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もぐらの逆襲  作者: oga
もぐら編
1/24

プロローグ

 とあるアパートの一室。

ここに、茶をすすりながらテレビを見るもぐらがいた。


「今年もあと少しぜよ」


 人間界の電波を拾い、今見ているのは紅白なる番組だ。

こたつに入りながら、爪でミカンの皮をむく。

年の瀬の定番の過ごし方と言えよう。

ミカンの欠片をつまみ、口に運ぼうとした時だった。


「……あれ?」


 突然、テレビにノイズが入った。


「何ぜよ~、これから安〇ちゃんが出るってのによぅ」


 こたつから這い出て、テレビの頭をガンガン叩く。

ノイズは消えず、更に画面が荒れるのを見て、もぐらは爪を振り上げた。


(こなくそっ)


 すると、今度は大きく足元が揺れた。


(……地震!?)


 慌ててこたつの中に潜り込み、揺れが収まるのを待つ。


(……)


 ところが、いつまで経っても揺れは収まらず、暑さに耐えかね、もぐらは外に飛び立した。


「ぶはあっ、耐えきれんぜよっ」


 こたつから這い出て、アパートの外に出る。

バアン、と扉を開けると、隣に住んでいる受験生の弁蔵が、天井を見上げていた。


「弁蔵! この地響きは一体何ぜよ?」


 弁蔵は眼鏡を爪で押し上げ、得意げにこう言った。


「……何すかね」







 しばらく外にいた二人であったが、中々揺れは収まらない。


「部屋、戻るか」


「……そっすね」


 その内収まるだろうと、部屋に引き替えそうとした時だった。

天井の岩盤から、巨大な何かが姿を現した。


「う、うわあああーーーっ」


 それは、人間界でいうドリルと呼ばれる物だった。


「あれはドリルっす! 人間共が、この真上で工事を始めたんすよ」


 近年、こういった工事によって、もぐらは住処を奪われていた。


「ここも、引っ越さないといけなくなりますね……」


(……くそ、人間共の好きにさせてたまるかよ…)


 もぐらは、ある決意固めた。


「……弁蔵、九州のサイゴウの所に行くぞ」 








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