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ハザマ~高校生男子は異世界で精霊に愛され無自覚無双~  作者: 木賊
第7章 変わる周囲と集まる仲間
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169話 ピザ材料作り

俺はキッチンに向かいながらむむむと考える。


ピザに塗るソースはいわゆるトマトのピザソースだけっていうのもアレな気がするなあ。

子供たちもいるしクリームソースも用意して選べるようにしてはどうだろう。

クリームソースとはいわゆるホワイトソースのことで、俺はそれにチーズを混ぜてみてもいいかもと思い付いた。


「あ、イオリ。」

キッチンにはちょうど生地を作りはじめたローエがいた。

「お、始めてるね。ありがとうねローエ。」

「ううん。私としてもイオリの世界の料理が楽しみだから。生地くらいちゃっちゃっとよ。」

うむ、ローエは実に頼もしい。

ローエによるとこれから小麦粉とか材料を混ぜた生地を練って置いて発酵を促して練ってを繰り返して、生地ができるらしい。

なので台はローエが使うことになるから俺はコンロを使うことにする。


「イオリはなにをするの?」

「生地に塗るソースを作ろうかなって思って。ピザソースっていうトマトソースとクリームソースを作るんだ。」

「あら、トマトソースとクリームソースなら作れるわよ。」

ヨーロッパ文化が定着しているここならトマトソースを使ったボンゴレやスープなんてのもあるし、クリームソースでシチューもあるもんな。

「それらをピザ用に改良しようかと思ってさ。ピザソースはトマトソースにニンニクとバジルを入れてたと思うからそれ試しに作ってピザソースになるか確かめたいし。クリームソースの方はチーズを入れてみたらどうかなってそれも作って味をみときたいんだよ。」

「へえ、聞いただけで美味しそうね。私も味見させて?」

「もちのろん!」



はい!ということで、うろ覚え適当簡単クッキングのお時間です。

今日のチャレンジャー・・・じゃなくて、料理をしますのが麻生庵さんでーす。パチパチ

・・・どうも。料理を適当やってます、麻生庵です。

庵さんは量も目分量、手順もなんとなくでお馴染みですが今日はなにを作ってくれるんでしょうか?

・・・自分、不器用なんでピザソースとクリームソースをやってみようかと。

ピザソースはともかく、クリームソースは小麦粉を使うのでダマになりそうですが?

・・・そうなんですか?自分、不器用なんでそうなればそうなったで力技でなんとかします。

多分なんともならないと思いますが、やる気は十分なようです!

では張り切って始めて下さい!!



・・・よし、頭の中でオープニングを終えた俺はリンクを開けて手を突っ込んで必要な材料を取り出していく。

トマトでしょ、確か玉ねぎ入ってたでしょ、バジルにニンニク、コンソメでしょ。

あ、コンソメはこの世界普通にあって固形も顆粒もあるよ。


ピザに塗る用だからそこまで量はなくてもいいかなと片手鍋の半分くらいの量を作ることにして、俺は風の精霊に声をかけた。

「風の精霊、ニンニクをめちゃくちゃ細かくみじん切りにしてくれる?」

本来なら俺が切れって話なんだけど、切るスペースがない。

だって唯一の台はローエが絶賛生地をこねているのだから。

なんとなく空中で切るなんて【武術超越】でできる気がするけど勢いがつきすぎて鍋に落ちずに飛び散りそうで風の精霊に頼んだのだ。

『手伝えるなんて嬉しいわ。』

風の精霊はそう言ってくれて、ニンニクはどこからともなく吹いてきた風に一瞬にしてめちゃくちゃ細かいみじん切りにされて風に乗って片手鍋に落ちた。

「おおおー!すげえ!ありがとう。」

油を入れてニンニクをある程度炒めてっと。

「風の精霊、玉ねぎもみじん切りにしてくれる?」

『はいはい。』

みじん切りにされた玉ねぎを炒めてトマトもめちゃくちゃ細かくみじん切りにしてもらって入れる。

そこにコンソメを入れてバジルをちぎって入れて塩コショウを入れてちょっと煮たら完成だ。


「風の精霊、引き続き切るのお願いしていい?」

『もちろん手伝うわ。』


次はクリームソースだな。

再びリンクをガサゴソやって牛乳に玉ねぎ、チーズにコンソメを出した。

ピザソースは片手鍋ごとリンクに入れて、リンクから別の片手鍋を出して今度はバターと細切りにしてもらった玉ねぎを入れて炒めてローエから小麦粉を分けてもらって入れる。

この時点で小麦粉を入れといたらダマにならないんじゃないかとやってみたけど思った通りで溶けてくれたぞ。

そして牛乳とコンソメ、チーズを入れて塩コショウを適当に。

あ、牛乳は牛と言ってもこの世界で畜産は一般的ではないから乳牛は目茶苦茶珍しいから乳牛からとれる牛乳・チーズ・バターなどは王族くらいしか口にできないので、魔物の牛やヤギなどから作られる乳製品が一般的らしい。

