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ハザマ~高校生男子は異世界で精霊に愛され無自覚無双~  作者: 木賊
第5章 ローワン王城と騎士団
106/202

98話 ばったり遭遇

短いです。

騎士団の本部に向かって移動中。


「あ!ロディオータ様!」


そう言って誰かが駆けてきた。

なんか聞いたことあるなーと思っていたら・・・。


「あれ?エティー?」

駆けてきたのは金髪をハーフアップにしている碧眼の美少女。

いつもは銀の鎧を着ているのに駆けてくる姿は緑のドレス姿だ。

たわわがぶるんぶるんで眼福である。


エティーは途中まで駆けてきたが、ロディオータに続いて俺がいるのを見てぎょっとして思わず立ち止まった。

「エティーじゃん。なんで王城にいんの?」

俺は首を傾げつつ、立ち止まったエティーに歩み寄った。

「あ・・・えっと、何て言うか・・・」

なんでか急にしどろもどろになって目が泳ぎまくっている。

どうしたんだろう?

「あ、もしかしてあの謁見の間に呼ばれて来てた?」

「そ、そうそう!後ろの方にいたのよ!」

なんだそっかー。でも結構見回したのに全然気づかなかったな、おかしいなあ。


「あ、エティーがいいとこのお嬢様だってわかってたからそんな焦んなくていいぞ。」

「え、えっ!?そ、そうなの?」

まあ、護衛っぽいおっさんたちが「お嬢様!」とか言ってたからバレバレなんだけど。

エティーは俺の言葉を聞いて戸惑いつつもちょっとホッとしたような顔をした。

「あの・・・このこと、秘密にしてくれない?」

エティーが貴族のお嬢様ってことをかな?

まあ、秘密にするも何も、多分ギルドでは皆にバレバレだと思うんだけど。皆興味ないのか気を使ってか誰もあえて触れないし。

「別にいいよ。また一緒に依頼しよーぜ。」

「あ、あんたがどうしてもっていうならね。」

エティーはふっと笑いながらそう言った。

相変わらずのツンデレである。


「おっと、俺と話してる場合じゃないな。ロディオータ様と話したくて駆けてきたんだろ?」

「え、ええ。」

「俺ちょっと離れてるから話してきなよ。」

俺はそう言ってエティーの肩を掴んで少し離れたところに立ってこっちを見ているロディオータの方に向かせて背中を押した。

「ちょ、ちょっとイオリ!?・・・も、もう!」

エティーは急にやられて一瞬俺に怒ったが、気を取り直してロディオータの方に歩み寄って行った。

俺は会話に聞き耳をたてる肩にいる某ストーカーのような趣味はないのでもうちょっと離れて待つことにした。


『ちょっと待ってよイオリ!興味わかない!?どんな話してるのか、なんで聞き耳たてないの!?』

おだまり某ストーカー。

『ジャーナリズム精神に火がつくぜ!これは盗聴案件じゃー!』

待て待て待て!

こんなことにジャーナリズム精神刺激されてどうすんだ!?

ストーカーはなんだか喜び勇んですっ飛んでった感覚がした。


俺に止める術はない。

あ~あ。

・・・まあ、俺にできることはネットワークに晒すなと説得することだけだ。

後で説得しよっと。


2人はしばらく話してあっさり別れてった。


「お待たせイオリ。ごめんね、話しちゃって。」

「いっすよ。」

「それにしても・・・見たところ、彼女とも仲良さげにしてたけど・・・?」

「うん、ちょっとひょんなことで知り合って。」

エティーがハンターやってるの知らないかもしれないからそこは一応濁しておこう。

「え、まさか彼女とも馬車を助けたことをきっかけに、とか言わないよね?」

いやいや、そんなに俺は馬車助ける趣味ないよ?

でも面倒だしそうしておこうかな。

「うん、まあ、そんな感じ。」

「ええっ・・・、君すごすぎない?」

なんでか知らんけど引かれた。










庵が騎士団長に引かれている頃。



王城のある一室で2人の貴族が話し合っていた。


「まったく・・・あんなひ弱そうなハンターに褒美をやるなんて、王族も権力保持に躍起だな。」

豪華なソファにどかりと座った貴族の男はそう切り出した。

「まあまあ、躍起になるでしょう。世継ぎもいない今の状況では。」

向かいに座るもう一人の貴族の男は上品な所作で紅茶を一口飲んだ。

「陛下の子供はあの双子の姫たちだけ。そしてもうそろそろ年齢的にもどこかへ嫁ぐ年だ。陛下は隣国に嫁がせるか公爵家に嫁がせるか悩んでいるそうだぞ。」

「らしいですね。そうなれば嫁いだ姫のどっちかが産んだ子供を世継ぎにするしかない。陛下には兄弟もいなければ親戚も世継ぎにできそうな年齢の者もいない。・・・あなたのところには確か独身の嫡男がいましたね?」

「うちは伯爵だが嫁げない訳ではない。息子もその気だし陛下に掛け合うつもりではいるがな。・・・召喚がうまくいってあの方が復活していたらこんな回りくどいことをせずに今頃あの双子を手に入れていたのにな。・・・ああ、早く息子に嫁がせて私が可愛がってやりたいものだ。」

下品に笑う貴族の男。


「・・・そうなれば、あのハンターが気になりませんか?」

「あのひ弱そうなのが?」

「ええ。私の知り合いの商人から聞いたのですが、彼は3~4ヶ月前に突然現れたそうです。あんなにとんでもない力を持った者が突然現れることなんてあるんでしょうか?商人も気になって彼について調べたそうですが、彼が町に現れる前の情報も目撃情報が一切ないらしいんです。」

「・・・ほう?」

「そして噂では、彼は町に現れる前の記憶がないそうです。」

「おいおい、ちょっと待て。3~4ヶ月前は我らが召喚の儀式をした時期と同じだ。しかも記憶がない?・・・いや、だが・・・。」

貴族の男はそう言うと考え込むように俯いた。


「そうなんです。我らが召喚しようとしていた『鍵』と・・・あまりに容姿が違う。ですが・・・あまりにも共通点が多い。ですから、彼を調べてみようと思ってます。」

「そう・・・だな。こいつが『鍵』と関係があるか、【能力】の有無も調べたらいいかもな。」

「私の手の者に鑑定魔法が使える者がいます。そいつに調べさせましょう。」


「なるべく早くしてくれよ。王族に息子を薦めるのに意外に大金がいるんだ。」

貴族の男はそう言ってくくくと笑った。





薄々気づいていると思いますが、ヒロインを双子の姫にしようかと思います。

色々と考えて、ネフィー一択にしようかと思ったりしたのですがここはツンデレと陰キャそれぞれの良さを書けれたら面白いかなと思いまして。

ハーレムはアレルギーがありますが、2人ならギリギリアレルギー出来ませんので(笑)

恋愛は苦手で多分今までのようにノロノロですが、少しでも楽しんでいただけるようにこれからも頑張ります。

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