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ハイスクールコンプレックス  作者: 折原
邂逅篇
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こないだの騒動の続きを聞かせてもらってもいい?


こんな美少女2人、しかも生徒会役員とかいうスクールカースト上位勢のお誘いは慣れていなさすぎるからちょっと遠慮しようかなっという気持ちもよぎったが

あの日の後日談をまだ知らなかった俺は、その後の進展も聞きたいという好奇心もありこの提案に乗ることにした。


「おっけ、行こう」


お互い緊張していたからかほとんど声も発さないまま帰り道を歩き、多分もっとコミュ力があるやつならこの間でもすでに仲良くなっているんだろうなと軽く自己嫌悪に陥りつつも、2人に案内されたのは学校からほど近い男一人では行かないであろうオサレなカフェだった。



「えっと、今日は私たちのおごりです!好きなものを食べて飲んでください!」


席に着くなり小柄で茶髪の副会長が目も合わせずにそう大きめの声でいう。



「いやいや、それはいいよ。さすがに女の子にご飯おごってもらうのは悪いから」


なんとなく女の子にお金を出してもらうことに抵抗を感じた俺は「自分で出すから」と釘を刺しておいた。

人におごられて食う飯がうまいのは世界の真理だが今回は別だ。

ましてこんな可愛い子には格好いいところを見せたいもんなんだ男って

例えスクールカースト最底辺の男でもプライドだけは高かったりするわけで


「そうですか・・・

できれば先日のお礼をさせて頂きたいです!」


「お礼て言っても別に俺何もしてないしな

ただ昔の同級生と口喧嘩しただけだったし」


「それでも、則武さんを追い払ってくれたのは事実だから」


ここで生徒会長が初めてしゃべった。

どうやらうちの会長は副会長ほど活発で口数の多いタイプではないらしい。   

暗い紺がかった長い髪、しかも前髪も長めであるせいか

見た目の印象も相まっておとなしそうな印象を受けた。

スタイルは紅陽の会長に負けずものすごくモデル体型だが


「てか、副会長さんは怪我は大丈夫だったの?

俺が入ってすぐすごい爆発があって、かなり吹っ飛ばされてて怪我してたみたいだけど」


「まともに食らってたらやばかったでしょうけど

異能を発現させていたので案外無傷でしたねー

一日中寝てたら治って、今では超元気ですよ!」


「はは・・・そりゃすごいな・・・」


いやどう考えても一日寝てたぐらいでどうこうなるレベルの衝撃じゃなかったと思うけどなあれ

さらっと怖いことを言われた気もするが聞かなかったことにしておく。

ツッコミどころ満載な回答に引きつった笑いを浮かべるしかなかった俺だったが

とりあえず店員を呼んで3人分の飲み物を注文した。勿論注文は俺が店員に伝えた。

何度でもいうが、可愛い女の子の前ならかっこをつけたいのが男なのだ。

安っぽいプライドだといわれればそれまでだが。


「すみません、注文していただいてありがとうございます。

・・・えっと、まずは先日の一件では、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。

あんな騒動に無関係な貴方を巻き込んでしまって」


「私からも謝ります。本当にごめんなさい

危ない目に合わせてしまって申し訳ない」


テーブルの向こう側でそういいながら2人は頭を下げた。

こんな美人をそれも2人同時に謝罪させる経験など人生にあるわけがなかったのでなんだか変な性癖に目覚めそうだった。

可愛いものを愛でるのではなく逆にいじめたくなる的な。


「いいよ、大丈夫

こっちこそご迷惑をおかけしました。

寧ろ、2人のほうがあの一件で色々大変だったでしょ

えっと・・・」


名前を呼ぼうとしたが、とっさに出てこない。

こんなかわいい子と日頃関われることなんて皆無だったし当然といえば当然である。

まだ自己紹介すらすましてなかったことを今更再認識した。

どんだけコミュ障なんだ俺。

もうちょっと女の子をリードできる男になりたいもんだな。


「すみません、自己紹介が先ですよね。私は2年A組の西條千織(さいじょうちおり)ていいます。

青月せいげつの副生徒会長を務めています、そして」


そういいながら西條さんは再び座ったままでお辞儀をした。

ふわふわの栗毛の長髪は、天パ気味でいい感じにウエーブしていて、その小ささと肌の白さと相まってどこぞの高貴なペットのような印象を受けた。

ただ何となくこの子の見た目に違和感を感じてしまっているのはなぜだろう。

違和感の正体がなんなのか今の俺にはわからなかった。


「生徒会長の雪峰紗希ゆきみねさき、です。私もクラスは2年A組

千織とは幼馴染で幼稚園からずっと一緒なの」


そういいながら今度は青みがかったの長髪をした女の子がお辞儀をする。こちらは打って変わって西條さんと違って大人しめな印象で夜に咲く可憐な百合の花のような印象を感じた。

ぶっちゃけ可愛すぎて、うちの学校にこんな子がいたんだていう驚きしかない。


しかも副会長の西條さんより生徒会長の雪峰さんほうが主張が控えめで、そういう意味でも俺の好み直球ストレートだった。

幸薄そうな雰囲気がたまらない。


「俺は2年B組の柊想です。よろしくお願いします。」


「はじめまして、でいいよね」


そういって、微笑を浮かべた雪峰さんは小顔でアイドル並みの可愛さで

俺みたいな陰キャに微笑んで頂いてありがとうございます、としか言えなかった。

多分今日で相当な運を使ってるな俺。


「はじめまして、だと思う

俺は2人を生徒会選挙の時にみていたけど」


こないだの爆破騒動の真相なんかどうでもよくなるぐらいの破壊力を持った顔面が俺を見ているという事実に今更緊張したが、雑談で間を持たせれるほど会話力も俺には持ち合わせていないので早速本題に入ることにした。


「それでさ、こないだの騒動の続きを聞かせてもらってもいい?」


「勿論です!

えっと、そもそも質問なんですけど

柊君はあの日はどうして生徒会室に来られたのですか?」



今度は西條さんが俺に話しかけてくる。

今気が付いたが、西條さんは基本的に会話はすべて敬語らしい。真面目な性格なのだろう。

同級生だし俺は別にタメだから敬語の必要もない気もしたがまあいいか


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