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ハザマ~高校生男子は異世界で精霊に愛され無自覚無双~  作者: 木賊
第6章 勇者の剣と記憶
133/202

124話 依頼をこなす

グランと依頼をやることとなった俺。


ん?そういえば・・・。

グランてば、俺が精霊と話せて色んな場面で協力してもらってるのをもちろん知ってる。

ということは・・・周りにグラン以外の人がいないとこなら思いっきり精霊と話して協力してもらうことができるということか!

のびのびできるぞ!やっはー!


ということで、ノヴェーラの町から北東の山に来ましたー!

前にウィンディがゴリラを吹っ飛ばした山でして、この山を北の方に進むと「大群」が来たところに着く位置関係ですね。

でも今回の依頼はそこまで行かずにもっと手前ですむってー訳ですわ。


「はい、では皆さんはりきってお願いしまーす。」

『『はーい!』』

今日の俺の担当?の風の精霊と影の精霊がそう言って散っていった。

影の精霊ははじめましての精霊で、絵本とかで出てくる舌を出したお化けに似た姿で全身黒くて目のとこだけが白い。

その黒いお化けが山をかきわけていく姿はかわいらしいが俺があちらの世界で見たら悲鳴をあげてたかもしれない。


シュパッシュパッ


『イオリー!こっちいたわよー!』

風の精霊がすぐ近くで風魔法でなにかを倒したようでなにかを切った音がしてからそんな声が聞こえてきた。

いくと首をばっさり切られたホーンラビット2匹を見つけた。

「ありがとー、風の精霊。」

俺はすぐさま血抜き作業に入った。

『これからじゃんじゃんやってくわね。ホーンラビット倒したらここに風で運ぼうかしら?』

「あ、そうしてくれると助かるよ。」

了解~!と言って風の精霊はホーンラビットを倒しに行った。


『イオリ、フペフペ草の群生地を見つけたぞ。』

影の精霊がそう声をかけてくれた。

「やった!群生地だったら依頼の数あるかも。この近く?」

『ああ、10分ぐらい奥に行ったところだぜ。』

「ホントに近くだ。探す手間が省けたよ。ありがとー!後で案内お願いしていい?」

『もちろんだぜ!』


今回受けた依頼は3つ。

その内の2つであるホーンラビット20匹討伐とフペフペ草10束採取はすぐに終わりそうだなあ。


・・・うん?

なんでグランはさっきから黙って頭を抱えているんだろう?


「どうしたグラン?頭痛いのか?もしかしてどこかで頭ぶつけたか?」

「ぶつけてない・・・!お前の依頼のやり方がめちゃくちゃ過ぎて頭が痛くなっただけだ。」

俺のやり方がめちゃくちゃ?

あー・・・まあ、俺の場合は精霊と話せて協力してくれるからねえ。

「でも人が周りにいないときを狙ってるし、その辺は俺も気を付けてるよ。それに基本的に俺もグランもソロじゃん?1人でやってたらオリジナルのやり方ってなっても不思議じゃないんじゃない?」

「いや、お前のやり方は度が過ぎてる。そもそも精霊が魔物を狩ってくるってどうなんだよ?」

「そこは聞かれても知らないよ。風の精霊のご厚意なんじゃない?」

「そしてなんでそんなにお前はテキパキ血抜きできんだよ!?」


実はグランと話してる間も風に乗って次々と死んだホーンラビットが運ばれてきていた。

それを俺は話ながら穴掘って血を抜いてギルドのマジックバッグに入れていっていたわけだ。

因みにホーンラビットは肉が魔物肉として買い取ってもらえるから依頼の20匹とは言わずマジックバッグに入れられるだけ入れようと思っている。

そしたら報酬にプラスがあるからだ。


「ハンターやってるおかげでだいぶ慣れたからねえ。」

「お前順応性高いと思うぞ。」



それからホーンラビットでパンパンになったマジックバッグをリンクに入れて次は影の精霊の案内でフペフペ草の群生地に移動した。

グランによるとフペフペ草は結構レアな錬金術素材らしくて普通は半日山を探索してあるかないからしい。

そのフペフペ草の群生地なんて初めて見たとグランは驚いていた。

そしてグランとフペフペ草10束を採取用のマジックバッグに入れた。

もちろんふたりの精霊にはお礼を言って魔力食べ放題にした。


「さて、後は1つだね。」


その依頼は「レベルC:ポイズンスパイダーの魔石2つ採取」だ。


今まで一瞬しか触れてこなかった魔石の説明をすると。

魔物と動物の違いとして魔物の体内には魔石が必ずあって動物にはない、ということが1つとしてある。

この魔石、色んなラノベではそれぞれ使い道があったけど、この世界では実は錬金術の材料か魔道具の材料くらいしか使い道がない。

しかも錬金術は1つの魔石で多くの薬とかに変えるので他の材料よりは必要数が少ないし、魔道具は必要数はいることはあるけど作り手が少ないことや魔道具自体が高価でレアなもののために数を求められることはたまにしかない。

