夏競馬は牝馬が強いのはほんとなの?
新馬戦のあとで会議が行われた。
エクセレントローズの馬主である佐藤さんと担当調教師の佐々木さん
主戦の美鈴さんと俺である
「天馬くんそれにしてもエクセレントローズの大逃げ勝ち見事でしたね
美鈴もよくやったね」
「お父さん ありがとう レース後から私への騎乗依頼が増えたらしいけど
あの勝利はほとんどローズのおかげでしたからね」
「佐藤さん あのレースでは同走したほかの牝馬たちが
最初から意気消沈してましたよ
ローズにはかなわないから~私には無理~ですからね」
「ローズのほんとの力が試されるのは
オープンクラスの2歳ステークス戦からですね」
2歳馬は1勝するとオープンクラスになる
「佐藤さんと佐々木さんは、次走は何処にするか決めてますか?」
「そうですね、8月の新潟か9月の札幌のGⅢあたりが順当ですかね」(佐藤)
「私もそれに賛同しますね、2歳馬ステークスは1600から1800のレースですけど
目標は2000メートルのレースでも対応できるかですから」(佐々木)
「美鈴から見て 中距離もローズは行けそうか?」
「今日のレースあれだけ大逃げしてもゴール後もスタミナまだ
余裕でしたからね 中距離も十分行けますね」
「ところで天馬クン 美鈴と婚約して時間も経つがいつになったら
私のことをいつお義父さんと呼んでくれるのかな」
天馬と美鈴は無事に婚約をした。
式のほうはローズの育成が終わったら執り行うことで話は決まっている
天馬は美鈴の家に行き佐藤さんご夫婦に娘さんをくださいと
お願いした。
天馬としては断られるかもしれないと内心不安だったのだが、
佐藤の返事は、天馬クンなら問題ない娘をよろしく頼むと
あっさりと婚約が認められた。 拍子抜けしたので理由を聞くと
「そうだね、まあいろいろあるけど1番の理由は馬が好きなことかな
それにこれは家内の意見だが、結婚しても隣に住んでくれることだね
それと私ができなかったことをしてくれるのもポイントが高いよ」
佐藤さんにも引退馬繋養牧場を作る計画はあったが、
資金繰りの問題があり断念した経験が若いころにあるらしい
今現在でも1年で7000頭くらいの馬が生まれ競走馬を目指すが
その夢を叶え中央で活躍できる馬は1割にも満たない
そして引退後でも繫殖牝馬、種牡馬になれる馬になると
もっと数が減る牝馬なら成績が悪くても血統が良ければ
繫殖牝馬として繋養されるが成績を残せなかった牡馬には
地方へ移籍するか、乗馬クラブとか観光牧場へ引き取られるか
性格が温厚で大人しい馬だと競馬場の誘導馬になれる馬もいるが
馬主次第だが、最悪お肉になる非情な運命をたどる
その最悪なシナリオになる前に引退馬を引き取り
生涯繫養する牧場を作るのには多額の資金がいる
生産牧場でないので利益はない経費だけが増える
賛同者からの寄付に頼るのが現状らしい
次走は8月の新潟2歳馬ステークスに決まりました。
出走当日 天気快晴
牝馬は夏の暑さにも強く牡馬を負かす力がある
夏競馬は、短距離、直線平坦なローカル競馬場でのレースが多く
発情期の関係で春より夏のほうが調子が良くなるかららしい
でも馬は暑いのが苦手 競馬場のパドックでも噴霧装置を使い
少しでも涼しくなるようになってますからね
夏場はローカル開催が多いため この新潟でも2つのトレセンの
戦いが馬同士にもある 美浦と栗東の戦いだ
「あら、貴方ですか美浦2歳馬代表のエクセレントローズさんは」
この馬 栗東トレセンの「ワタシオジョウサマ」という馬
青毛のそれは見事な毛色の馬ですね美しい
『あ、はい、代表を名乗っていませんが、私がエクセレントローズです
若輩者ですがよろしくお願いいたします』
「あ、これはご丁寧にどうも ワタシオジョウサマと言います
こちらこそよろしくお願いします」
お互いに頭を下げて挨拶する牝馬
「でもあなたの噂聞いていましたけど、なんか高飛車で生意気な馬だと
聞くと見るとでは大違いですね 大変失礼しました。」
『いえいえ気にしていませんから
今日のレースお互い頑張りましょう』
「貴方と私 美貌では甲乙つけがたいので走りで勝負ですね
お互いのトレセンの意地もありますから 負けませんよ」
2歳ステークスは、東西トレセンの戦いでもある
レース後
「貴方お強いですね、完敗でした
でも年末のG1は地元開催ですから負けませんわ」
『いえいえ、貴方もいい走りでした
年末の再戦私も楽しみです』
このレース前回の大逃げではなく先行の作戦
絶えず馬郡の先頭をキープして
最後の直線で後続を引き離すレースをした。
ワタシオジョウサマもローズと同じでここまで負けなし
彼女とはG1で再び会うことになるだろう
「ローズ お疲れ様 次は札幌でレースだから
久しぶりにママに会えるよ」
『え、ほんとパパ ママに会えるの』
この新潟から馬バスでフェリーに乗り北海道へ渡る
暫く牧場で休養してから札幌2歳ステークスへ出走する
ローズにもいい骨休めとなるだろう
俺もメリーに会いたいしな
苫小牧でフェリーを下船して静内へ向かう
遠足でも楽しむかのようにローズは元気だ
『早く ママに会いたいな~』
親子とはいえ 離乳してから親と会える馬は少ない
引退後に同じ牧場へ繁殖牝馬、種付け馬として戻る馬もいるけど
繁殖牝馬なら母親の隣の馬房に入ることもあるのかな
お義父さんの牧場へ到着した。
『早くママに会いたい 』
俺はメリーが放牧されている放牧地へローズと向かう
メリーが俺たちに気づき駆けてくる
「メリーただいま 久しぶりだね」
「ほんとに久しぶりよね」
『ママ、ただいま 会いたかった』
「ローズも元気そうね レースもここまで負けなし
リっぱな娘に育ってママ嬉しいわ」
見た目ほとんど同じ体格の馬 毛色も同じなので
親子というより姉妹に見える
積もる話も親子であるだろうから
ローズとメリーは隣同士の馬房に入ることになった。
俺は親子水入らずの邪魔はしないことにしたが
そして親子の会話で美浦のトレセンでの
ホワイトマロンと天馬のじゃれあいも
娘の口から暴露されメリーから
質問攻めにあうのは翌日の話
繋養されている引退馬に会いに行きたいのですが、非常事態宣言が発令されたため
見学が今はできません 他の見学ができる牧場でも繫殖期のシーズンで忙しいので
アポなしでの牧場訪問は控えたほうがいいですよ




