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もしも白毛の馬と出会っていたら 和馬が秘密をうちあける

7月上旬 今年もDRA主催のセレクトセールが開催された


セレクトセールの2日間で1歳馬と当歳馬が上場される


いずれは皆 お互いライバルとして再び競馬場でしのぎを削って戦う事になる


そして子馬と母馬が再びめぐり逢うのは天翔の馬を除いて難しい現実となる


開催は毎年天翔ホースパークで行うため その準備期間は皆忙しくなる


繋養馬は仮設の馬房へ移され 上場される仔馬にその場を譲る


そしてこの年の目玉は天翔牧場産駒ソラシド20XXの牡馬である


上場番号77番 ソラシド産駒の競りは盛り上がり落札価格○億円で


競り落とされた。 落札者は毎度おなじみの木戸さんだ


天翔牧場の孝行息子 頑張ってくれ


ソラシドの息子


「ママ 僕は必ず種牡馬になってママの所へ帰ってくるからね」


ソラシド


「そうね ママはあなたが戻ってくるのを牧場で待っているわ」


8月あるひ


俺は敬愛する牝馬と暫しのお別れをした。


その牝馬の名前はウインシンホニー享年35歳


母親から連絡をもらい医療馬房へ行くと


弥生ともう立ちあがることが出来なくなったシンホニーがいた


弥生が


「和馬 最後のお別れをしなさい 母さんすこし外すから」


和馬


「母さん ありがとう」


弥生は馬房を離れ事務所へと戻った


「ウイン母さん 来たよ」


ウイン


和馬の念話で閉じていた目をあけたが

おそらくもうぼやけて和馬を認識できていない


「和馬さん よかったわ 最後に話ができて

ごめんね お別れの時がきたわ」


ここで無茶をいっても母さんが苦しむだけとわかっている和馬


和馬


「母さん今日までありがとうそれとお疲れ様でした。さみしくなるけど

 ウイン母さんには馬の国で会えるから 俺が馬の国へいったら旦那さんと

 子供たちと出迎えてね」


ウイン


「わかったわ グレイトにはたくさん慕う牝馬がいるでしょうから

いっしょに出迎えできないかもしれないけど

子供たちとわたしで優しく出迎えてあげるわ

ほんとに今日までありがとう あなたに会えてよかった

ほんと神様に感謝しないとね」


「この牧場へ来たおかげであの人の子孫にも会えたし

それにグレイさんのおかげで馬の国のことも

聞くことができたし でもまさかグレイさんまで

あの人にベタぼれなんてほんと浮気者だわ」


和馬


「それだけ母さんが惚れた旦那さんがすばらしい種牡馬の証明だよ

日本の競馬界の救世主だしね。その後継ぎのサンダーが牧場にいる

必ずサンダーが日本の競馬界を盛り立ててくれると

俺は信じているよ」


するとそこへ


馬の神様が


「和馬さん そろそろいいですか?

このあとも予定がありますので

積もる話はまた再会してからお願いしますね」


和馬


「神さま まだいいじゃないですか?

俺が再会できるのは早くても

あと30年以上先ですよね」


和馬はさすがに60歳くらいまでなら生きてると考えている


神さま

 「...っあ」


「まあ、そうですね 」


ウイン母さん


「和馬さん 神様を困らせてはいけませんよ

名残惜しいですがわたしも早く旦那様に

お会いしたいのでそろそろ逝きますね

さよならはいいません また会いましょう」


和馬


「もう 母さんまで そんな焦らなくても...」


ウイン母さんはそのまま目を閉じ念話に参加しなかった



神さま


「...和馬さん ウインさん ご逝去されてます...

 それじゃあ わたしも行きますね 道案内がありますから」



和馬


「え~ 母さん そんなまさか」


和馬は優しく亡骸をゆするがウインは目を覚まさない

その顔は幸せそうな笑みを浮かべていた


和馬はウインがほんとにこの世から馬の国へと旅たったと理解すると

亡骸にすがり声を殺して泣いた


其の姿を馬房の天井付近から見下ろす2頭の牝馬の姿が


ウイン


「種族も違う私のために泣いてくれるほんとやさしい人ね」


自慢気な神様


「それはもう 私が使徒に選んだ人ですからね

ウインさんすぐに和馬さんに会えますよ」


ウインさん


「え、和馬さん 長く生きられないのですか?」


神さま


「そうですね 和馬さん 一度死んでますからね

次に何かあってもわたしは見守るだけですし

未来のことは神のみぞ知るでしょうかね」


年末が近い短い秋


和馬は紫苑と麗華に話しがあると事務所へ連れていった


普段なら今枝さんと紫苑のご両親もここで休憩してる時間だが


今日は特別に時間をずらし放牧へいってもらった


馬房で残っているのは朝一番で和馬が放牧へ連れていったミソラだけだった。


麗華が


「和馬私たちに大事な話があるそうだけど何なの?」


和馬


「これから話すことは荒唐無稽な話だが噓偽りもない

事実だと念を押すぞ 聞きたくなければ

今のうちにここから退出してくれていいがどうする?」


紫苑


「和馬が真剣な顔してるし離婚話じゃなければ

わたしはここに残り話を聞くわよ

麗華はどうする?」


麗華


「当然 わたしも参加するわ さあ聞かせて和馬」


和馬


「それじゃあ重要な話は2つある まあ一つ目は

もしかするとまだ話を直に聞いた人もいるかもしれないがな

俺は天翔天馬さんと同じ能力がある」


紫苑


「和馬のひいおじいちゃんよね天馬さん

その人と同じ能力ってことはまさか

馬と念話で話せるあれ?」


麗華


「...」


和馬


「紫苑 よくしってるな 何処で聞いた?」


紫苑


「競馬学校の教官から聞いたの元DRA社員でもある

 天翔天馬さんのマル秘話をね 今は禁書庫で保管されて

 いて閲覧禁止だけど昔は映像資料の閲覧もできたと」


麗華


「わたしも噂で聞いたことある程度かな 和馬それで

まさか和馬も念話で話せるの?

