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もしも白毛の馬と出会っていたら 協会の企画は大成功

前回の続きになります

本格的な夏の到来 数年前までは北海道でも35度を超える猛暑日が


頻繁に記録される年が続いたが現在では


夏だから涼しい北海道へ行こうと誰でも頭に浮かぶほど


平年の気温に戻り最高気温も27度前後の過ごしやすい環境に戻った


おかげで今年の夏も多くの観光客で空港は混雑している


そしていよいよ観光協会一押しのツアーが開始される


今回は最終確認的な意味で添乗員として愛さんが担当します


家族旅行でツアーに参加した4人家族 旦那さんと奥様 お子様2人


千歳空港からスタートしてニセコ、富良野など観光地を巡り


釧路湿原へ翌朝は釧路空港から飛行機で千歳へ戻り


最終目的地でメインイベントでもある天翔牧場の見学


牧場見学が終われば空路で本州へ戻ることになる


当初の予定では空港から牧場までハイヤーを使用する計画だったが


和馬の案でヘリで牧場まで送迎することに決まった


「どうせならセレブ気分でヘリで遊覧飛行しましょう」


※牧場ヘリが使用できない場合は別のヘリをチャーターします


千歳空港での乗り継ぎでお子さんが喜ぶ


「わ~ パパママみて ミソラちゃんがいるよ」


お子様が指さし見てる先には


天翔牧場の新型ヘリミソラ仕様が駐機しているからだ


空港を飛び立ちのんびり遊覧飛行をして牧場ヘリポートへ到着


見渡す限りの放牧地と厩舎をみてお客様が笑顔になる


そしていよいよ見学場所である中庭へ


当初 厩舎内へ立ち入れないため 中庭からの見学では


馬たちの姿を見ることができないのでは?


との懸念があったが和馬がいれば問題はない


和馬の念話でミソラ、ソラシド、シオン、グレイとわが牧場自慢の


G1ホースたちが馬房の窓から顔を出す


お子様方大興奮で


「わ~ミソラちゃん 可愛いい」


と手を振りはしゃぐ姿が目に入る 


※和馬がいない日は馬たちには紫苑が指示をするからそれに従う

 ようにと皆さんへお願いしています


とまあ ここまでがツアーの内容ですがそれだけじゃ


お客さんも満足できないかもと和馬がサプライス


馬房の扉は上下で分割で開け閉め可能なので上部の扉を開放すると


馬たちの顔だけでなく肢が見えるようになる


「さあ、それでは馬たちと記念撮影しましょう」


ここで撮影班として協会のカメラマンも帯同しているので


急遽撮影会が行われた。


今回のツアーはパンフに掲載する写真も撮影するためカメラマンがいます


次からはお客様が用意したデジカメやスマホでの撮影になります


※ストロボ撮影は禁止です


何も知らないお客様達は子供も大人も大はしゃぎで愛さんも


それじゃあ私もお願いしますとミソラと写真を撮ってもらっていた


こうして短いが有意義な牧場での見学も終了となり


ご家族4人笑顔でヘリに乗り込み千歳空港へ飛び立った


後日愛さんが牧場へ来訪


「ツアーは大成功でした。これで協会も自信をもって

お客様へイチオシ!でご提案できます」


まあこちらもホースパークの来場者も増えてウインウインです


場所は変わり 厩舎では4頭の牝馬が内緒話です


まず議長のシオンさん


「ねえ 最近和馬の様子変じゃない?」


ソラシド議員


「特に変わらないわよ いつものようにミソラと

じゃれ合っているしねえ」


ミソラ議員


「うん パパはいつも優しい」


グレイ議員


「でも なんか寂しそうね」


シオン議長


「そう、それよ なんか空いてる馬房を見て

呟いているのよ 」


ソラシド


「なんて 呟いているのよ」


シオン


「牝馬が少ない もっと牝馬を増やしたいけど...でもなあ

神さまの負担も考えるとなあ...」


ソラシド


「何よそれ 失礼しちゃう 私たちじゃ不満なの

それに神様の負担ってなんなの?」


シオン


「どうせ原因は白いのと白い子のことでしょ

あんな派手に歴史的快挙しちゃうと

いろいろ問題なんでしょ

だってほんとは白いの今頃馬の国だったでしょ」


「いや別にあんたが嫌いなわけじゃないから誤解しないでね

わたしは白いのも白い子も嫌いじゃないから...」


ツンデレか


ソラシド


「シオン ありがとう わたしもシオンのこと嫌いじゃないわよ

それにね そうよね ほんとはわたし今頃馬の国へいってたんだ

と考えたらね和馬にほんと感謝しないとね そのおかげで

娘のミソラも産めたのだから」


ソラシドは横にいるミソラを見てしみじみとする


ミソラ


「そうだね ほんとはわたし ここにはいなかったんだね」


グレイ


「皆さん~スト~ップ ネガティブは発言やめましょう

もっとポジティブに考えましょう

今が幸せだから喜びましょう 馬の国へはいつでもいけます

それに馬の国へは和馬さんも行けますから

これからもいっしょで仲良しです」


シオン


「そうね グレイの言うとおり 明るく生きましょう

過去を振り返らない

でも 牝馬の産駒は確かに少ないわね ミソラ以外は

わたしも白いのも牡馬ばかり産んだしね」



ソラシド


「でも 和馬のお父さんは喜んでいたわよ

セレクトセールに上場出来て

牧場の経営も楽になったって和馬と話していたしね」


※シオンとソラシド産駒は特にソラシド産駒は

 ミソラの活躍により○億円で落札されている


シオン


「それじゃあ 来年生まれる産駒が牝馬であるように

馬の神様にみんなでお願いしましょう」


「賛成」


シオン ソラシド グレイ ミソラ


『神さま どうかお願いします 来年生まれる産駒は

牝馬の可愛いくて優秀な子でお願いします』



馬の神様


『みんな 優しいですね もう和馬さんもあまり気にしなくても

いいのに…いや ほどほどでいいです ほどほどがいいんです』






次回はミソラの種付けとシオンたちの産駒の話です

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