表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/167

メリーの初めてのお産 仔馬は可愛いい女の子

読んでいただきありがとうございます。メアリーから呼び名をメリーに

変更しましたが、理由はJRA登録された牝馬に同名のメアリーローズがいたからです。


いよいよ メリーローズとプラチナの種付けが行われる


俺としては愛する愛馬メリーローズの種付けなんて見たくないが

メリーローズの幸せを考えると男として潔く送り出してやろうと

立ち会うことにした。


メリーローズをプラチナの牧場へ連れて行き種付けは行われるが

通常牝馬の興奮を促し発情を確かめるため当て馬を使うが

俺がいればその必要もなくそれにメリーにとって

愛するプラチナが相手で発情しないわけがない


2頭とも準備万端で種付け行為に挑むことになりました。

プラチナ蹴られてしまえ…いかんなつい本音が


※つい最近でも種牡馬が種付け後に予後不良で安楽死処分されてます。

 それと当て馬を使うのは高額な種牡馬が怪我しないようにとの配慮です

 かわいそうなのは当て馬として利用される牡馬ですね


『天馬さんあまり見ないでくださいね』


『フン 天馬悔しいか? お前にはできないからな』


メリーを輸送してきて後部のゲートを開けたら

こいつが目の前で到着を待っていたからな

まあ俺は当然輸送中はメリーと仲良くおしゃべりしてました。


種付けも無事に終わり俺は安堵する反面悔しい気持ちも

湧いてくる 間男に寝取られた気分だ

よし、牧場へ戻るときはメリーに甘えよう


『天馬さん 本音が駄々洩れです

プラチナがにらんでますよ』


『天馬よメリーは俺の女だ

また来年が楽しみだな』


「プラチナ 勝ち誇っているようだが、

もうお前に頼まれても跨ってやらんからな

ストレス発散できなくしてやる」


プラチナにとって天馬に乗馬してもらい

カケアシからシュウホするのは

もう日常的な行いになっていた

他の誰が乗馬しても会話がない乗馬は

プラチナもつまらないのだ。


『お前、ずるいぞ それを持ち出すのは反則だ

俺の唯一の楽しみを奪うな』


メリーは自分のことで喧嘩をする殿方を見て

ほっこりとした気分になり微笑ましく

見ている この二人は仲良しなんですね


「プラチナ」


『何だ、天馬』


「6月までは大変だと思うけど健康には気を付けろ

6月過ぎたら いつでもつきあうからな

メリーに心配かけないようにな俺との約束だ」


『フン、お前に言われんでもわかっている

シーズンが終わればまたつきあえ 忘れるなよ』


『それとメリーのこと頼んだぞ

俺とメリーの大切な産駒になるからな

母子ともに無事に産ませろ

それはお前にしかできないことだから』


こうして俺とメリーはプラチナに見送られ

牧場を後にした。


当然帰りはメリーといちゃらぶしました。


牧場に戻ると佐藤さんから


「いや~ほんと今回は天馬さんがいてくれて助かりましたよ

いつもはもっと種付けに手間取るのですが

スムーズ過ぎて今までの苦労はなんだったんだと

思いましたね それはほかの皆も感じたことでしょう

ほんとあなたに出会えてよかった。

これからも競馬界のためにお力をお貸しくださいね」


「そうなんですか? 俺は種付けを見学したことがなかったから

今日のが普通だと思ってました」


「DRA職員になったのも昨年の冬でしたから

まだ繁殖期は未経験でしたね

今回は当て馬使っていないのでそのあたりも

スムーズに事が進んだ要因ですが

できれば繁殖期天馬さんに常駐していただきたいのですが

これは無理な相談ですからね」


「今回同行できたのはメリーとプラチナの種付けなので個人として

同行できましたが、流石に業務を蔑ろにできませんからね

この件はDRAのほうと相談してください」


「出産については来年度から獣医さんに同行することになってますから

立ち会えると思うので種付けの件はおいおいですね」


種付けの時は帯同しないが、危険が伴う出産時には

獣医に同行してお産を助けるようにと言われている

まあ、これも俺がDRA職員になって初めての試みだ

いずれ改善されていくと思うけど


「そうですね、出産の時に天馬さんがいるとほんと助かります

今までだと相手が人間でないので言葉の壁がありましたからね

助かる命でさえ助けることができず悔しい思いを何度も経験しましたよ

伊藤さんとほかの馬主とも相談してDRAのほうへは種付けの件も

進言してみましょう」


え、俺これ以上に忙しくなるの


メリーの種付けが終わり無事に妊娠が確認されて早340日

いよいよメリーの出産が近くなってきた。


やたら馬房内をうろつくようになり落ち着きもなくなる

食事のほうも取らなくなるのは普通のようだが

俺はいつも付き添い安心感を与えることができるだけ


競走馬は早生まれが2歳戦において有利と言われているが

