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もぐらの逆襲  作者: oga
もぐら編
8/24

採掘作業

 壁の補強されていない地帯まで戻って来ると、二人は採掘作業を開始した。

ザクザクと穴を掘り進める。

もぐらには宿代すら無いため、ここでお宝を掘り当てる以外にない。


「……あっ、何か出てきた!」


 土の中から現れたのは、女性物のバッグ。


「どこのブランドぜよ?」


 弁蔵が土を払いのけると、Vの字が見て取れた。


(まさか、ヴィトン!?)


「ヴィ…… ヴィヴィッドのバッグっす」


「……」


 



 ぱちもんのバッグに気落ちせず、更に掘り続ける。

泥まみれになり、体力が底を尽きるまで作業を行い、数種類のアイテムを回収することが出来た。


 ヴィヴィッドのバッグ、豚の貯金箱(中に5万入っていたが、人間の紙幣のため使用不可)、たこ焼き器、である。


(豚の貯金箱はある意味惜しいぜよ)


「このバッグは売れないと思いますから、たこ焼き器を使うしか無いっすね」


 幹線トンネルなら、いくらでも客はいる。

小麦粉も近くのコンビニに売っているため、後はタコさえ用意すればいい。


「タコか……」


 ふと、横を見る。

採掘作業で、時刻は深夜になってしまったが、正月明けでトンネルは混雑している。

その中に、タコも紛れていた。


(……あれを、捕まえるぜよ)


 もぐらは、弁蔵に300モグーを渡し、小麦粉を買ってくるよう命じた。


「俺がタコを捕まえるから、小麦粉は任せたぜよ」


「大丈夫っすか?」


「いいから、早く買ってくるぜよ」

 

 ここでタコを仕留めれば、名誉挽回である。

しかし、迂闊に攻撃すれば、墨によるカウンターでこちらがやられかねない。

もぐらは、渋滞で身動きの取れないタコに近づくと、爪を構えた。


「北辰一刀流、風属性、トルネイド!」


 爪を頭上に構え、回転する。


「……おわっ!?」


 激しい回転により、その場に渦が発生。

タコはそれに飲み込まれた。


「一丁上がりぜよ」


 渦が消え、眼を回したタコは、為す術もなくもぐらに捕獲された。







 たこ焼きは飛ぶように売れ、売り上げは10万モグーに達した。


「渋滞で混雑してるのが、逆に良かったっすね」


 小腹を空かし、たこ焼き食べたいなー、と思っている所に、丁度それがある。

需要と供給が一致した瞬間と言えよう。

検問に向かい、4万モグーを支払うと、2人は大分へと足を踏み入れた。




たこ焼き器の電源はアンコウです

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