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牧場に新しい仲間が加わる 名前はシルバー(牝馬)です。

天翔牧場の敷地へ1台の馬バスが到着したが

今日来るのは事前に知らされているので問題はない


馬バスの後部ゲートが開き厩務員が、栗毛の綺麗な牝馬を連れてきた


「天翔さん シルバーのことどうかよろしくお願いします。」


「はい、お任せください 馬主の川口さんにも確かにお預かりしますと

 お伝えください」


馬バスの窓が開き厩務員さんが会釈すると

馬バスが駐車場から街道へ出ていく


俺は今日から新しく仲間になる牝馬を連れて厩舎に入る


「天馬クンここいいところね、」


「この厩舎も新築ですからね 夏も冬も冷暖房完備で

快適に過ごせますよ。」


シルバーさん興味心身でキョロキョロしている


「前の厩舎馬房は古かったけど厩務員は皆さんいい人でしたよ」


「さっきの人ですね、わかりますよ シルバーさんと

別れるの辛そうでしたからね」


「今日からは、俺がシルバーさんのお世話しますから

何でもいって下さいね」


「ありがとうございます。頼りにしてますね

ところで、メリーは何処ですか?」


俺たちの声が聞こえたのかメリーが馬房の扉から顔を出す


「まあ、誰かと思ったらシルバーじゃない

  久しぶり引退レース以来ね」


メリーの姿が見えると安心した顔をするシルバー


「あれから、一度死にかけましたけど

天馬クンの手厚い看護でまだ生きてますよ」


シルバーは俺に甘えるように擦り寄る


「ちょちょっと シルバーなれなれしいわよ

天馬も顔赤くして照れてる場合じゃないわよ

わかるように説明しなさい」


シルバーさん栗毛の綺麗なお姉さんだからな

メリーと同い年か1つ上だな


「メリー少し待っててよ シルバーさん 長旅で疲れているから

先に馬房へ案内してくるからそれからね」


「天馬、案内なんて後でいいわよ

私の馬房へ入れなさい

広いから問題ないわ」


メリーの馬房は、繫殖牝馬用に特別に作られた

馬房で、仔馬と生活できるように普通の馬房より

広く作られている。


「しょうがないな、それじゃあ シルバーさん

狭いところですけどどうぞお入りください」


「狭いところで悪かったわね」


「それで、天馬シルバーと何処で知り会ったのよ」


「どこでって メリーの引退レースの時だよ」


「そうじゃなくてそのあとよ」


天馬視点の回想になります


あれは、まだ牧場ができる前で、俺がDRAへ入社して

東京競馬場の事務所で仕事してたら

いきなり携帯が鳴って慌てて出ると 直ぐに医務室へ来てくれと言われた

競馬場の医務室は、競走馬用の医務室だ。

レースとかで怪我した競走馬が運搬車で運ばれてくる


レースで転倒落馬したときは、騎手だけでなく競走馬も

転倒することもあり最悪医務室へ到着した時点で既に怪我により

馬は亡くなっていることもある これが予後不良と言われている


医務室へ行くとそこには、馬の所有者の馬主さん以外に

獣医師とDRAの職員が、大きな声で言い合いしている最中


簡単にまとめるとレースで馬が転倒して骨折したらしい

診断結果は、第三中足骨らせん状骨折


DRAは、当初予後不良として安楽死処分

を提案したが、馬主側が猛反対した。


獣医側は、全身麻酔で手術できるが、

麻酔が覚めたとき暴れて再度骨折すれば

今度こそ安楽死は免れないと説明した。


それに馬主は、反論した



馬主は、美浦のトレセンで新しい手術方法を導入したと

聞いていたので、リスクが高くなる寝かせた状態で全身麻酔をかけることに

反対したのだ。


その新しい方法が立位手術だった。

従来の方法は、馬を寝かせて全身麻酔をして施術するが

稀に麻酔からの覚醒時、暴れて再度骨折して安楽死となる