歴史に名を遺すような名馬にも5月以降に生まれた仔馬もいる

俺としては生まれるのはいつでもいいからとにかく

母子ともに健康で出産を終えてくれと願うだけだ。

勿論俺もサポートをする これはプラチナとも約束したからな


『天馬 そろそろ 生まれそうよ』


どうやら陣痛が始まったのだ、ここからは慎重に行こう


「わかった。皆を呼んでくるから少し我慢して」


『天馬 早く戻ってきてね お願い』


馬が出産するのは夜中から朝方にかけてと言われているが、

そんなのは個人差もあるからな今はまだ夕方だし


俺は佐藤さんと厩務員に直ぐに知らせる


「しかし、やはり天馬さんがいると違いますね

馬のほうから陣痛が始まると教えてくれるのですからね

今までなら絶えず人が付き添い見ているか

知らぬ間に生まれていた時もありますからね」


佐藤さんは生まれる時に教えてくださいといい

執務に戻るが、まあ俺と違い慣れているからだな

俺は自分の奥さんがお産するのと同じだから

そんなのんびりしていられないが


俺と担当厩務員と馬房へ戻る

獣医さんは緊急の場合に直ぐ呼べるらしい

人間のお産とは違いますからねと

佐藤さんはいっていた


「メリー待たせたな 大丈夫か?」


『うん、ちょっと痛いけど 天馬がいると

安心できるわ』


陣痛が始まってもすぐ生まれるわけでもない

長い時にはこの状態が1日以上続くらしいが

その場合は母子とも危険な状態になるときもある

安産を願うのみ


馬房内をうろうろしていたメリーの動きが止まると

綺麗な布でくるまれたシッポがゆれる

仰向けに寝転び破水した。


『天馬…うう』 いきむメリー


「メリー頑張れ 俺が付いているぞ」


「天馬さん メリーの初子ですからね

まだ慣れてないからサポートお願いしますね

私たちも協力しますから」


「勿論です 獣医さん呼びますか?」


「そうですね、破水して(赤袋)レッドバックが出てきたら

低酸素症の恐れがあるので直ぐに呼びますけど

普通なら膜が破れて前蹄が出てきますよ

それなら一安心しますね」


「メリー俺にできることあるかな?」


『私頑張る。プラチナと天馬の仔馬だから

だから 優しく撫でて 安心できるから』


メリーは仰向けになっていきむんでいるから

厩務員さんのじゃまにならないように

メリーの首筋を優しく撫でる


「天馬さん 出てきましたよ レッドバックはないです」


ここからは厩務員の皆さんに任せよう 素人が手を出せるものでない

早めに体外へ出さないと呼吸できない場合もあるので

通常は足を引っ張り外へ出すこともある


厩務員さんが膜を破り仔馬が無事に息をしているのを確認

乾いた布で仔馬の体を拭く


メリーは仔馬の姿を確認すると涙を流し


『よかった。無事に産まれたのね』


「メリー よく頑張ったね 偉いぞ」


暫く寝ころんでいたメリーが

仔馬をぺろりと舐める


そして食欲が出てきたのか授乳のため

飼い葉を食べ始める


さあ、ここからが大事なこと


知らぬ間に佐藤さんも後ろで見守っている

そして仔馬に声をかけた。


「さあ、頑張れ 自分の力で立ち上がれ」


仔馬は立ち上がろうと頑張るが足が長いため

バランスが取れず 倒れる 何度も繰り返す


人間の子供と違い仔馬は1時間以内で立ち上がり

お母さんの母乳を吸いにいく


自然界では当然のことで弱肉強食での野生の生活だと

立ち上がり 自分の足で逃げるのがあたりまえだ

お母さんは手を出さないで見守るだけ


メリーを見ると飼い葉を食べながらも我が子を見守る

ほんとお母さんだね


『貴方なら できるわ 私とプラチナの子供だから

負けないで 立ち向かうのよ』


そんな声が聞こえる そうか仔馬でも念話できるよな


「頑張れ お母さんと応援しているぞ

お父さんみたいな強い馬になれ」


そしてついに仔馬は足をプルプルさせながらも

メリーのもとへたどり着き

母乳を吸いだす。


仔馬の毛が乾いてくると馬の毛色がわかる


「おお、これはメリーと同じ尾花栗毛のおしゃまさん」


「天馬さん 牝馬のようですね

見事なお母さん譲りの綺麗な毛色じゃないですか

これは人気出ますよ」


「天馬さんこの仔馬は私のものですからね

譲りませんよ」


佐藤さんも上機嫌で笑い出す


俺とメリーはそんな佐藤さんを見ながら


「メリーおめでとう これで君もお母さんだね」


『これもみんな 天馬のおかげよ これからもよろしくね

私の2人目の旦那様』


メリーのお産も無事に終わった。


「天馬さんこれで終わりじゃないですよ

直ぐに繫殖期が始まりますから

頑張ってくださいよ」















お産についてですが不適切な表現があると思いますので

どうかお許しください

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