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もぐらの逆襲  作者: oga
人間編
20/24

仕事

「あー、もぐらに戻りてぇー」


 もぐらは、部屋の真ん中で布団を羽織って寝転んでいた。


「おい、あんま引っ張るんじゃねぇ。 さみーだろ」


 輪島が反対側から布団を引っ張る。

上半身が布団からはみ出て、寒い。


「何でこんな寒いぜよ。 ってか、就職先が決まらないと、ここも追い出されるぜよ」


 もぐらは、何度か企業の面接を受けたが、どれも惨敗であった。

 その日は、とあるリフォーム会社の面接にやって来ていた。






「土竜コゴローさん、どうぞ」


 扉の向こうから声がし、もぐらは立ち上がった。

中に入り、どかり、と椅子に腰掛ける。

面接官の顔が一瞬引きつったが、そのまま質問に入った。


「土竜さんがわが社で生かせると思う、強みはなんですか?」


「穴掘り、剣術ぜよ」


「穴掘り、というと、今まで土木工事に携わっていて、力仕事なら任せろと、そういうことですか?」


「……ちょっと見せるぜよ」


 もぐらは、用意していた木刀を手に取った。







 10社面接に行き、まともに返事をくれる会社は0。


「何がダメか分からんぜよ……」


「いやいや、おめぇ、しゃべり方もアレだし、求められてねぇ剣術披露したらもっとダメだろ」


 それでも、もぐらにはさっぱり分からない、という表情であった。


「とにかく、ダメならホームレスの求人に頼るしかねぇな」


 輪島は立ち上がると、身支度を始めた。


(ホームレスの求人?)


 




 公園にやってくると、10人そこそこのホームレスが集まっていた。

ベンチに腰掛けていた男が、そろそろ始めるか、とつぶやくと、手にしていた紙ペラを読み上げる。


「原子力発電所の瓦礫撤去、日当2万円、5名募集」


 6人のホームレスが挙手し、ジャンケンで5人を選抜した。


(そういうことか…… 一般人のできない、危険な仕事がホームレスの求人ぜよ)


 この後、街に降りてきたイノシシの討伐(3名)、未承認薬の人体実験(2名)、の仕事が紹介された。

残りはもぐらと輪島の2人だけである。


「残りの求人は、イナゴの除去だ」


「……イナゴ?」




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