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もぐらの逆襲  作者: oga
人間編
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17/24

トラブル

もぐらは、豚の貯金箱から4万を抜き取り、ホームレスに渡した。


「警備を引きつける役目、任せたぜよ」


「おう! クロスワードパズルが解けねぇとか言って、適当に俺の相手してもらうからよ」


 店の閉まる9時きっかりに、一分程度相手をカメラから引き剥がせば良い。

自信満々に、ホームレスは警備室の方へと歩いて行った。

 一方、輪島ともぐらは店の中に入り、地下の食品売り場へと向かう。

閉店間際のため、客はほとんどいない。

変わりに、蛍の光のBGMが流れている。


「……この床面だ」


 ブルーのテントから持ってきた吸盤を2枚準備し、腕時計でカウントを始める。


「8、7、6……」


 腕時計の秒針が、円形の頂点を差した瞬間、2人は行動を開始した。

吸盤を床面に貼り、そこに取り付けてある取っ手を掴む。

床面をはぐると、穴から梯子が伸びていた。


「暗いから気を付けろよ」


「了解ぜよ」


 2人は、立て掛けてあるだけの梯子を慎重に下り、地面に降り立った。


(思ったより、浅いぜよ)


 すぐ降りた所に、ロッカーが置かれており、輪島はその中から、マスク、ツルハシ、ヘッドライトを取り出した。


「土を外にかき出せねーから、マスクがないとむせ込んで仕事にならねぇ」


 マスクを装着し、ヘッドライトを点けて中を進む。

灯りで照らすと、埃の粒子が舞うのが分かる。

輪島の言うとおり、環境は良くない。

 ゴツゴツとした岩を避けながら、しばらく進むと行き止まりに到着した。


「こっからだ」


 輪島はツルハシを掲げると、壁を叩き始めた。

ボロボロと細かい石が落ちると、もぐらが拾って後ろへと投げる。

輪島が疲れたら、今度はもぐらが壁を削っていく。

2人は、この作業を根気良く続けた。


「おめぇ、かなり筋がいいじゃねーか!」


 穴掘りはもぐらの取り柄である。

ツルハシは手に馴染み、無駄ない動きで軽快に掘り進んだ。

もぐらの働きに機嫌を良くした輪島は、鼻歌混じりに採掘作業を進めたが、ここで思わぬトラブルに見舞われた。

ガキン、という金属音がツルハシの先から響いた。


「……パイプ?」


 輪島がツルハシを引き抜くと、そこから水が噴き出した。




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