギリスへ頻繁に通ったおかげで日常会話に困ることはない
まあ、こんな感じで披露宴も無事に終わり俺と麗華は明日新婚旅行へ行くため
このホテルで1泊して明日成田へ行く
このホテルの宿泊費用もパックに当然含まれる
当初は新婚旅行は麗華が引退したら行く予定にしていたがお産も種付けもない
時期は1月しかないため急遽行くことに決めた。
行先は紫苑とわフランスとイギリスだったので今回は北アメリカに決めた
ホテルのスイートルーム
和馬が麗華をやさしくリードしながら新婚初夜の夜は更けていく
翌日早朝
麗華は和馬の腕枕で静かに寝息を立てている
和馬は愛おしい妻の頭を優しく撫でている
和馬はトイレにこうと目が覚めたが隣の麗華を腕枕してる
無理やり起こすのも可哀そうだと和馬は起きるのを我慢
麗華のお気に入りの綺麗な髪を梳かしているところだ
競馬のレース前など頻繁に撫でていたが和馬の手に
ヒーリング効果があるのか麗華はリラックスしてレースへ
挑むことができた。
傍から見たらただのバカップルにしか見えない
すると麗華の体が小刻みに動き覚醒の兆しが見える
目を開けた麗華の目に入るのは和馬の顔
いきなり愛しい和馬の顔を見たため昨日の記憶もよみがえり
顔が火照る
初めての麗華を優しくリードできたのは紫苑がいたからだと
麗華は少し悔しい思いをした。
恥ずかしい思いをしている麗華は話をはぐらかすため
別の話題を振ることにした。
「ほんと和馬は私の髪の毛が好きなんだ」
「麗華の髪の毛だからだよ」
「和馬 そんなに私を喜ばせないで 照れるから」
和馬はそれでも髪の毛を梳かす行為をやめようともしない
「和馬はもう覚えていないと思うけど
私は競馬学校へ入学したらいずれ髪の毛を短く切り
髪を染めるつもりでいたのよ でもねやめたの」
和馬は困惑する
「どうしてこんなに綺麗な髪なのにどうしてだ?」
「幼稚園と小学生の頃にね 仲間外れにされたのわたし
この髪の毛の色でね 金髪は幼稚園でも私一人だから
みんなに怖がれていたのかな でも小学校の
高学年になるころにはそんなことなくなって普通の生活が
出来るようになったけどね」
「周りを見ても日本人で染めないで金髪なのは私一人だった
だから騎手になったらまた何か言われるのが怖くてね
両親に相談して髪を染めることにしたの
その時祖母は悲しい顔をしていたのを今でも覚えている」
和馬はふと疑問に感じて麗華に問う
「でも確か麗華のご両親は二人とも日本人だよな
それなのにどうして麗華の髪の毛の色が金髪になったんだ」
「私の母方の祖母はイギリス人なのよ
だから隔世遺伝だと思うわ」
「なるほどな それで麗華が髪を染めるのを辞めたのはなぜだ?」
麗華は呆れるが和馬なのでしょうがないと割り切る
「あれはそうね 入学して1か月ぐらい経過したころかしらね
昼休みの教室で和馬と紫苑と3人で雑談していた時に
不意に和馬が私の髪の毛を梳かしながらいったのよ
山崎の髪の毛凄く綺麗だねとね 和馬覚えてる?」
和馬は思い出そうとするがまるで駄目のようだ
「すまん 思い出せない それでもそれは俺の本心だな
あの尾花栗毛の金色の鬣とシッポの色だからな
俺が一番好きなシオンの毛色と同じだよ」
「和馬の記憶力はあてにしてないからいいわよ
でもね数馬がその時私の髪が綺麗といってくれたから
染めるのを辞めたのよ そのこと話したら祖母も喜んでくれたわ」
「そして私が和馬を好きになった瞬間でもあるわ
最初の告白は親友の紫苑に持ってかれたけどね
両親のおかげで紫苑に追いつくことができたわ」
「俺は麗華のこの綺麗な髪の毛好きだぞ
けっして髪の毛フェチじゃないから
麗華の髪の毛だから好きなんだぞ 勘違いするな」
「もう、わかったわ 好きなだけ撫でてなさい」
※後日 新婚旅行の帰りに麗華の家へ寄り 麗華の祖母へ
お土産を届けたとき おばあちゃんから
麗華のこと頼みますと言われ 和馬は任せてくださいと答えた。
こんな感じで時間も見ないで二人でじゃれていたため
フロントからの電話で成田行の飛行機に乗り遅れるのを
何とか回避できた。
新婚旅行へ向かうためホテルから自家用ヘリで千歳へ向かい
そこから成田へ夕方の便でワシントンへ向かうルートだ。
アメリカでの目的は牧場巡りツアーでレンタカーで大陸を縦断する
州をまたぐときは飛行機を使う場合も当然ある
旅行で使える日にちが限られているからだ。
牧場でいい馬に出会うことができれば勿論購入するが
アメリカだとダート馬が多い印象があるがどうも最初に競馬を始めた
背景の違いとのこと欧州と日本は似ているがアメリアの競馬は違う
まずダートの土壌が欧州の砂とアメリカの砂と違う同じダートでも高速ダート
はアメリカのほうだ ただグレイトサイレンスが日本で種牡馬として活躍したように
日本で活躍できたアメリカのダート馬のほうが欧州の種牡馬より適性があるとのこと
飛行機で長いフライトを終えて俺たちはワシントンDC ダレス国際空港へ降り立った。
空港では入国審査が当然あり 質問で聞かれるのがこの国へ来た目的は?
その質問にはだいたい観光か ビジネスと答えればいいが麗華は素直に新婚旅行と
流暢な英語で答えたから 横にいた俺を睨み
本当かと? 聞かれ俺はもちろん本当ですと英語で答えた。
すると担当係官がニコリと笑い
「おめでとう よい旅を」勿論英語です
といいパスポートを手渡してくれた。
無事に入国すると空港でレンタカーを借り アメリカ縦断牧場巡りが
始まるが新婚旅行がメインなので観光地も行きますよ
それから二人で仲良く運転も交代しながら帰国前日には恒例の競馬場へ行った。
ラスベガスで毎日数人は受け取れる些細な額を手にした俺たちは
空港免税店で友人知人たちへのお土産を購入帰国の途につく
帰国後改めて麗華の家を訪問
帰国のあいさつとお土産を手渡す。もちろん麗華のお祖母さんにも会えた
翌日には麗華はトレセンへ行かないとだめなので残念だけどここでお別れだ。
俺は一人で飛行機で家へ帰り厩舎へたどり着くと
俺を出迎えてくれたのは牧場の繋養馬で先頭にはシオンとカノンがいる
俺はシオンとカノンに抱き着き
「お前たちに会えなくて寂しかった」
シオンたちもみな
「勿論 和馬に会えなくて毎日寂しかったわよ」
と答えてくれた。
やっぱり 俺はこの場所が大好きだ。
次回は出産と春競馬のお話です。




