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もぐらの逆襲  作者: oga
もぐら編
4/24

通過

 もぐらたちは、岩陰に隠れ、どうするかを話し合った。

正面から突破するにしても、爪では甲羅に対抗できない。

かと言って、新たに迂回ルートを掘るにしても、別な亀と遭遇したら意味が無い。


「八方塞がりぜよ……」


 すると、弁蔵がこんなことを口にした。


「……なら、僕が話、付けてきましょうか?」


「お前が?」


 自信は無いっすけど、とつぶやき、弁蔵は亀の元へと向かう。


(弁蔵のやつ、どうするつもりなんだ?)






「またお前かっ!」


 亀が弁蔵に気付き、いきり立ってきた。


「亀さん。 あなたはここが自分の縄張りとおっしゃっていますが、それなら証拠を見せて下さい」


「……証拠?」


「このトンネルは、我々もぐらが掘ったもの。 つまり、あなたがここを自分のものと言うのなら、国からこの土地を購入したのでしょう。 その際、土地の権利書を譲り受けているかと」


 とは言え、こんな通路のど真ん中を売りに出している訳がない。

また、トンネルそのものを購入する財力など、目の前の亀には無いだろう。


「あるんですか? 権利書」


「……ねーよ、バカヤローめっ!」


 亀は、ノソノソとその場から立ち去った。






(弁蔵にいいとこ取りされるとは、不覚ぜよ……)


 内心、失敗すればいいのに、と思っていたもぐらは、若干へこんだ。


「しかし、九州まで、一体どれくらいあるんすかね?」


 トンネルには、標識のようなものもない。

まだスタートしたばかりであったが、早くも不安が募る。


「……そこのアンコウに聞いてみるか」


「それなら、九州と四国間を常に行き来してる魚に聞くのがいいっすよ。 あそこのブリの方が、いいんじゃないっすか?」


 ブリは餌を求め、幅広い範囲を回遊している海水魚である。

丁度、一匹のブリがもぐらの頭上を泳いでいた為、話を聞くことにした。


「すんませーん、ここから九州まで、どれくらいっすか?」



 


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