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ハザマ~高校生男子は異世界で精霊に愛され無自覚無双~  作者: 木賊
第7章 変わる周囲と集まる仲間
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181話 お茶会のお誘い

ジアースの特訓が始まって半月が経った。


相変わらず朝は早くからジアースか精霊たちに叩き起こされてひーこらウォーキングして夜はストレッチして寝てる。

ハンターやる日はなるだけ動き回る依頼を選ぶように言われたのでその通りにして、ハンターをやらない日はどうすんだと思ったらジアースが直々に鍛えてくれることになって孤児院の原っぱで実戦に近い感じで模擬戦やっている。


始まって数日~1週間は筋肉痛と有無を言わせずやらされてる感があったせいで精神が追い付いてない感じだったけど、段々と慣れてきた?のか、筋肉痛はなくなってきたし見るからに体が動けるようになってきて、そうなったら心も追い付いてきたのか、これもレベルS受かるためだから頑張らないと!と思えるようになってきた。



いつものようにジアースに叩き起こされてさあ朝のウォーキングだと出発しようとするとジアースが話しかけてきた。

「・・・半月経ったから今日からルートを変えて走るぞ。」

はっ!そうでした!歩き半月、走り半月って言ってたな!

うわあー!まためちゃくちゃ疲れそうだなあ!

「・・・ものすごく苦い顔をしているが、そこまで険しいルートじゃないから安心しろ。お前の世界でいうジョギング程度のものだ。」

ジョギングくらいなの?ホッ!


とホッとしたのも束の間、ジアースの設定したルートは道なき道を指して藪とかを走り抜けて山を行くもので、ひーこらどころじゃないくらい疲れた!

心臓バクバクだし肺も痛い。

足はまあ動かないほどではないけど疲れて重し。

これを毎朝?嘘だろ?嘘だと言ってよ!

俺のホッ!を返せー!


そんな朝からクタクタの俺の元に、この日手紙が届いた。

送り主はネフィーと書かれていて、俺はおっ!とすぐに内容に思い当たることがあっていそいそと手紙を開けた。

女の子らしいめちゃくちゃきれいな字で書かれた内容はきせつの挨拶と思われるものと俺のことを案じることに始まり俺と前に約束した通り、お茶会の日程についてのことだった。

・・・ふむふむ、5日後か。

その日はなんも予定ないしオッケーだ。


『5日後だって。』

『俺ちょっくらあいつに伝えてくるぜ。』

俺の担当?の光の精霊と火の精霊がなにやら話して、火の精霊がどこかにばびゅんと消えた感覚がした。

ちょっと待て!あいつってもしかして・・・。

嫌な予感しかしないぞ!


俺はストーカーの動向を気にしつつ、返事を書かないとと思ったが手紙セットなんて持ってないことにはたと気づいた。

それからは朝食後にハンターやりにギルドに行く途中で雑貨屋に寄ってシンプルな手紙セットを買ってギルドの待合所でさらさらーっと書いてレベルAの討伐依頼をちゃちゃっとすませて帰りに王城に寄って王城の門番にネフィー宛の手紙を渡してもらうように頼んだ。

門番さんは俺が勇者だとすぐにわかって必ず渡してくれると言ってくれた。


『え・・・?レベルAの討伐依頼ってちゃちゃっとですむものなの?普通。』

『むしろそこがダイジェストな方にもツッコミ所はあるんじゃないか?』

なんか精霊がごちゃごちゃ言ってるけど俺は気にしませーん!



はい!そして夕方には孤児院に帰ってきたよ!

でも夕食にはちょっとまだ早い時間で、やることねえや。

ジアースは朝のジョギングが終わったら帰っちゃったし、子供たちは原っぱで思い思いに遊んでるし、ローエは夕食準備中でグランはハンターでまだ帰ってきてないしなあ。


・・・・・・はっ!

そういえば、お茶会になにかお菓子持ってこうかな?

