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掌編小説集3 (101話~150話)

異世界トラベル

作者: 蹴沢缶九郎

「長旅お疲れさまでした。お出口は三番ゲートとなっております。」


空港のような場所で、冒険を終えた客を出迎えた係員が言った。


株式会社『異世界トラベル』は異世界へ冒険を希望する者達の為に作られた会社である。昨今の異世界トラベルブームで冒険希望者は後を絶たず、業績はうなぎ登りだった。


利用客は何の取り柄もないごく普通の高校生が割合を占めているらしく、それが年齢によるものなのかは定かでない。


どのような人物がいて、どんな異世界の冒険をしたいかは本人の希望で叶えられる。冒険のスタートもそれぞれで、帰宅中トラックに跳ねられ気がつけば…、隕石が衝突し…。一番のオーソドックスは寝て起きたらというパターンだが、最近の人気は今一つのようだ。


異世界で恋愛をするもよし、魔王を倒すもよし、別途料金は発生するが、その世界にとどまるのも異世界の住人を連れてくるのも自由である。


サービスで冒険の最後に利用客に一冊の小説が渡される。それは自分の冒険を辿った、言うなれば記録であり、小説の内容やタイトルは客により異なる。


『ぱっとしない俺が異世界でいきなり勇者様』という小説を手にした青年はご満悦で自分の世界に帰っていった。


「またのご利用、お待ちしております。」


青年を見送った係員は深々とお辞儀した。

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