一話、入学!聖マギアナ学園
プロローグから10年後の世界です、どうぞ至らぬところもありますが読んでいってください。
その日は、春の穏やかな日だった・・・。
「はぁ~。」
大きな正門を前にして大きくあくびをした生徒が居る、その生徒は真新しい制服を着ていて長身で真っ黒な黒髪で顔立ちは少年と青年の中間といった感じだ。
彼は如月 怜斗、ここ聖マギアナ学園魔導科に入学する新一年生だ。
「すまない、待たせたな怜斗。」
そう叫び怜斗に駆け寄って来た怜斗よりも背が低くメガネを掛けた見るからに少年と言った顔立ちの彼は、東堂 虎だ。
「やっと来たか、トラ。待ちくたびれたぞ。」
「すまない、奴をまくのに手まっどた。」
「あまり無視してやるなよ。」
そんなたわいない話をして二人は正門をくぐり、入学式会場の体育館へ向かった。
―体育館―
入学式の席順は三つのグループに分けられていた、一つは主に学問を重視した普通科、二つ目は魔法を使用して新たな技術発展を志す魔導技術科、三つ目は魔法による戦闘訓練を重視している魔導科だ、魔導科と魔導技術科は最低二年間の学習することにより魔法使用許可証を交付される、ちなみに怜斗とトラは魔導科に所属している。
「・・・これからの主君らの活躍を期待している。」
校長の長ったらしい話が終わり、式のすべてが終わり各自は自身の教室へむかった。
―魔導科A組教室―
魔術師には大きく分けて二種類ある、一つは魔法を使用して新しい技術を開発させる魔工技師と、魔導犯罪者を取り締まる抗魔官だ、この二つを比べてどちらが多いかと聞かれると圧倒的に魔工技師が多い、理由は簡単だ、誰だって前線に立って戦うのは怖いからだ。
ふと怜斗がそんなことを考えていると、教卓の前に黒いスーツを着て凛とした顔立ちの教師が立っていた、銀のフチなしメガネをしていてそれがさらに大人らしく見せていた。
「これからこのクラスの担任をする、三雲 春貴だ、よろしく頼む。」
怜斗達、魔導科の担任は大抵一級の魔術師だしかも大抵緊急時に対処できるように手練れが配属される、つまりこの三雲先生もかなりの手練れということになる。
「それじゃ手短に終わらすぞ、この魔導科に来たからには実戦訓練がメインになる、早速明日から実戦訓練だ、このA組は全員固有魔装持ちだ、全員今日は英気を養えよ、詳しい話は明日行う、では今日は解散だ。」
そう言い三雲は教室から出て行った。
「ふぅー。」
怜斗が肩の力を抜いているとトラが話しかけていた。
「明日から早速だな。」
トラは微妙に笑い名がメガネを掛けなおした。
「そうだな。」
トラの言葉にそっけない態度で返したが、怜斗も表情には出ていないが内心ではうずうずしていた。
「今からでも特訓しに行くか。」
トラが怜斗に言うとその瞬間教室のドアが思いっきり開いた、そこには背がトラよりも低く小柄で茶髪ショートヘアの少女が立っていた。
その少女は息を切らしながら怜斗達の所へ歩み寄ってくる、そしてトラの顔から笑みが消えて怜斗は呆れたように肩の力を抜いた。
「トーラァァァァァ。」
少女は思いっきりトラの胸倉を掴んだ。
「な、なんだ綾香。」
少女の名前は茨崎 綾香、背は小柄で小学生と間違えてもおかしくないレベルで茶髪のショートヘアにしかも童顔といういかにも小学生だが歳は怜斗やトラと同じく15歳で二人の幼馴染みだ、しかも魔導技術科に入学した魔術師候補生だ。
「なんだじゃないわよ、朝迎えに行ったらもう家にいなくて、駅前に先回りしてももう電車に乗っててさ、私だってトラと初日に登校したかったんだからね。」
綾香の止まる事を知らない説教?は昔からの事だ、それ故に怜斗も慣れていたので怜斗は席を立ちドアへと歩き出した。
「怜斗、綾香を止めるのを手伝ってくれ。」
しかし、怜斗は右腕を上げて振り返らずに手を振って教室から出て行った。
教室の周りは多数の野次馬が群がっており、背中からはまだ綾香の声が響いていた。
―学内第一中庭―
この聖マギアナ学園は校舎が連立して並んでいるため第一から第三までの中庭が存在し、さらに各中庭には大きな木が立っておりその根元にはいくつかのベンチが存在している。
怜斗はその根元のベンチに座っていた、何かを深く考え込むように目をつむり肩の力を向くと共に溜め息をついた。
「あいつは元気にやってるかな。」
怜斗はまた目をつむり、そして深い眠りについた。
約一時間程で目が覚めた、空はまだまだ青く太陽もまだ高くに有り、携帯にもなる学生証で時間を確認し、時刻は午後の2時を切って居た。
「もうこんな時間か。」
怜斗は学生証から目を離し、前を見ると綾香と同じくらいかそれよりも小柄な少女が前を歩いていた。
少女は銀色の綺麗な長髪に可愛らしい丸帽子にマントの様な何かを羽織っていて、自分の顔よりも高く段ボールを積み上げそれを運んでいた。
「危ないな…。」
少女は高く積んだ段ボールのせいで前が見えなく、ふらふらと歩いていた。
少女は前方にあるゴミ箱にぶつかり盛大に転んだ。
「あ、転んだ…。」
怜斗はそう呟き、少女の元へ歩みより、手を差し伸べて言った。
「大丈夫か?」
少女は怜斗の手を取りニッコリと笑った。
まず、読んでいただきありがとうございます、今回から物語の本編に入っていきます、まだメインヒロインとして考えている美少女の名前を出していませんがそれは次回のお楽しみで。
まだまだ初心者なので変なところや改善したほうがいいところはコメントください。
今後ともよろしくお願いいたします。
※作中の建物は私の考えた物でもしもた作品に登場していても何のかかわりもありません。
※2018/06/12文の書き方を変更