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ハイスクールコンプレックス  作者: 折原
異能力者狩篇
21/82

次俺に近づいたら感電死するぜ


「なら!これならどうです!」


西條はシールドに右手をぶつけた反動を利用して今度は左回し蹴りを繰り出す。

しかし、西條の異能を理解したのか今度はデバイスを解除し。ギリギリで陸斗が躱した。

そのまま後ろに引き下がり片膝をつく。

西條のやつ、雪峰の血を吸ってからは動きが見違えるほどに変わったな。

これがB判定の異能力の力か。

B判定でも十分人間やめてるな。


「へー、身体強化系の異能てわけね」


後ろにジャンプして回避した陸斗が立ち上がる。

右手に視線を落とした後に前に突き出した。

付きだした右腕の二の腕あたりからゆっくりと青白い電気が発生し徐々に手の甲に集約されていった。


「おら!」


陸斗が人差し指を西條へ向けるとその瞬間に発生した青白い電気が人差し指を通って西條めがけて発射された。

電撃は疾走する狼のように西條へ駆けていったがすでにそこに西條はいない。


また、高速移動して回避したからだ。


陸斗は何度も西条めがけて電撃を放つがどれもワンテンポ遅れてしまっていた。


「こざかしいな」


「この程度の速さなら私には当たらないですよ!」


陸斗の連続攻撃もかなりの迫力があるが如何せん西條のスピードが早すぎる。

完全に電撃は後手後手になっていた。

電撃を躱し切った西條は右足で大きく踏み込むと再び陸斗の元へ突進する。


「もう一度こっちの番です!!」


そのまままた顔面を殴るのかと思ったが今回はフェイクだったらしい。

正面まで急接近したのちに急旋回、今度は陸斗の後ろに周り込んだ。


陸斗もフェイクにかかったのか急いで振り返り躱そうとするが間に合わない。

避けるのを諦めた陸斗は再びシールド型のデバイスを再び展開し後方からの攻撃に備えた。

再び西條の拳がシールドを叩く。


「・・・強いな」


「今回は全力で殴らせていただきましたからね」


勢いをつけた西條の100%のパンチは再びシールドに陸斗に攻撃は届かなかったが

今度はシールドにヒビが入っている。とんでもない怪力だ。

しかし西條の攻撃はこれで終わらなかった。


「今度はこれもです!!!」


右手はシールドに弾かれたが、もう一方左手には剣型デバイスの柄。

素早く異能を流し込んだ西條は、日本刀のような細長く青白い剣を作り出す。

逆手に持ちかえると自分の体重を乗せて勢いよくそのままヒビの入ったシールドにデバイスを突き刺した。


パリンッ!


窓ガラスが割れるような音がして、薄黄色のシールドが粉々に割れてしまった。


「・・・っ」


シールドがもう持たないと判断した陸斗は再び後方へ飛びずさり回避を試みたが今回は西條の攻撃が寸前で届いたらしい。


「シールド型デバイスの強度はショットガンで打たれてもびくともしないレベル、なんて話を以前聞いたことがあったが・・・案外脆いもんだな」


シールドを突き破った剣は陸斗の頬を掠め、陸斗の左頬からは僅かに血が流れていた。

白い陸斗の肌に鮮やかな赤がよく映えてる、なんてつい無意識に思ってしまった。


「どうですか!このまま続けたら貴方に大怪我をさせるかもしれません!

辞めるのなら今のうちですよ!」



「ははは、おもしれえじゃん

前言撤回だ、雑魚は言い過ぎだったな。

今まで何人ものB判定異能力者を狩ってきたけどな、俺にケガを負わせたのはお前が初めてだぜ、副会長

だがなぁ、もう十分だ」


「どういう意味ですか?」


「対策が分かった」


次の瞬間、先ほどの陸斗の攻撃から2回り大きな電撃の爆発が西條を襲う、それでもやはり西條の反応速度が上回り飛びずさって回避する。

陸斗は右手の甲で血をぬぐいながら、左手の周りに集約されていく電気を見つめていた。


「馬鹿力と瞬発力がお前の異能の特徴なんだろ?

なら初めから俺に近づけないようにしてしまえばいい」


左手を振り下ろすと集約させた電気は左手を離れ

陸斗の周辺の地面で円を描くように電気が音を立てながら光りだした。

バチバチと光る電気があちこちに飛び火しているのが此処からでも見えた。


「次俺に近づいたら感電死するぜ」


「一体、何をしたんですか!?」


「俺の体に大量の負電荷を溜め込んだ

そうだな・・・恐らく半径1メートル以内に近寄れば自動的に放電されて電撃がお前のところへ飛ぶ

要はお前に雷が落ちるのと似た現象が起るわけだ」


「じゃあ、近づけないってことですか・・・?」


「そうだな、まあせいぜい距離を取って俺に攻撃でもすればいいさ

そもそもそのコスプレみたいな見た目もあまり好きではないしちょうどいい。

今度はこっちから行くぜ」


陸斗が自分の左手を見つめる。その手にはいつの間にか銃型のデバイスがあった。

銃口を西條のほうへ向けると何の前触れもなく発砲した。


「・・・っく」


一瞬で軌道を読んだ西條は持ち前の瞬発力で攻撃を躱した。しかし、攻撃は一発では終わらない。


パン!パン!パン!


続けて連射、とっさの判断ですべて西條は避けているが、先ほどとは一転して今度は西條が防戦一方になってしまった。

黄色い弾丸を避けるのに手いっぱいでそもそも近づくことさえできない。


「この銃は異能の力そのものを弾として使っている。だから、異能がなくなるまで弾切れの心配もないぞ」


リロードすることなく陸斗は攻撃を続ける。このままでは埒があきそうになかった。


西條も遠距離攻撃できるデバイスでも持ち合わせていれば反撃のチャンスがあったのかもしれないが持っているデバイスはあの剣型デバイスのみのようだった。

近寄って近距離攻撃を主とする西條の異能は陸斗の異能とは相性最悪だな。


にしてもこんな化け物どうやって倒すんだ

あいにく俺も遠距離型の武器デバイスは持ち合わせていないしこんなところで催涙スプレーや防犯ブザーを使ってもほぼ意味はないだろう。

西條を助けたいのはやまやまだがこんな人間を辞めた人外を倒す方法なんてまったく思いつかねーぞ

一旦逃げて警察でも呼べばいいのか?


「雪峰」


分析しようにもこのままでは情報が少なすぎる。まずは足元の情報を集めなければ。

微力でも力になれることはないか考えた俺は、今日はここまで影の薄かった雪峰に話しかけた。


「ん、どうしたの」


「今更なんだが、西條の異能って一体何なんだ」


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