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第41話 不労所得

 

 遡る事1週間ちょい、社畜隊の発足した火曜日の朝、俺は手紙を書いていた。内容はこうだ。


「拝啓、お父様お母様。産まれて初めて手紙を書きます。俺です。グローリアです(嘘です)。(中略)さて、昨今の社会情勢の関心事としての帝国の侵略の件はご存知でしょうか? 今私はその対策部隊の長をしております。もし宜しければ私をお預けになった時の金貨が残っておりましたら、幾らか送っていただけると助かります。(後略)」


 ケツワレール先生が俺を人身売買宜しく俺を預かり受けた時の金額を覚えているだろうか? 俺は覚えている。


 金貨百枚。確かに金貨百枚と言っていた。


 金貨1枚は金額にして100,000G。価値にして技術職の大工45日分の給料に当たる。そして、金貨百枚と言えば10,000,000G。この国の年間軍事維持費用の15分の1となる。


 これが手に入るならばきっと今後の軍資金集めの足しになる。


 俺は他の隊員にも同じような手紙を書いて貰うように最大限努力した。目立つ場所で「お金がなくて苦しい」と呟きながら手紙を書いたし、途中グローリアに変わって「もっとおかねがほしい!」と叫ばせた。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 その結果、こうなりました。あくまで自主的に仲間達から喜捨を集めた金額です。


「688……9……10。金貨690枚だね。親ってのは偉いな。折角降って湧いた金貨だろうに……案外使わないものだな」


「これで部隊の活動費用は69,000,200Gだね」


 パン1個が50G前後だから、パン1個100円ちょいの日本円に換算すると……ざっと1億4千万円位か。そして、これは俺の家族の物は含まれては居ない。馬車で片道10日だから今頃届いているか届いていないかだろう。両親はいくら送ってくれるのだろうか? ふふ、楽しみだな。


「さて、これをどうやって増やそうか。正直、軍事力は急には増やせないので、ゆっくりと強化しつつ、この資金が尽きない様にするのがベストだが……」


「商人の集まる酒場に行ってみたらどうかな?」


 ゲロゲロ=ソフィエルちゃんの意見は的確である。


「では、早速午後にでも行ってみるか……」


「私の職場体験先は武器屋だから武具購入の話は付けてやろうか?」


 早速行動に移そうと思った所にパットミ=ポリエステルちゃんから提案が上がる。


「出来るか?」


「取り敢えず、兵士に必要な装備を集められるかどうかを聞く事は出来る。だが、魔道具に関してはこのご時世だから買えないか足元を見られると思う。鉄製の武器くらいならこの街で生産してるから多少は仕入れられると思うがな。魔道具は商人経由が良いかもしれない」


「うむ。ではまず西の森待機の11人分の装備を揃えてみようか。そして数年後の隊長候補の装備22名分だな。目標はこのロンドヴルームの軍隊と同様の222人クラスの軍隊に設定しよう。百人隊長2人、十人隊長20人……の合計222人分の軍隊を作る。流石に軍事力が倍増したら大神官様達も俺達の話も聞くだろう」


「でも、222人も集まるかしら?」


「そこは副隊長でもある君が考えるべきではないかね? チロリ=ツンパカブリエルちゃん」


「へ? 私?」


「がんばれー! チロリ=ツンパカブリエルちゃんー!」


「はーい♥」


 案外チョロい。


「私は何をすれば良いですか?」


 おっ、ゲロゲロ=ソフィエルちゃんは話が早い。


「チロリ=ツンパカブリエルちゃんと同じ様に情報収集しながら人材発掘かな、取り敢えず午後は私と一緒に酒場に行って貰うよ」


「はい///」


 こっちもチョロい。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 園を出る時は一緒だが、パットミ=ポリエステルちゃんとチロリ=ツンパカブリエルちゃんとは途中で別れて、ゲロゲロ=ソフィエルちゃんと酒場へと向かう。


「こんにちはー」

「こ……こんにちは」


「おっ、聖別幼育園の子供達かな? 今日は何の用だい?」


「……今日は?」


 以前誰か来ていた様な言いっぷりだ。


「ああ、パットミ=ポリエステルちゃんが昨日来てたよ。何か武器の値段を聞いて回ってたな」


 おっ、パットミ=ポリエステルちゃん有能か!? 先回りして勉強するとは社畜の鏡だな。


「パットミ=ポリエステルちゃんを知ってるんですか?」


「武器屋の実習の子だろ? 結構しっかりしてて良い子だよ」


「良い子ですよねー、副隊長にすれば良かったかな、ははは……は」


 酒場の店長の目配せの方を見ると、グラスに反射した三角の目と口をしたゲロゲロ=ソフィエルちゃんが見えたので少し修正をする。


「でも、僕には彼女が居ますからね」


 ゲロゲロ=ソフィエルちゃんの背中をバンバンと叩いてから顔を見る。うん。目が丸い感じの顔してる。


 何か女たらしみたいになってしまったが、本題に戻り適当な商人を紹介して貰う。


「彼はデブスペクトル・ユタとケンデリカット・ユタと言って、商人になる為に上京してきた双子の兄弟だそうだ。年も15らしいし、若いから話も合いやすいだろう」


「ども、デブスペクトルっす!」

「ども、ケンデリカットっす!」


 うーん、売れないお笑い芸人みたいな人達だがまぁ、若いのは良い事だ。先ずは色々と話を聞いてみよう。


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