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ハイスクールコンプレックス  作者: 折原
異能力者狩篇
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陰キャぼっちの俺とは情報網の範囲が違うな

そういえばここ1か月強一緒にいて雑談していく中で気づいたことだが、どうやら西條は恋愛とか男女関係に関する話題に著しく弱いらしい。

普段は強気なのにそういう話題をふられると途端にしおらしいリアクションをとることについては素直にかわいいと思う。

清楚で純情可憐なところも小さい子みたいだ。


「いや、何でそうなんだよ

異能力の詳細を聞いて変態扱いとか意味が分からないだろ」


「千織の異能の話はついてはいずれまたしましょ」


雪峰に間に入られてしまい西條の異能については気になったが強引に押し切られてしまった。


どうして西條の異能の詳細を聞くと変態扱いされてしまうのかは気になったが

まあこのままずっと一緒にいればいずれ近いうちに分かるか。


「とにかく!

いずれにせよこれから柊君には私と紗希がみっちり勉強を教えますから覚悟していてくださいね!」


「いや、それは・・・正直しんどい」


「そうね、私もこの学校に待望のA判定異能力者が出ることを心待ちにしてるわ」


「他人事か、おい」


「全然よ

青月高校が五校祭で勝つうえでも強い異能力者がたくさんいることに越したことはないしね

うちの学校にはまだA判定はいないわけだし

あ、あと勉強に千織に任せておけば間違いはないわ

ちょっとスパルタなところはあるけど成績は確実に上がるはずよ」


「いや、成績は上がるのかもしれないけどスパルタはちょっと・・・」


勉強することに対してそこまで熱意や情熱はないんだよなあ

勉強して一体どんな得があるのか俺にはさっぱりわからんし

多分人生で本気で勉強したのは青月高校の入試直前数か月だけだと思う。

そもそもそんな意欲ある人間ならもとからこんな成績とってねーだろ


「柊!本気で紗希を助けたいのならそんな甘えたこといわないでください!

ほら早速勉強しますよ!」


言いながら西條はなぜか満面の笑顔で教科書とノートを広げてくる。

ホント勘弁して。

ってか絶対楽しんでるだろ西條のやつ。


「頼もしいわね千織は・・・

柊も今のうちに強い異能力に目覚めたほうがいいかもしれないわよ

ここ最近は御天も異能絡みで物騒になってるみたいだし

異能力者が襲われる異能力者狩りが問題になってるの」


「「異能力者狩り?」」


異能力者狩り、なんて穏やかでないワードに思わず反応してしまったが西條も同じだったようだ。俺に勉強させようとしてくる態度から一変し興味の対象がそっちへ移ったのか顔が雪峰の方へ向いてしまっている。


「まだプレスには出ていない話なのだけどね、最近密かな懸案事項になっているみたい」


「ならどこで知ったんだ?その情報」


「これでも、一応生徒会長だからね

それに家でも関係した話は聞いているから」


「さすが、陰キャぼっちの俺とは情報網の範囲が違うな」


青月の生徒会長でしかも有力家のお嬢様ともなればそりゃ俺みたいな庶民が知らない情報なんていくらでも入ってくるか

改めて考えるとそんなこと火を見るより明らかだよな。


「茶化さないで

ただ、誰彼構わず襲われるわけではなくて

クローサーを手首や首に着けて、自分はB判定ですってなんて見せびらかしてたら狩られるらしいの」


「B判定より下は狩られないのか?」


「みたいね

いままで被害にあっているのはみんなB判定だけだわ」


「なんだ、じゃあ俺には何の関係もない話だな」


EからC判定は狩るまでもないてことかね

嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになるわ


「今のところは、ってだけなのだから今後どうなるかはわからないわよ

それこそE判定が餌食になる事案が今後起こらないとも限らないし」


「てかそもそも野良で異能力者同士で戦ってていいものなのか」


街中で異能を使うのは厳禁だと高木先生は、口を酸っぱく言い続けているような気がするが・・・

何度も言うが俺には関係ないんだよなあ


「いや、だめに決まってますよ」


「学校にバレたら即処分ね

相手に怪我でもさせようものなら責任のとりようがないしね

軽微な異能は兎も角、基本的に異能は大勢の大人の目がある場所でしか使えない

そもそもそういういざこざを減らすためにクローサーがあるのだしね」


B判定以上の強い異能を持つ存在にはその力をセーブするためにクローサーを身に着けることが義務付けられてる。

おそらくこれも異能力者同士のいざこざを少しでも減らすための措置なのだろう。


「じゃあ異能力者狩りなんて事態起こりえないだろ

犯人が学校にチクられたら終わりなわけだし」


「でも実際被害者はいるの

しかも、今のところはまだ犯人は捕まっていないみたいだし

顔もマスクをしていて、しかも私服を着ているらしく特定も難しいとか」


「なんかこのご時世監視カメラとかもあるわけだし

警察がその気になったら見つけ出せそうな気もするけど・・・

それとも、また大人の事情で放置してるんかね

異能力者同士の衝突をラボが歓迎しているように」



殺人事件も防犯カメラで手がかり掴んで逮捕しているような

情報化社会で情報収集が簡単になったこのご時世で、警察が本気で探して見つからないなんてことなかなかなさそうだなと直感的に思ったが現実は違うのだろうか。

生徒会室を燃やした則武文になんの処分もくだらなかったように捕まらないのには何か別の要因があるのではないかと思わず深読みしたくなる。



「どうなんでしょうね

異能に関する国のスタンスがなんなのか噂でしかわからないから真意が掴みきれないところはあるのよね」


「そいつの異能もわからないのか」


「みたいね

何人か病院送りになっているし、うちの学校の生徒も犠牲になっているから、少なくとも事実として異能力者狩りがあるのは間違いないみたい

ただ、被害者に話を聞いても犯人の異能が圧倒的過ぎて異能の特定すらできていないみたいだけど」


B判定に圧倒的な力を見せれる異能力者か

てことは犯人もA~B判定ってことか?

それなら犯人にもある程度あたりがつけられそうなもんだが


「そもそも狩るっていうのは具体的に何するんだ、頭からバリバリ食べるのか」


「ふふ、まさか

聞くところによるとその異能力者との戦闘に負けちゃうと、クローサーを改造されて、異能の出力を強制的にかなり下げられるらしいわ」


「ああ、じゃあ狩るって言っても金奪ったりとかではないわけか」


「そうね、あくまで被害はクローサーの改造のみらしいわ

だから大きな被害があったわけでもないしそれで警察も本気で取り合っていないみたいで」


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