よってそこまで需要がないためにレベルの高い魔物の魔石は錬金術か魔道具の材料として高値で取引されることもあるのに対して弱すぎる魔物の魔石は買い取ってくれないほどだ。

今回の依頼のポイズンスパイダーの魔石は錬金術ではよく使う魔石だそうで、依頼人は錬金術師だ。


因みに今まで俺が倒した魔物は魔石込みで買い取りしてもらったりしていたり、買い取りできない魔物は死体ごと埋めたり焼いたりしたので全く俺の手元には魔石は残ってない。

後々考えると・・・マンティコアの魔石取っとけば高値で売れたんじゃね?とか頭によぎったけど今さら掘り返しに行けないよ。きっとホラーになってるからそっとしとこう。


ポイズンスパイダーはグランによるとこの山によく出てくることがあるそうなんで来たわけだ。

因みにポイズンスパイダーはレベルCでも弱い方のCらしい。

名前の通り毒を持っていて毒液を飛ばしてきたり糸を張り巡らせて罠のように引っ掻けてくることがあるからレベルはCなんだってさ。

ん?そういえば前に倒したことがある気がするぞ。

でも一瞬で倒したような気がするからあんま覚えてないや。


「ポイズンスパイダーは毒液さえ気を付ければ糸は剣で切れるしスパイダー自体は強くないから見つけたらすぐに倒せるはずだ。まあ、万が一毒液を受けたら毒消しポーションを飲むか毒消しの魔法を唱えたらいいし、町に行って治療院に行って治してもらったらいい。」

「え、治療院に行けって、毒はそれまでに回るんじゃ?」

「ポイズンスパイダーの毒はすぐに死ぬような毒ではないし、全く動けなくなるって訳じゃないから治療院には行けるぞ。動きが鈍くなる感じだな。」

なるほどー。

実は毒消しポーションはハンター始めた時にもしもの時のために買った1つがリンクにあるから大丈夫とは思うけどね。


「っていうかグラン毒消しポーション持ってる?」

「持ってるぞ、ほら。」

グランはそう言って腰のウエストポーチから毒消しポーションを出してきた。

「あ、本当だ。そのウエストポーチって他になに入ってんの?」

「シューーー」

「今日は普通のポーション2つに剥ぎ取り用のナイフくらいだな。」

「やっぱポーション持っとくよねえ。俺ももしもの時用にリンクに10こあるよ。」

「もしもで持つ量じゃねえだろ。10こは多いぞ。」

「シューーー」

「多いかなあ?」

「数日山にこもって依頼する時はそれぐらい持ってくぐらいだぞ。さすがヘタレだな。」

「な!?グランまでヘタレと弄るか!」

「シューーー!」


「さっきからシューシューうるさい!!」

スパーーーン


振り向き様に剣を抜いて切りつけたら1メートルほどのでっかい蜘蛛が上下真っ二つに切れた。

「わひゃ!?でっけえ蜘蛛!?」

「ポイズンスパイダーだそれ。」

『さすがイオリね!』

『かっこいいぞ!』

魔力食べ放題中に静かだった精霊が食べ終わったようでそう褒めてくれた。

「シューーー!」

「また出た!」

倒したポイズンスパイダーに続けとばかりにまた1匹出てきた。


「今度は俺がやる!」

グランはそう言って素早くポイズンスパイダーに近づいてナイフであっという間に首を狩った。

「おおお!グランすげえ!」

「ほら、さっさと魔石取り出すぞ。」

グランはちょっと照れながらそう言った。


『やだーこの人間ツンデレかしら!萌えるわあ。』

風の精霊(女子)からしたら萌えるんだろうか。

俺には男のツンデレはよくわからんな。

まあ、仲がいいってことはうれしいけどね。


そんなこんなでポイズンスパイダーの体からは無事魔石を取り出せた。

詳細はただただモザイク状況だったので察してください。


こうして依頼3つをこなせた俺たちは夕方前には町に帰りついた。


ポイズンスパイダーを前に湖に行く途中で倒したことがあるのを忘れて毒消しとかについて長々語らせてしまいました。

てへへ!

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