初めての海外遠征 ドバイ編
新年あけましておめでとうございます。
元日の早朝、プラチナの散歩につきあうため朝の4時に起床
昨日積もった雪をどかしながら厩舎へ向かう
昨年に牧場の厩舎も改装して馬房を増やした
これで繋養できる馬も多少増やせそうだ。
メリー達の馬房も年数が経過して不具合があるところは
その際改修し彼女たちからの不満は無くなった
ここ数年で北海道の夏の平均気温が本州並みになり
静内でも35度を超える日まである
窓やドアをすべて解放しても熱がこもるため
エアコンも取り付けたけど最初に取り付けしたエアコンでは
猛暑に耐えられなかったため急遽大型のエアコンへ換装した。
これでメリー、プラチナ、シルバーの高齢馬も快適に過ごせるだろう
それ以外のまだ若い牝馬たち ローズ、ライク、チャコ、スターは、
まだ元気そうだが、君たちもあと4年もしたら高齢馬組だからね
スターがデビューして今年で3年目を迎え古馬1年生の4歳馬
昨年はDRAの年度代表馬に選出された。
これも騎手の楯さんをはじめお義父さん、佐々木さんのおかげだ
あと忘れてこまるのは、俺の奥さんの美鈴と奈々その旦那様が
この牧場をしっかり管理してくれているからなのだから感謝しないとな
厩務員の増員をするため求人の募集をしたところ
驚くことに現役の調教師さん厩務員の方から
たくさんの履歴書が届いた。
現在働いている牧場や厩舎と就職を巡りトラブルにならないように
お義父さんが個人別に面談をしてくれるそうです。
ほんと感謝します。
今年はいつもの年と少し違う いよいよ海外のレースへチャレンジ
するからだ。お義父さんも俺が不在時での牧場のことは
こちらで管理するからドバイとパリのレースに集中するように言われている
そしていよいよ俺たちの挑戦が始まる
2月下旬 東京競馬場第11R フェブラリーS ダート距離1600メートル
本番のドバイワールドカップは、距離2000メートルです。
このレースで優勝すると主催者側から招待されレースに参加する権利を与えられる
招待を受け受諾すれば参加が決まるので当然辞退する馬主もいる
そのため俺たちは昨年の中京でのチャンピオンズに出走した経緯もある
アピールしないといけないので大変です。
いつものごとくレース前のパドックでは
またしても和やかな雰囲気でのんびり周回している
「そうか、お前さん ドバイに行きたいのか
若いうちにチャレンジしたほうがいいぞ
年取ると飛行機乗るの嫌になるからな」
「ワシも2年前にドバイへ招待されていったんじゃが
行きの飛行機で疲れてしまって
ドバイでは惨敗してしまったんじゃ」
「このレースで優勝するとドバイへ行かされるからな
このレースはお嬢ちゃんに譲ることに反対する馬は
いるか? 海外からのお客さんには関係ないがな」
どうも今年の海外組は、飛行機で疲れた顔して
やる気がないように見えるな
「反対はいないようじゃな
それじゃあ、お嬢ちゃんわしらの分まで
頑張っておいで、帰ってきたら
どこかのレースでみやげ話でも聞かせておくれ」
『先輩の皆さま わたくし 皆様の分も
ドバイで頑張って優勝してきます。』
レース前にここで優勝が決まってしまったようです
まあ、馬たちも飛行機が嫌いなので
好き好んで海外へは行きたがりません
レースのほうは、スターが大逃げで優勝しました。
大逃げで優勝すると主催者にアピールできますから
これは俺の指示です。
主催者から無事に招待されお義父さんも勿論受託し
ドバイ行きがきまるとDRAのホームページに遠征馬として
掲示される 海外の馬券も購入できますよ
競走馬の輸送は、日本国内であれば馬バスで移動しますね
牧場へ戻るときでもフェリーに馬バスのまま乗船します
それじゃあ海外へ遠征するときは、船は使いません
おそらく船酔いでレースどころじゃないでしょうね
飛行機を使用しますが、通常の路線便ではなく
貨物機を使用します。
特にドバイ遠征組は日本からもたくさん参加しますので
貨物機に何頭も乗せて現地へ向かいます。
「天馬クン ほんとにいいのかい
私たちと同じ飛行機で行けば、ビジネスかファーストクラスのシートだよ」
「スターが寂しがりますからね 今まででも馬バスでも
フェリーでもいっしょですから今回も同じ貨物室で
行きますよ。許可もいただいたので問題ないです。」
当初 貨物機のパイロットから反対されたが
俺が馬と話せるのをその目で確かめたおかげで
それなら安心してフライトできると
逆に喜ばれましたよ。後ろで暴れられると
操縦不安定になり墜落する危険が高くなるそうです。
※貨物機パイロットには拳銃の使用許可が出されていて
危険がある場合は殺すことも認めないと
遠征に行けないことがあったそうです。
それに大型の貨物機の場合は、貨物室とコクピットを自由に
出入りできるので食事もトイレも問題ないです。
ドバイまでの長旅だが、この貨物機にはドバイ遠征の
馬たちも同乗しているので、おしゃべりして
暇はつぶせました。
馬たちの飼い葉とかお水などは俺が面倒見ました。
仲良くなった馬は将来うちの牧場で繋養することになりました。
貨物機から馬を下ろすとき俺が馬を先導していたら
馬の担当厩務員の人が馬の状態を見て
通常の遠征より元気そうなので不思議そうな顔してましたね
今回ドバイでのレースはすべて楯さんにお任せすることに
したので、楯さんスターのことよろしくお願いします。
ドバイ第9競争 ダート距離2000メートル
優勝すると高額な賞金が手に入りますが、
騎手の方は現金より名声を手にしたい人が多いです
海外レースで勝つことも目標の一つですから
レースのほうは、スタートして暫くは馬郡の中で
スタミナを温存して4コーナーを出てから
いっきに抜け出して見事1着でゴールしました。
「やりましたね、盾騎手 優勝おめでとうございます。」
勝利騎手のインタビューでも流暢な英語で
受け答えできる盾騎手凄いです。
「スターもよく頑張ったね おめでとう」
『当然の結果ですよ、お父様 天翔の娘として
恥じぬレースが出来ました。』
さあ、美鈴たちへのお土産買って帰国しよう
※日本から出国する際など動物は検疫入りなどで直ぐに出国できません