チーズもモッツァレラチーズとかゴーダチーズとか色んな種類があるけどそれらは魔物産だ。

畜産をやってないのにどうやって乳を手に入れてどうやって流通させてるかはなんかそういう、倒したら大量の乳を出す魔物がいるんだってさ。

よくわからんがその魔物のおかげで乳製品を食えるのだから感謝しないとね。

さて、しばらく煮たらクリームソースは完成だ。


「風の精霊、色々切って入れてくれてありがとうね。魔力どーぞ。」

『ふふふ、では遠慮なく頂くわ。』

『ちぇっ、僕もなにか手伝いたかったなあ。』

雫の精霊はちょっとすねた感じでそう言ってきた。

「雫・・・雫ねえ。」

雫の精霊にもなにか手伝ってもらえるのは・・・あ、思い付いた。


「な、雫の精霊。雫って水の雫だけなん?例えば果汁とかエキスとか出せる?」

『そんなの簡単だよ。なにかいるの?』

「えと、唐辛子エキスと蜂蜜ほしいんだけど。」

『お安いご用だよー!』

俺は慌ててリンクから手のひらサイズの瓶を2つ出すと、空中から雫がポタポタと瓶の中に落ちてきた。

『透明なのが唐辛子エキスで、黄色のが蜂蜜だよ!』

それぞれのエキスはちょっと待つと瓶いっぱいにたまった。

「おおー!ありがとう雫の精霊!魔力どーぞ。」

『うわぁい!ありがとー!』


「生地終わったわよ。あらイオリ、その瓶はなに?」

生地を捏ね終わったローエがこっちを見てきた。

無心で生地を捏ねていたようで俺と精霊の会話を聞いてなかったようだ。

どんだけ真剣に捏ねたんだよ。とてもありがたいが。

「生地ありがとー!リンクに入れとくよ。この瓶はこっちが唐辛子エキスでこっちが蜂蜜だよ。」

「蜂蜜ですって!?」

ローエが蜂蜜に驚いたのは無理もないことだ。


この世界に畜産が一般的でないなら養蜂なんてほとんどといっていいくらいない。

なので魔物の蜂の巣を倒した時にのみ蜂蜜が手に入るので量自体が少なく必然的に高価になって庶民はあまり食べられないものなのだ。

まあ、砂糖が一般的なのでスイーツなどの甘味は問題ないんだけどね。

だからローエが驚いたのはもっともなんだね。


「す、すごい・・・!蜂蜜がこんなにたくさん・・・。」

ローエは目に入れるんじゃないかというくらいじーっと見ている。

「ローエ目に入れちゃダメだよ。目に入れても痛くないのは孫だけだからね。」

「は?孫?なに言ってるの?」

うーん、グランなら「目に入れるか!?つうか孫も入らねえしそもそも孫も子供もいねえよ!?」っていう華麗なツッコミを入れるところなんだがね。

ツッコミ不在は痛いな。


「その蜂蜜はピザにかけて食べたら甘くなって美味しくなるから子供たちが好きそうかなって思ってさ。んでこっちの唐辛子エキスは辛いのが好きだったり刺激がほしい人用の奴ね。唐辛子をすりつぶしたのと塩とお酢を入れて置いといたらタバスコって辛いのができるんだけど、雫の精霊のおかげでエキスがとれたからこれに塩とお酢を入れただけで多分タバスコっぽくなるはずなんだよ。」

唐辛子エキスが透明だからタバスコっぽい赤い色じゃないけど、辛さは大丈夫なはず。


さっそく塩とお酢を混ぜてみた。

お酢は西洋酢(ビネガー)といわれるものが一般的にあってバルサミコ酢の他に赤ワインビネガーやリンゴビネガー、麦芽から作られたモルトビネガーなどなどある。

今回使ったのはモルトビネガーにしてみた。

単に日本で一般的な米酢と麦芽からできたモルトビネガーが米と麦芽で近いかなと勝手にイメージしたからだ。


「よしできた。ちょっと味見してみよっと。」

ペロッ・・・・・・うわぉっっ!!


「ふおおっ!あーこの辛さだ!タバスコっぽい!!」

「え、私も舐めてみていい?」

「ローエ気をつけろ!ちょっとだけでいいからな!」

ペロッ

「っあぁっ!!」

ローエは指先にちょっと付けて舐めただけなのにびっくりして舌を出した。

慌ててリンクから水の入った水筒を出して渡して飲ませて事なきを得た。


「すごく辛かったわ・・・。私はタバスコ遠慮しとくわね。」

「俺こういう辛い系好きだから余ったら自分用に使うから大丈夫だよ。」


そんなこともありつつその後は台が空いたのでピザに乗せる具材になりそうなのをリンクから出してローエと手分けして切ってリンクに入れてを繰り返してそうこうしてたら夕方となった。


よし!皆とピザ作るぞお~!



本来タバスコは唐辛子をミキサーで粉砕して塩とお酢で数週間~数ヶ月発酵させるとできるものです。


火「タバスコ・・・だと?」

あれ?火の精霊神の様子が・・・。

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