ほんとならすごいことね」


和馬


「まあな この事実を知るのはお前たちと

あとは母さんと姉さんだけだ

だからこれは他言無用で頼むな」


「それと言葉じゃ理解できないだろうから

今から実演するからな」


紫苑と麗華


「何をするのか楽しみね」


和馬


「そうだな わかりやすく 俺はこの場を動かないで

ミソラをここへ呼ぶからな」


『 ミソラ 新製品の飴あげるから事務所へきて』


「うん パパ今から行くよ」


「ミソラが今からここへくるから 楽しみにしてくれ」


紫苑と麗華


「麗華ミソラ来るかな?」


麗華


「わたしは旦那様の和馬を信じてるから 必ずくるわね」


紫苑


「麗華 ずるい 勿論わたしも信じてるわよ」


ミソラ


『パパ 来たよ~ 飴ちょうだい』


和馬


「ミソラが来たようだ 紫苑扉を開けて」


紫苑


「了解 ほんとにいるのかな わくわく」


紫苑が扉を開けるとそこには白毛のミソラがいた


和馬のこと信じていたがやはり現実離れしたこの状況に


紫苑と麗華は驚いた


和馬


「ミソラいい子だね ほら新作のはちみつメロンだよ」


和馬は飴をミソラの口へいれてあげると甘いものが大好きなミソラが


喜んで舐める姿がとても可愛いらしい


和馬はもう一つ飴を与えると


「ミソラ ありがとう 馬房へ戻っていいよ」


ミソラ


「残念 パパ また頂戴ね」


ミソラは再び回れ右をして馬房へ向かって歩いていく


暫くすると紫苑と麗華が我に返る


紫苑


「そうかこれで謎が解けた ツアーのお客さんが来た時も

この方法でみんなに合図していたのね」


和馬


「まあ、そういうことだ 一つ目の告白は以上だが

このことはまだDRAでも認知されていたから

特別じゃないが今度のはちょっとSFと小説の中の話だぞ」


※いやさすがにSRではなくUR級だと思います


麗華


「え、念話のことも驚いたけどこれ以上のことなの?」


和馬


「紫苑、麗華 お前たちは異世界転生話を信じているか?

それと輪廻転生について理解できるか」


紫苑と麗華は首を横へふる


和馬


「そうだな 馬頭観世音様は当然競馬関係者として知っているよな?

まあ競馬場の敷地内か施設の横にあるからな

この牧場のすぐ近くにもあるぞ」


麗華


「とうぜんね わたしはいつもレース前にお参りするわ

今は牧場の近くにあるからたまに参拝するわね」


紫苑


「わたしは父さんから聞いたことがあるわ

昔は農耕馬を供養するため建てられたと」


和馬は二人の言葉に満足したこれなら理解も速いだろうと


和馬


「ここからが本題だが実は馬頭観音様は実在するんだ

馬の神様と呼ばれ馬の国を管理してるんだ

競走馬とか農耕馬は亡くなると皆馬の国へ行くんだ」


紫苑 麗華


「...」


和馬


「まあ、最初はそうなるよな 俺も母さんから聞いたとき

母さん ラノベの話なの? と聞き返したからな

でもな俺もつい最近それが事実なんだと知ることができた

今までは馬の神様からの受け売りだったんだが

グレイから馬の国のことひいおじいちゃんたちのこと

聞かされて確信したよ 馬の国はあるんだと」


紫苑 麗華


「グレイから馬の国のこと聞いたんだ」


※転生時に記憶消されるのであまり深く追求しないでほしい


「それで馬の国へ行く方法はあるの?」


※紫苑は魔方陣でもあるのかと和馬をみる


和馬


「魔方陣はないけど神様が死を迎える前日に迎えに来てくれるよ

そこで質問されるから馬の国へ行きたいと答えると

馬の国へ連れていってくれる 俺も当然馬の国へ行くぞ」


紫苑と麗華


「和馬も行くなら私も馬の国へ行くわ

和馬のお母さんやお姉さんは行かないの?」


和馬


「ああ、二人とも人間の世界での輪廻転生希望するそうだよ

それと今現在馬の国には6人ほどいるそうだ」


紫苑


「ねえ和馬 馬の国で何をするの?」


和馬


「転生する馬たちの調教だよ 模擬レースもあるから

いまでも人材不足なんだよ 騎手が6人だからね

目指すは18頭のフルゲートだそうだ」


「だから紫苑と麗華が馬の国へ行くといってくれて

俺は二人に感謝してるよ ありがとう」


紫苑と麗華


「和馬が行くんだったら当然妻の私たちも行くわよ

調教も手伝えるしね」


和馬は紫苑と麗華を抱き寄せた その時眩い光が


馬の神様登場


『紫苑さん 麗華さん これからもよろしくお願いしますね』


紫苑と麗華が突然の神様の登場に驚くが

それ以上に神様の神秘的な馬の姿に感動した


紫苑と麗華


「は、はいこちらこそよろしくお願いします」





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