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もぐらの逆襲  作者: oga
もぐら編
6/24

ホテルにて

「狭い部屋ぜよ……」


 部屋の広さは6畳。

床は畳で、備え付けのベッドがあるが、そのせいで部屋が余計狭く感じた。


「部屋が空いてただけでも、良しとするっす」


(……実際、俺の部屋もこのくらいだけどな)

 

 弁蔵は最寄りのコンビニへ買い出しに行き、その間にもぐらはシャワーを浴びることにした。






 蛍光灯の切れかかった、古ぼけた通路を真っ直ぐ進むと、シャワー室を発見。

しかし、扉の奧から水の音と鼻歌が聞こえてくる。


(なんぜよ、使用中か)


 シャワーはホテルに一つしか無く、ここから離れたら他の者に使われてしまう恐れがある。

もぐらは、先客の鼻歌を聞きながら、待つこととなった。

そして、シャワーから男が出てきた。


(……!)


「待ってた奴がおったか! ここのシャワーにはあまり期待しない方がいいぜよ」


 がっはっは、と豪快に笑い、男は去って行った。





 

 シャワーの蛇口は、いくら捻っても、チョロチョロとしか水が出ない。

少ない水を使い、石鹸を体に馴染ませ、泡立てる。


(まさか、あいつだったとは……)


 もぐらは、さっきの男を知っていた。

かつてもぐらは、東京のチバ先生という、北辰一刀流の剣の先生の元で修行をしていたが、その時の弟子の中に、さっきの男がいた。

弟子の数は、100以上だったが、その中でもずば抜けて強い男が二人。

一人は九州のサイゴウ。

そしてもう一人が、今の男、サカモトである。


(やっぱり、向こうは覚えてなかったぜよ……)







 部屋に戻ると、弁蔵が何やら準備を始めていた。


「あっ、アニキ。 今から、俺の得意料理を振る舞うっす!」


 受付から借りてきたコンロを使い、鍋で水を煮詰めている。


「……別に、弁当で良かったぜよ」


 さっきの件で、もぐらはかなり気落ちしていた。

その為、食欲も湧かなかった。


「まあまあ、待ってて下さいっす!」


 弁蔵は、フロントにあるレンジで、予め温めておいたさ〇うのご飯を紙の皿に乗せ、更にとんかつをその上に乗せた。


「コンビニの横に総菜屋があって良かったっす」


 鍋から銀色の袋を取り出すと、破いて中身をかけた。


「弁蔵特製、カツカレーっす!」


「……オエッ」

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