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もぐらの逆襲  作者: oga
人間編
24/24

ラストモグラ

「くそっ…… 忌々しい人間にまでなったのに、この様か」


 タカスギは、ふらつきながらそう呟いた。


「……おめーのやり方は間違ってるぜよ」


「金を稼いで土地を買う。 それが正しいやり方だって?」


 もぐらは驚いた。

なぜ、自分たちの計画を知っているのか。

近江屋でサカモトが話していたのを聞かれていたのか? そんな風に思ったが、真相は違った。


「俺のオヤジも、人間になって土地を買うと息巻いていたよ」


「……!」


「年内には戻ると言って、オヤジは出て行った。 お袋と2人で、俺たちは寒い冬を越さなきゃならなくなった。 オヤジはいつまで経っても帰らず、ある日、お袋は嫌気が差して、別なオスのもぐらと駆け落ちして消えちまった」


 タカスギの口からは、これまでのことが語られた。

放浪し、流れ着いたのカツの所で、人間のことを学んだという。  


「働き方も、何もかもが違う人間社会に、もぐらは順応できねぇ。 誰かが戦って、土地を強奪するしかねぇんだ!」


「……」


 その話を聞き、もぐらは複雑な心境になった。

自分は人間界のテレビを見ていたから、少しは地上のことを知っていたが、そんなことをしているもぐらは少ない。


(……だからって、勝ち目の無い戦争なんかする意味ねぇぜよ)


 もぐらは、タカスギを組み伏せ、そのまま交番へと連行した。







「こっちは準備出来たぜ!」


 道路の真ん中に、案内人が購入した殺虫剤のスプレーとガスボンベが山積みにされている。

そこに、タカスギの乗っていたバイクのガソリンを上からかけていく。(灯油とかを抜く赤いポンプを使った)

 すると、上空を覆い尽くしていたイナゴの群れが、一斉にその場目がけて飛んできた。


「ギリギリまで引きつけるぜよ!」


 輪島は、ロケット花火を持って、イナゴが集中するのを待つ。

道路がイナゴで埋め尽くされると、ガソリンのまき散らされた床目がけ、ロケット花火を放った。

シューッ、と音を立て飛んでいく。

それが、床に命中すると、火が燃え広がり、ガスボンベに点火した。







「くっ……」


 もぐらの耳の奧から、キーン、という耳鳴りが聞こえる。


(爆音で耳が……)


 周りにはイナゴの燃えかすが大量に転がっていた。


(……イナゴは全滅できたか?)


 地響きに気付いた人たちが、店の外に出てくる。

徐々に、音も聞こえるようになってきた。


「あーあ、下界エデンに穴を開けちゃったじゃない」


「……どうやら、内側と外側から、同時に強力な衝撃が加わったようだ」


 誰かが、喋っている。

突然、煙の向こうから男女が二人、現れた。


「……ま、マナカ!?」


 現れた女子の方は、ラブ〇ラスに出てくる、マナカそっくりの容姿をしていた。


「エデンの人間だ」


「あ、初めまして。 私ら、神界イメージアっていう世界の住人なの。 てか、この穴どうしよ」


「な、何者ぜよ! えでんとか、いめーじあとか……」 


 眼鏡をかけた、コスプレ衣装みたいなのを着た男が喋る。


「エデンで作られた想像物が生活しているのが、イメージアと呼ばれる俺たちの世界だ」


 確かに、この男もどこかのゲームか漫画で見たことのある顔をしていた。


「……そんな世界があるのか」


 もぐらは、閃いた。


「だったら、穴はこのままにしといてくれぜよ」


「……えっ。 魔物とか、こっち来ちゃうよ?」


「俺たちが移住したら、ふさいでくれればいいぜよ」


 もぐらは、イメージアに自分たちの居場所を見いだした。

そして、新たな野望がもぐらの中で芽生える。


(リアルで、マナカと付き合うチャンスぜよ!)






おわり




 







終わりました!

ダメだし、感想、あればよろしくです!

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