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if もしも白毛の馬と出会えていたら  ③

今回は少し短いです

ソラシドの怪我は順調に回復に向かい年明けにはギブスを外すことができた


今年からは念願の繫殖可能になるのだが当の本人はと言うと


「え、わたし 好きな牡馬はいないし 相手を選べるなら

  和馬以外の選択肢はないよ」


シオンのほうも最初はソラシドと同じことをいっていたが

最終的には現役の時に種付けさせろと強引に迫ってきた

牡馬に決めた まあお試しとして


それと俺たち新米の厩務員はスキルをあげるため

ここ数か月大ベテランの今枝さんから極意を学んでいた


それとどこでソラシドの種付けの話を聞いたのか木戸さんが

牧場へきた 当然産駒の取引のためだ


「木戸さん 単刀直入に言いましょう

ソラシドの産駒はすべてこの牧場で育てます

レースに出すなら父が馬主になるでしょう。」


木戸さんは和馬の返答に対し


「相良さん お願いしますよ せめて1頭くらい

ソラシドの産駒でもう一度頂点を目指してみたいので

なんとかなりませんか?」


和馬は自分の言葉足らずに気が付き


「木戸さん 誤解させてすいません 言葉足らずでしたね

正確には産駒が牝馬の場合はお譲りすることはできないだけで

牡馬ならお譲りすることは可能です」


木戸はその言葉で一安心したが疑問が残る


「それじゃあ 相良さんは牡馬クラシック三冠に興味ないのですか?」


クラシック三冠と言われ


「正直ありませんね もともと私は生産牧場を始めたいだけで

馬主をしようと考えていませんのでまずは優秀な繫殖牝馬を育てようと

思います」


木戸はこの牧場が生産牧場なのを思い出し


「わかりました。 それでは産駒が牡馬なら譲っていただけると

解釈してもよろしいですね」



「はい、それで問題ありませんが木戸さんへ無条件でお譲りできるのは

最初の一度だと思います それ以降はセレクトセール

で競り落としてください」


「わかりました 最初の産駒が牡馬であることを祈りますよ」


まあ こんな感じで話がまとまった


俺としては毎年ソラシドの産駒は牝馬で構わないと考えている

それもみな白毛なら最高だ あれなんか悪寒がするが


和馬は悪寒がするほうへ振り返るとそこには


シオンが恨めしそうに睨んでいた。


「シオンの産駒が牝馬なら当然この牧場で繋養するから

安心してよ尾花栗毛最高だからね」


「なら いいわ」


シオンは馬房の中へ戻っていった


悔しい、和馬ったら 私に出会ったころなんて

尾花栗毛が一番だといっていたのに

なんか最近はあの白い子の馬房へ入り浸りで

私の馬房へあまりこなくなったし


わたしに魅力がなくなったのかな 私のほうがあの子より

年上だし 茶色の馬より 白い毛のほうが珍しいのは間違いないし

あの子白くて綺麗で可愛いいし なんかむかつく

それにG1勝利は私の負けだし 私のいいとこなんて健康なとこだけじゃない


いじけてるシオンの背後から和馬が抱き着く


「そんなことないよ シオンにはシオンにしかないいいところ

たくさんあるよ 自分に自信を持ってよ」


「こんなに綺麗なシッポとたてがみ 誰にも負けてないよ」


「ほんとに あの子より 綺麗かな」


「もちろん シオンにはお姉さんの色気があるよ」


気持ちが落ち着いたのか


「そうね 私のほうがお姉さんだものね

和馬はわたしにメロメロだもんね」


「白毛なんて葦毛と同じなんだから年取れば珍しいことなんて

  ないんだから あの子が威張れるのも今のうちよ」


和馬はこれ以上深入りするのをやめた


シオンさん白毛と葦毛は根本的に違うから


その日和馬は久しぶりにシオンの馬房へお泊りしシオンを

甘やかした


数日後のこと


「和馬 あなたがどうしてもと頼むなら種付けさせてもいいわよ」


「どうしたの急に」


「あの女に聞いたのよ 私が仔馬生まないと和馬が困るからって

産駒がレースに出て賞金稼がないと牧場を維持できないと

言われたのだけどそれはほんとなの?」


ソラシドが真剣なまなざしで和馬を見つめている


どうこたえようか?


まあ正直ソラシドの産駒がいなくても財産もあるし

この牧場を維持するのも問題ないが


「俺はソラシドに嫌なことを強制したくないよ

ソラシドが仔馬を生みたくないなら

俺は別に構わない君のことは俺が一生面倒見ると決めたのだから

気にしなくてもいいよ」


きゅん 何この気持ち 和馬の顔がまともに見れないじゃないの


その時 ソラシドは発情した


「わたし、決めた 私の意思で子供を産むことを決めた

和馬が決めた相手なら種付けされてもいいわよ

和馬のためにね」


「ありがとう ソラシド 君にふさわしい相手を探すから」


「まあ、当然ね でもこれだけは忘れないで

私の一番は和馬だけだからね」


この白毛の女王様は和馬にはツンはなくデレのみですね


和馬との会話が終わりソラシドは考えた


念話での会話の中で木戸との会話を内容を

思い出していた。


和馬は私の生んだ産駒が牝馬ならセリに出さないでこの牧場で

繋養すると断言していた。それじゃあ 牝馬の産駒を産めば

和馬もきっと喜んでくれるだろう


ソラシド計画... 天翔牧場を白毛の牧場にする壮大な計画を発動した


牧場の維持管理費用は栗毛のお姉さまの産駒で賄い 

私の産駒は末永く和馬に愛してもらう計画


まあこの計画には穴がありすぎますがソラシドの考えは理解できますね


産駒の産み分けには多少やり方があるようですが白毛が生まれる確率は

とても低い 白毛で尚且つ牝馬が生まれる確率は天文単位になるだろう


ソラシドの計画は馬の神様への丸投げで可能になる無茶な計画


ところが天翔牧場の産駒は歴史をさかのぼれば優秀な牝馬が生まれていた

それも異常な確率 おそらく神様が天馬の希望を叶えていたから


ソラシドは種付けされるたびに神様に願う


「どうか私の産駒は白毛の可愛いい牝馬でありますように」








次回はいよいよソラシドの種付けですね

シオンのお相手は本編のあの馬です


白毛の肌は生まれた時からピンク色で葦毛の馬の肌は黒色です

なので年取っても遠目で見れば白くてもやはりくすんだ色に見えるそうです

わたしも一昨年の年末の中京競馬場でソ○シを見て本物の白毛は魅力的に感じました

昨年は東京と札幌まで追いかけて撮影しまくりました

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