ケースがあった。


新しい方法は、寝かすのではなく 普通に馬を保持

時々鼻ねじを使用しながらボルトで固定する

骨折線が閉じれば痛みも消えるため 手術後は、歩いて帰ることも

可能とのこと、ここで重要なのは、全身麻酔ではなく

鎮静と静脈への局部麻酔のみで行えること


立位で行えるので、寝かすよりもリスクが減る


話が長くなったが、俺が呼ばれたのは、

馬にこれから行う手術をわかりやすく説明して

暴れないようにしてほしいとお願いすること

確かに俺しかできないな


「わかりました。私でお役に立てるなら引き受けます。」


馬主さんからは、


「貴方は、馬と会話ができるのですか?

佐藤さんからお話は聞いてますけど

ほんとなんですか?」


「念話ですから、他の人には聞こえませんので

信じる信じないかはお任せします

馬の治療が始まりますので

私はこれで失礼します。」


俺は、医務室に入りそこで患者の馬とご対面


「シルバーさん?」


「ええ、 天馬くん どうしてここへ」


やっぱり 引退レースで会ったシルバーさんです

これはやる気出ますね


「貴方を助けるためです。このままだと

最悪安楽死処分されますから

俺の言うこと聞いてください

貴方のこと必ず助けますから」


「わかった。貴方なら信じられるから

他の人は、言葉通じないし

不安だったのわたし お願い私を助けて」


痛みを我慢してシルバーさんは

俺に自分の命を預けた。


俺は、獣医に始めてくださいとお願いした。


立位手術をすることになったので

寝かせずこのままの状態で局部麻酔をかけ

手術を行う、


俺は、シルバーさんの恐怖を紛らわすため

頭を優しく抱きかかえて撫でることにした。


「何だか不思議ね 天馬クンが抱きしめてくれると

何だか、ほっとするの 痛みが和らぐ」


俺は、シルバーさんに引退レースのあとの出来事を

話すことにした。


DRA職員になったこと、メリーさんの要望どうり

プラチナに種付けしてもらえたこと

プラチナとメリーが実は両想いだった話など

いろいろお話しました。


「それじゃ、私のお相手も天馬クンに探してもらいましょうか」


「いいですよ、俺もいずれ牧場作りますから

完成したら、シルバーさんを引き取りに行きます」


「いったわね それじゃあ約束よ

嘘ついたら 馬の神様が許さないからね」


シルバーさんが暴れることもなく手術は無事に終わり

馬主さんからも感謝された。


術後シルバーさんは、競走馬を引退して

馬主さんの牧場で繫殖牝馬として繋養される

ことになりました。


俺は後日 川口牧場を訪問してお願いをした。

牧場を作ったらシルバーを譲ってくださいと


回想終了


「なんだ、そんなことがあったんだ

それじゃあ シルバーが天馬を好きになっても

しょうがないわ 私でも惚れるから」


メリーに説明していたが、その間

シルバーさんは、俺の膝に頭を預けて寝ころんでいます。


「あのシルバーをここまでデレさすなんて」


そんな時にローズが顔を出す。


「パパ、そのお姉さん新しい愛馬なの?」


「でもでも 新しい愛馬ができても私が2番目なのは

これからも変わらないよ」


シルバーが寝ながら訪ねてくる


「ねえ、天馬 好きな愛馬は、メリーだけじゃないの?」


「うんとね パパを好きなのは、ママでしょ ローズでしょ

マロンさんとチャコちゃんそれとライクちゃん

あとは、プラチナさんかな~」


「ローズ、プラチナは恋人じゃないから」


ほんと天馬クン大人気ね 私も愛馬に入れてね


「また、俺の出番はなかったな

シルバーと面識もあるのにな」


プラチナのいななく声が厩舎内に響く







メリーの引退レースで登場したお姉さんです。

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