毎回行く時はなんとなく喜んでくれるからお菓子持ってってるけど、お茶会にお呼ばれしたならなおさら持ってった方がいい気がする。

なんとなく夕食準備中のローエにお茶会について聞いてみたら、ローエはお茶会なんて行ったことがないのでわからないが持ってった方がいいんじゃない?と言われたので持っていくことにした。

でもなに持ってこうかなー?

お茶会って言うくらいだからある程度のお菓子は用意してくれてるはずだから、それに被るお菓子は駄目だよね。


ふむ、じゃあここは思いきって俺が作ってはどうだろ?

この世界に来てから作って振る舞う機会があるからか、料理するの楽しいんだよね。

あっちの世界でも自炊とも言えないものは作ってたけど、1人で作って1人で食べてたから特に楽しいとは思わなかったんだけど、ここでは皆美味しい美味しい言ってバクバク食べてくれるから嬉しいから楽しいんだろうな。

ネフィーにも食べてもらってぜひぜひ美味しいって言ってほしいな。

よし!なにか作ろっと!


それからはローエにまたもや話しかけて事情を説明して女子の意見を参考に作るものを話し合った。







やあ!そしてあっという間に5日経って今日はお茶会当日だよ!


俺はジョギングのせいで再びやって来た筋肉痛がやっと癒えたけどまだまだクタクタになって朝のジョギングを終えてジアースが帰ってって朝食を食べて、今からはお茶会に向けてのクッキングでーす!


はい!本日もやって参りました適当クッキングのお時間です!

料理人は毎回適当さが素晴らしい庵さんでーす!


・・・どうも、自分不器用ですから。


今回はなにを作ってくれるんですか?


今回は・・・ミニピザです。


ミニピザ・・・ですか?


ピザはこの世界にありませんから被ることはないですし、孤児院の皆にとても好評だったので味としても受け入れられると思いまして。

しかし、普段の大きさのピザはお茶会には大き過ぎて小さい口のネフィーには食べづらいし、マナーとしても大口は駄目なんではないかとローエから意見を聞きまして、ではネフィーでも2~3口で食べられるくらいの小さいサイズのミニピザはどうだろうと考え付いた次第です。


なるほど~、では具材はどういったものを?


塩味と甘味、それぞれはっきりと別れているものを数種類作って好きなのを食べてもらうようにしてはと思っています。


そうなんですね~!では、はりきってまいりましょー!



・・・はい!オープニング終わりました。


「どうしたのイオリ、急に黙って目を瞑って。」

「いや、ちょっとオープニングという名の精神統一を。」

「?」

ローエは首を傾げているが、気にしないでと言って生地に取りかかってもらった。

今回も生地はローエまかせだ。

だってローエの生地美味しいんだもーん!

因みにミニピザは大量に作るつもりで、出来上がったものできれいなのをお茶会用にして残りは孤児院の昼食になる予定だ。


そうして数時間後。


「ミニピザ完成ー!!」

わーパチパチ!

片手で摘まめるほどの小さなピザが全部焼き上がった。

その中でもきれいなのを手早く用意していたお皿にひょいひょいと取ってって、リンクにお皿ごと入れた。

ふう、これでいつでも焼き立てミニピザが取り出せるぞ。


「ふふふ!美味しそうね!」

ローエは上機嫌に残ったピザたちを塩味チームと甘味チームに皿に分けて入れて広間に持っていった。

昼食はこのミニピザにベーコンとキャベツのコンソメスープとサラダというメニューだ。


「「「うわあああー!!!」」」

子供たちは歓声をあげてミニピザを見つめていて、ローエの号令に一斉に頬張っていた。

「美味しい!」と子供たちが言ってくれて、俺も試食をかねて食べてみたらとても美味しかった。

へへへ、ネフィーもきっと美味しいって言ってくれるかな。




ミニピザの具材は次回紹介しますが、ありきたりな奴ばかりなのであまり期待しないで下さい(笑)

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