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もぐらの逆襲  作者: oga
もぐら編
7/24

検問

 食欲のない今の状態で、目の前のカツカレーを胃袋に収める自信は、もぐらには無い。


「弁蔵、いくら受験生だからって……」


「違うっす。 アニキ、今日カメに負けて落ち込んでたから」


 カツカレーは、弁蔵の気遣いであった。

落ち込んでいた理由は、カメに負けたことより、弁蔵に後れを取ったことにあったが、それでも、この後輩のことが、少しかわいく思えた。


(……全く、ズレたやつぜよ)

 

 もぐらは、スプーンを取ると、カレーを一口食べた。


「……どうっすか?」


「うめぇぜよ」


 カツカレーを平らげると、二人は眠りについた。





 

 翌日、再び九州を目指し、日が暮れた頃、九州の入り口である大分の検問までやって来た。

門の前に小屋があり、部外者は通行料を払うことで中に入れる。

列に並んで待っていると、もぐらの番が来た。


「出身を言え」


 強面のもぐらの検問官に問われ、答える。


「出身は東京ぜよ」


「何が、東京ぜよ、だ。 四国の者の通行料は2倍だ。 4万モグー払ってから中に入れ」


(……やっぱり、そう来たぜよ)


 もぐらの手持ちは300モグー。

嫌がらせ以前に、そもそも足りない。







 一旦列から離れ、弁蔵と話し合う。


「九州も四国も、お互い仲悪いっすからね」


「何かしらの嫌がらせをしてくるとは思ったが、仕方ない。 金を稼ぐぜよ」


 通りがかった店でバイト募集してたかな、ともぐらが考えていると、弁蔵が声を張り上げた。


「見えたっ!」


「……何か閃いたのか?」


「ここから離れて、壁を掘りましょう」 


(壁を掘る? やっぱり、検問を迂回するルート を掘り進める気か?)


 弁蔵が続けて説明する。


「ここら辺には、ある物が埋まっているはずっす」


 天然のダイヤモンドかな? と考えていると、弁蔵が答えた。


「違うっすよ。 ここら辺は、昔ゴミの集積場だったんす」


「まだ何も言ってねーぜよ!」


 今は禁止されているが、この海にゴミを投げ捨てる業者が多数存在していた。

掘り進めれば、そういったゴミが土の中から出てくる。


「そういうことか。 とりあえず、掘り進めてみるぜよ」

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