if もしも白毛の馬と出会えていたら ⑤
ソラシドの産駒の誕生とその他もろもろ
懐かしの人物が登場します
2頭とも無事に受胎が確認された
それと写真集だが予約特典のDVDソフト付き定価3千円が予約だけで
1万冊完売したそうだ。更に3千冊増刷するそうでこれは朗報です
さすがアイドルホースは違うなと感心していたら今度はシオンの写真集を
作りたいと出版社から申し出があった どうもソラシドの写真集の
並走してる映像をみたファンから要望があったそうだ まあシオンが
喜ぶから認めることにした。
~~後日談~~~
写真集の発売が決まり2頭の行動の違いが面白い
まずソラシドは宣伝用の大判ポスターを馬房へ貼らないで俺の部屋に貼るのを希望したが
シオンは自分の馬房へ貼るのを希望し毎朝それを嬉しそうに眺めていた。
紫苑たちには俺がシオンにも見せるため馬房へ貼っていると思われているが
これはシオン本人の切なる希望によるものだ誤解のないように
そして写真集はホースパークの売店でも販売しパークの宣伝でも役に立ち
父さんも喜んでいる
写真集の売り上げの一部は引退馬協会へ寄付することで馬の神様も
喜んでくれた
そして翌年の春
2頭は元気な仔馬を無事に出産
シオンの産駒は母親似の栗毛の女の子
ソラシドの産駒は葦毛の男の子
まあ、男の子だな
ソラシドからは和馬ごめん 白毛の女の子じゃなくてと謝罪されたが
君が生んだ産駒が牡馬でも牝馬でも関係ないよ
俺はとてもうれしいよと撫でるとソラシドも安心したようで
産駒の牡馬を愛おしく愛でていた
俺はソラシドへ心よりお詫びした。
それはなぜか?
俺は神様へお願いしてしまったのである できれば最初の産駒は牡馬で
お願いしますと
産駒が元気に成長するなか一人の男性が牧場を訪れた
「ようこそ どうぞおかけください」
ソファーへの着席を促し話を進める
「相良さん ソラシドの産駒をどうか私に譲ってください」
ソラシドの元馬主の木戸さん
「構いませんよ そういうお約束ですからね」
牡馬ならお譲りします 以前の約束ですよ
まあ和馬もソラシドを強引に購入した手前
木戸さんには多少後ろめたさがありました。
怪我が完治するかどうかわかない状況なら妥当であると
判断しますが必ず治療できる状況なら話は別ですね 小心者です
「それで いくらならお譲りしてもらえますか?」
相場はありますよ セリではないので青天井にはなりませんが
しかし和馬は
メモ用紙を取りだしてテーブルの上に出すと
紙とペンを木戸さんのほうへさしだし
「木戸さん 金額を提示してください」
木戸さんは当然戸惑い和馬をみる
「ご安心ください 必ずお譲りしますので ただ金額は木戸さんが
決めてください」
まるで白紙の小切手のようだ
それでも木戸は当初から決めていた予算から失礼のない妥当な金額を
メモ用紙へ書き込むと和馬へ手渡す
そのメモを見た和馬はペンを取りだし金額の上に横線を引き
金額の訂正をして木戸さんへ手渡すと
「その金額で木戸さんにお譲りします 」
金額を訂正したのを見ている木戸は疑心暗鬼だが金額が不服で
値上げされたと考えていた。 ソラシドの産駒だから人気も出て
市場価格も跳ね上がるからと だがメモに書かれた金額を見て驚く木戸
大幅に値下げされていたからだ
木戸が驚きで和馬を見ると和馬は笑顔で頷いた
「今回だけですよ 次回からは競り落としてくださいね」
木戸は立ち上がり 和馬に握手を求め
「ありがとうございます ソラシドの産駒は大切に育てます」
まあ こうしてソラシドの産駒は半年後親離れをしました。
※デビュー後のレースの成績は3歳でサツキ賞を勝利した優秀な競走馬です。
でその年の種付けも前年と同じでブラックとケイレス
翌年生まれた産駒はソラシドと瓜二つの綺麗な白毛の牝馬です
当然和馬は馬房へ入りびたりで仔馬を甘やかしソラシドに怒られます
「和馬 その子は強く育てたいの 甘やかさないで」
和馬仔馬を抱きしめたまま
「ソラシド しつけと言いながらの体罰では子供の成長には
結びつかない 遊びながら学び人間に対し従順になれば
誰でも優しくしてくれるし信頼関係構築できるから
レースでも活かすことができる 当然成績もよくなる」
まあ、確かに騎手の指示に素早く反応できれば走りに差がでると
ソラシドもレースで感じていたからだ
ゴールでの首差鼻差での1着と2着では雲泥の差がある
デレデレの和馬をジト目で見るソラシドと隣の馬房のシオン
『それは 単に和馬が仔馬をわが子のように愛でたいだけでしょ』×2
『それよりも わたしもかまいなさい』×2
2頭のせつなる願いでもありました
和馬が産駒の仔馬たちからパパと呼ばれるようになり1年後
いよいよ入厩の日も近い
当然ながら馬主は和馬の父親で入厩先は美浦のトレセンの佐々木厩舎
シオンの産駒はベテランの騎手が主戦に選ばれたが
ソラシド産駒のミソラには誰を騎乗させるのか?
「紫苑 お久しぶり 元気だった」
そのひとは紫苑と和馬の同期の山崎麗華だった
「麗華 いらっしゃい 同期でも勝ち頭ね」
「まあね、一年目で60勝はまぐれよ」
「でも 重賞レースも何度か勝っているから
まぐれじゃなくて貴方の実力よ」
「ありがと紫苑 親友のあなたの言葉だからすごくうれしいわ」
「それで今日はどうしたのよ」
紫苑が呼んだわけでもないらしい
そこへ現れたのが和馬
「ああ、山崎久しぶりだな 呼び出してすまん」
和馬の声を聴いて顔を赤らめる麗華
「べ 別にいいわよ 和馬のお願いなら」
紫苑は こいつデレた なぜ和馬よび
「じつわな 山崎に主戦を任せたいんだ」
突然の告白に胸がときめく いや告白じゃない
「わたしに...主戦の依頼...」
「そうだ わが子ミソラの主戦騎手だ 佐々木さんの許可も
すでにもらっているぞ」
先生も許可したと聞いて 喜ぶ麗華
「よ...喜んで 主戦を引き受けるわ」
麗華は感極まって和馬に抱き着き紫苑に頭をはたかれる
その後和馬に案内され馬房へ行き
母子との対面をする 白毛が2頭並ぶとほんと壮観だろう
「この子の主戦をわたしが」
でまた和馬に抱き着き今度はソラシドに威嚇される
こうして初顔合わせも終わりいよいよデビューも近い
次回はいよいよデビューです