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ハイスクールコンプレックス  作者: 折原
邂逅篇
6/82

名前はLARMS(ラームズ)


「先に則武さんに手を出してしまったことに関しては本当に申し訳なく思っています

紗希のことを助けるつもりだったのに結局足を引っ張ってしまって

ただ、紗希のことを下に見ているような発言が多くてすごく鼻についたので・・・

あそこで怒れないというのは、紗希の親友として後悔しそうで我慢できませんでした。

だから、近いうちに絶対にあの人は倒します。」


対して西條さんも特に今回の騒動についてそこまで悪びれた様子はないようだ。

こうしてみるとこの子もそこまで学校から怒られたり絞られたりはなかったのかもしれない。


西條さんは基本真面目な性格だけども、こういう所は好戦的なんだな。

さっきから西條さんのことを見てるとなんか違和感を覚えるんだけど、これってなんなんだろ

あの日に見た西條さんてこんな見た目だったけ


「俺が来る前に生徒会室でどんな会話していたのか知らないけど・・・

じゃあ逆に西條さんのクローサーはちゃんと機能してたの」


俺がいない時にどんな会話が青月と紅陽のトップ同士で行われたのか気にもなったが何となく藪蛇の気がしたので今回はあまり追求しないでおくことにした。


「勿論私のクローサーは機能していました。

だから、則武さんに対して攻撃はしましたがあの程度では倒せないのもわかってましたし

それでも、言われっぱなしの状態は嫌でしたから」


「そうだったんだ」


じゃあ、もともとの異能も自分より格下でしかも、クローサーというハンデまで持ってたの西條さんを、彼奴(則武)は吹っ飛ばして怪我までさせやがったのか。

いくらなんでもやりすぎじゃねーのか

なんか大人げないな、そう思うと


「・・・どうしてラボは則武さんを庇うようなまねするんだろうな

そこまでA判定ってすごいことなのか」


「則武さんがどう、というよりラボのスタンスがもともとそうみたいなの」


「どんなスタンスなんだ」


「昔から言われていますが、ラボや大学は表立っては言いませんが異能力者同士の衝突を基本的に歓迎しているんです

なぜなら、ラボや大学の一番大切な目的は、異能を研究•開発して利用することだからです。

そのためなら異能力者同士の競争や衝突はデータを集める上で歓迎すべきもの、というのが基本的なスタンスですし

それにその障害になりうるものはできる限り排除するていうスタンスなんです」


「え、なにそれ、なんか俺たちを人間扱いしていないみたいな感じがして気持ち悪いな」


「あくまで噂程度なんだけどね

それでもあながち間違いでもないと思うわ。」


さっきから話を聞けば聞くほど

異能に関する噂は小学校や中学校の頃からあれこれ聴いてきたがそれなりに闇があることを感じてしまう。

なんかそう思うとめんどうなことに首をつっこんでしまったのかもしれない気もしたが御天みあまに住んでいる以上今更手遅れだろう。

それが嫌ならこの御天みあまを出るしかないのだから。



一通り俺の疑問が解消されたと判断したのか、そういいながら目を細めつつ雪峰さんは年上のお姉さんのように静かに笑った。


「・・・さて先日の一件についての説明はこれぐらいでいいかしら

じゃあ、今度はこっちから質問してもいい?」


首を少し傾けながらまた雪峰さんは柔らかい笑顔を向けてくれた。

無意識でやっているんだろうがこの顔面と表情だけで白米10合、食パン10斤はいける気がする。

小顔で長髪ストレートの美少女てほんと大正義だよな。

正統派美少女万歳。

ずっと顔見てられる。言えるわけないけど。


「え、ああいいけど」


「早速で申し訳ないのですが、柊くんと則武会長との関係性について教えてください!

この間もすごい親しげでしたが、い、一体どんな関係なんですか!?

も、も、も・・・も、もしかして以前付き合ってた、とかですかっ!!??」



急に食い気味に乗り出すように西條さんが言ってくる

どうやら今日を俺を誘った本題はこれだったらしい、というのを西條さんの待ってましたといわんばかりな勢いと赤面した表情で一瞬で察した。

早く教えてくれと言わんばかりだ。


「いや、それはないわ

露骨にこれ以上近寄るなって俺言われてただろ。

・・・関係性て言われてもな、別にそんな大したのじゃないよ

ただ、同じ中学出身で中学時代一時期仲が良かったてだけで」


「そ、そ、そうですか!

そんなに仲良くはないのですね!」


「いや、改めて面と向かって言われると刺さるけどな・・・」


「す、すみません!」


「なるほどねー・・・」


急にテンパりだした西條さんとは対照的に

俺の回答が不服だったのか雪峰さんは右下を伏し目がちに見つめていた。

なんかあんのか。

予想外に恋バナに発展しなくて残念だったのか?


「・・・もしかしてだけど中学時代に、則武さん含め同じ中学の五校関係者数名で仲良しグループを組んでいたという噂を聞いたのだけど柊君は知ってたりする?」


ああ、なるほどその質問で何となく察してしまった。

どうやら中学時代の俺の噂について答え合わせをしたかったていうのがメインの目的だったようだ。


あらかた俺と同じ中央中学出身のやつに、中学時代の話を聴いたうえで俺に話を振ってきたなんてところなのだろうか

なんとなくこの2人が聞きたいことが分かってきた。


「・・・その話か

どんな噂が立ってるのかは知らないけど

一時期則武さん以外の他の五校で今生徒会長やってるやつ含め数名の仲良しグループがあったんだ

異能が発現したりとか諸事情で中3には瓦解したんだけどな」


仲良しグループを確かに俺たちは組んでた。

名前はLARMSラームズ

由来は全員の名前の頭文字。懐かしいな。


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