表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もぐらの逆襲  作者: oga
もぐら編
5/24

渋滞

「いい質問だ」


 ブリは弁蔵の問いかけに答えた。


「泳げば1日、歩けば2日、といった所だ。 他に質問は?」


「いいえ、十分っす!」


 親切なブリと別れ、そのまま直進すると、幹線トンネルと合流。

しかし、予想外に道が混み合っている。


「一体、どういうことぜよ?」


 この日は正月であり、通常、道が混み出すのは2日以降である。

すると、列に並んでいた2匹のカクレクマノミが毒づいた。


「ったく、せっかちなマグロの野郎が珊瑚礁に突っ込みやがって、こんな所で正月を過ごす羽目になるたーナァ」


「しかも、道が復旧するのは明日以降って話じゃねーか。 俺ら、泳がねーと酸素取り込めねーんですけど!?」


 この渋滞の正体は分かったが、別な意味でもぐらは驚いた。


(ガラの悪いカクレクマノミって、新鮮ぜよ)







 2匹のもぐらも一応列に加わるが、やはり一歩も進まない。


「……明日まで待つのもしんどいぜよ」


 3DS持って来ればよかったかなぁ~、などと考え始めた時だった。

チラ、と弁蔵の方を向くと、腕を組み、真剣に思考を巡らせているではないか。


「事故渋滞を抜けるには…… ブツブツ」


(や、やべーぜよ……)


 何か手はないか? しかし、先に案を閃いたのは弁蔵の方だった。


「アニキ、新しいトンネルを掘って、事故渋滞を抜けましょう」


「あー、それな! 今、丁度思ったとこぜよ」


 食い気味で返答するもぐら。

実際は何も閃いていなかったが、横穴を開けて事故渋滞を抜ける案が採用されることとなった。







 四国から九州へのトンネルは、ほぼ直線であり、幸い、事故渋滞は遠目から確認できる位置にあった。

更に、トンネルを掘るのはもぐらの得意としている分野である。

硬い横穴さえ開いてしまえば、後は簡単だった。

事故渋滞を抜けた先はスムーズで、ブリの言った通り、2日もあれば、九州へと上陸することができる。


「今日はここで止まって、明日、九州に上陸するぜよ」


「了解っす」


 もぐらは、道中にある簡易ホテルへと足を踏み入れた。




 






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