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腐った果実の斜め下備忘録  作者: 腐った果実
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果てしなきスカーレット で 思うこと

本稿は映画『果てしなきスカーレット』の内容と主題に深く踏み込んでいます。

物語の核心部分に触れる記述ネタばれが含まれますので、

未見の方は、できれば作品鑑賞後にお読みいただくことをおすすめいたします。

作品の新鮮な体験を損ねないためにも、どうかご注意ください。


※あくまで個人の感想・解釈であり、作品の内容を断定するものではありません。

※本稿は作者自身の考えをもとに、一部AIによる文章整形の補助を受けて執筆しています

解釈・意見の最終的な責任はすべて筆者にありますが、

文章構成の整理や言い回しの調整など一部にAIの補助が用いられていることを、

ここに明記いたします。

赦す、とスカーレットは言った。


 最近、細田守監督の『果てしなきスカーレット』を観て、なんとなく考えてしまったことを、とりとめなく書いておこうと思います。

 作品そのものについては賛否両論、というより否の声の方がネットでは目につくようで、まあ、それはそれ。


 果実が観た感想ってのが、ああ、これは“死後の世界”の話じゃないんだなってことです。


 何言ってんだ、あれが死後の話じゃなかったら、どこの世界だ! と、問われると、あれです、ありや、ネットとかSNSの世界のとこなんです。


 あくまでメタファーとしての話ですが。


 死者の世界で、誰とも知れぬ人々が襲ってくる。

 怒りに駆られ、反撃する。するとまた別の誰かが襲ってくる。

 殴られる、殴り返す。誰かを責め、責められ、そしていつの間にか自分が誰だったのかすら忘れていく。

 声の大きな者が場の支配者になる。


 これってまさに、現代のSNSそのものの構造だと思うのです。

 誰かが勝手に殴ってきて、理由も分からず殴り返し、自分が傷ついているのか、誰かを傷つけているのかも分からなくなっていく。


 スカーレットはそこでボロボロになり、その渦の中心で苦しみつづける。


 「自分はこうありたい」「誰かに認めてほしい」

 けれど、そうなれない。誰も認めてくれない。

 その苛立ちと孤独の中で、彼女はあの地獄のような“承認の螺旋”に飲み込まれていく。


 果実はそこに、とても現代的な恐ろしさを感じたのです。


 ネットでは「暴力に対する解決策を示していない」「責任放棄だ」なんて批判もあるようですが、果実はちょっと違うと思うのです。

 そもそもこの作品、

 個別の暴力問題をどう対処するかなんていうテーマで作ってないのですよ。


 スカーレットは、現実の“加害者”“被害者”を描いているわけではない。

 構造そのものの寓話なのです。


 怒りが巡り、承認欲求が渇き、また怒りが生まれる。

 誰かが大声で叫べば、誰かがその声を拾って燃料にする。

 まるで地獄の焚き火のように、延々と周囲を焼いていく。


 あれは、私たちが毎日スマホを握って見ている世界の、

 あまりにもリアルな姿なのではないでしょうか。


 だからこそ、作品の最後の「赦せ」「自分を赦せ」という言葉が胸に刺さるのです。

 復讐をやめろ、という単純な話ではなく、

 「この承認地獄を終わらせるために、お前はどんな世界を選ぶのか?」

 そう問われているように感じたのです。


 個人の暴力を止める“解決策”なんて、作者も観客も持ち合わせていない。

 そんな魔法みたいなもの、どこにもない。

 だけど、

 一人一人が節度をもって、この地獄の輪を広げないことはできる。


 スカーレットが最後に言う「赦す」とは、

 “あなた自身の怒りも、他人の怒りも、まず手放すところから始めてくれ”

 という、あまりにひっそりとした祈りのようにも思えました。


 もちろん、こんなことを偉そうに書いている果実だって、

 腹が立つときは立つし、SNSで見かけた誰かの言葉にムッとしたりもします。

 ただ、あの作品を観て、少しだけ立ち止まったのです。


 ――自分は、今日どちら側の世界を選んでいるだろう?


 そんなふうに考えさせてくれた作品でした。


 お し ま い


2025/12/10 初稿

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