玲奈とミハイルとの出会いと恥ずかしい黒歴史
私がミハイルと出会ったのは、彼がDRAの短期免許で来日した時だ。
彼は英国生まれで来日する前は欧州で活躍した優秀な騎手だ
ある日佐々木厩舎で先生から彼を紹介された
※プリンアラモードはエクレア産駒です。
尾花栗毛の綺麗な牝馬です
「玲奈さん 今度デビューするプリンアラモードの主戦を依頼
したミハイル君です。 さあ挨拶しなさい」
ミハイルが英語で玲奈へ話しかけた
「ミス 玲奈 キュートなレディ 初めまして
ミハイルです レディはどこの国から来られたのですか?」 ※英語です
「初めまして ミハイル 私はこれでも日本人です
この髪の色とブルーアイは隔世遺伝なんです
母も同じなんですよ」 ※英語です
驚いたミハイルが日本語で会話することに
「へ~ 大変驚きました あまりにも綺麗なレディだったので
失礼いたしました。今回 日本へ短期免許を取得して来日
しましたミハイルといいます。
どうぞよろしくお願いいたします。」
驚いた玲奈
「流暢な日本語ですね 以前にも日本へ来られたことが
ありますか?」
「学生の頃 日本のアニメに惹かれて秋葉によく行きましたよ
それでアニメを見て日本語を学びました。」
ミハイルさんはオタクでした
「それではミハイルさん プリンアラモードのこと
よろしくお願いいたします。」
「はい、お任せください 必ず3歳馬クイーンに
してみせますのでご期待ください」
まあ、彼との出会いはこんなものです
ミハイルは意識しているみたいですが玲奈はそれほど
意識はしてません
玲奈はDRA競馬学校卒業後に母親から天翔牧場代表権を
譲られました。 馬の神様から使徒に任命されたからです。
安奈から推薦はありましたがあくまで任命するか決めるのは
神様ですよ
その後ミハイルとは、担当厩務員兼馬主として
頻繫に行動を共にすることで玲奈も意識することになります
プリンアラモードは、2歳デビュー戦を危なげなく勝利すると
次戦の2歳ステークスから連戦連勝でその年の最優秀2歳牝馬になりました。
そしてその年年末の忘年会での出来事です。
ミハイルは酔った勢いで玲奈へ提案
「相楽玲奈さん プリンアラモードが3冠牝馬になったら
僕の望みを聞いてください」
玲奈は何も考えず
「いいですよ~ 私に出来ることをなら
何でも聞いてあげます~よ」
誰だ 玲奈に酒飲ませたのは
「その言葉 確かに聞きました。 約束ですよ」
「ミハイル 女に二言はありません~」
安奈と翔平は頭を抱える
ミハイルは通年免許を取得してプリンアラモードと
戦いに挑みました。
翌年の春先
桜賞トライアルから桜賞へ挑み完勝すると
勢いそのまま 樫木賞を制すると
ミハイルはウイナーズサークルで指2本を天に掲げた
そして迎えた 秋華賞
「それでは勝利騎手インタビューです。
おめでとうございます。ミハイル騎手
プリンアラモードが3歳女王の栄冠を手にしましたが
感想をお願いします。」
マイクを向けられ
「プリンアラモードはほんとに強い馬です
おかげで僕は最高のプレゼントを手にすることが
できます。 ありがとうプリンアラモード」
ミハイルがプリンアラモードを撫でる
アナウンサーが聞き返す
「ミハイル騎手 それでプレゼントとは何ですか?」
ミハイルは女子アナからマイクを受け取り
プリンアラモードの綱を握る玲奈へ
「相良玲奈さん 僕のお嫁さんになってください」
公の場でそれも10万を超えるファンの目の前で
告白されて戸惑い気味の玲奈
「まあ、そんな間柄なんですね」
プロポーズを聞いて頬を赤らめる女子アナ
「ミハイル あんた 何を言い出すのよ
こんなところで」
「玲奈 僕と君との約束を忘れてないよね
僕は約束を果たした。
プリンアラモードは3歳女王になったよ」
ここで玲奈は忘年会の約束を思い出した。
「う~ 確かにしたわね 約束は守らないとね
わかったわ 結婚してあげる」
「玲奈、聞こえないよ~
もう一度 お願い」
マイクを玲奈へ向け
大観衆が息をのむ静まり返った東京競馬場の場内
プリンアラモードも興味深々のご様子
「ミハイル 私をミハイルのお嫁さんにしてください」
さあ、ミハイル
「ああ、もちろんだよ マイハニー」
こうしてミハイルと玲奈は婚約者になりましたが
翌日の競馬新聞の1面は
ミハイル騎手 大金星 だった