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ハイスクールコンプレックス  作者: 折原
前哨戦篇
32/82

もう絶対負けたくありませんから!

「何やら色々と細かいルールがあるみたいなんだな。

この基礎点ていうのはなんなんだ?」


「五校祭は生徒会役員が異能力でぶつかり合う代表戦と全員参加の総力戦の二つの戦いがあるの。

総力戦ていうのは要は学祭と体育祭を混ぜた学校対抗戦て感じね。

部活動の対抗試合とか去年もしていたでしょ?

基礎点はこの総力戦の時に初めからいくらかポイントを手に入れた状態で下駄を履かせてもらえるという意味なのでしょうね」


「へー

なるほどね

五校祭で有利になるから、前哨戦ってわけか」


「宝・・・の、中身は見つけるまでの秘密みたいですね、何なんでしょう」


「んー、それは先生たちにも隠してるみたい。

異能力に関係した何かではあるんでしょうけどね

専用の強力なデバイスなのでは?なんて言われてるみたいだけど」


見つけた人のお楽しみ、てことね

異能に関係するんなら俺には関係ないか・・・

言ってて悲しいが


「にしてもこの紙、生徒全員に異能力がある前提の書き振りだけど

E判定はどうしたらいいんだろうね」


そしてこれを読んだときに感じた最大の懸念材料はこれだった。

E判定である一般人の俺にとっては異能力者同士の戦闘なんて別に興味ないし

今回も蚊帳の外になってしまうのだろうか?


「宝探しで使うタブレットの地図はクラウド上で同期させることが可能らしいから

異能力を持った人に他校の異能力者を倒してもらって地図を更新してもらい実際の宝探しはE判定に頼むていうやり方ができるみたい。

学校としての勝利を考えるのなら分散して探すのが一番でしょ

だからクラスごとに地区を分けて、異能力者には戦闘を頑張ってもらって、E判定の人には捜索部隊として宝探しを頑張ってもらう作戦とかいいかなと今は考えているわ。」



「ふーん、なるほどね

流石に蚊帳の外でわけでもないのか

一応、ゲームには参加させてもらえるのね」


「とはいえ、やっぱりメインは異能力を持った人たちの戦闘みたいだけどね

宝探しというフォーマットにすることでラボもE判定の人も参加はできる設計にしたのでしょうね」


「まあ確かに、この内容を見る限りそっちメインなんだろうな

てなると、強力な異能を持っている人に頑張ってもらわないといけなさそうだな」


異能力者が多くを占める五校とはいえど

当然、御天が地元でない人や俺のように異能が発現しない人もいるし

一定の割合でバニラと呼ばれるE判定の無能力者は存在する。

とりあえず完全に蚊帳の外に置かれそうにないのは安心した。


「そう、だからうちの高校(青月)の中でも強力な異能を持っている人は・・・

ね、千織?」


「ですね!

想!というわけなので私はしばらく放課後此処に来れないです!」


「え?どういうことだ?」


元気よく片手を挙げながら俺にアピールしてくる西條。

一体、なんなんだろ。


「ラボに実は異能力を強化できる施設があるんです。

それで今日からうちの学校(青月)で前哨戦で主力になりそうな生徒はラボで鍛えることになったんです!!!」


「なるほど、そういうこと

それで西條も学校終わりはその施設に行くことになったと」


「流石!察しがいいですね」


「千織はこの学校のエースだからね、強くなってもらいし」


「勿論です!

黄輝や紅陽の会長にはもう絶対負けたくありませんから!

柊!あたしは放課後に勉強はもう見れませんけどちゃんと勉強してくださいね!

紗希は忙しいので柊の勉強は見れないと思いますけどしっかり勉強するんですよ!

あたしも強くなって帰ってくるので!」


ということはつまり暫く雪峰と二人きりになるってことか。

西條と雪峰は俺の見る限り基本的に二人行動していたから、ここ一か月そこそこで雪峰と二人きりになったことはほとんどなかったように思う。


「いつからラボでトレーニングする予定なんだ?」


「いや、それがラボの職員の方も私がやる気なったことですっかりその気になってしまって・・・

今日から早速行くことになったんですね・・・」


「今日から?そりゃまた急だな」


「ですよね、あたしもそう思うんですけど・・・

異能のデータが取れる機会てそう多くないのでラボとしてもできる限り研究のためにサポートしたいって言われてしまって」


「そっか

まあ、無理はするなよ

西條はオーバーワーク気味のところがあるから」


西條は土日は休み返上で休憩なしに勉強や異能トレーニングをこなし、そのうえで俺にまで勉強を教えようとしてくるような奴だ。


確かにA判定の人外たちには実力的にまだ及ばないようだがその努力量をみれば今の時点でも十分頑張っていることは仲良くなって日の浅い俺でもよくわかっていた。


「お気遣いいただきありがとうございます!でも、あたしがしたくてやってるだけなので大丈夫です!

強くなって帰ってくるので楽しみにしててください!」


こんな細身の身体のどこにそんなエネルギーがあるんだろ

バイタリティが俺と違いすぎる。

体格や基礎体力は異能を発現していない時は俺のほうがはるかに上のはずなんだが、この差って何なんだろ。

こういうのを精神力の違いっていうんだろうか


そんなこんなで西條が本当に生徒会室から出ていってしまったので

気が付けば俺は雪峰と二人きりで生徒会室に残っていた。

なんとなく二人きりという機会があまりないから緊張程でもないけどふわふわした感覚になってしまった。


雪峰と二人きりになるのは本当に珍しい。

西條と雪峰は一心同体並みに大概ずっと一緒にいるからな。


「雪峰も今後はラボにいくのか?

それか準備とかでどっかいったりとか?」


雪峰は自分から積極的に話すタイプではなかったから

なんとなく俺から話を振ってみることにした。

雪峰なら西條のように「勉強!今すぐ勉強!兎に角勉強!なんでもいいから勉強!」とかいうタイプでもないしな。

それにこんな2人で話せる機会自体、これから雪峰も忙しくなりそうだからそうそうなさそうだからいい機会だと思った。

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