[3-16]包囲
その異変に最初に気がついたのはナナだった。
榊の部屋での談笑が続いた深夜三時ごろ。こもりすぎた暖房の熱気を換気するために窓を開けた時だった。榊の部屋は二階で、窓の向こうには玄関側の外が見える。
夜の闇が外を塗りつぶして、何も見えない。何も見えないはずだった。しかし、彼女の目には、いるはずのない色が外のあちこちに点在しているのが見えた。
人の色?
たくさんいる。……けど。
おかしい、とナナは思った。今は深夜だ。孤児院は都内とはいえ郊外に建てられており、辺りには夜に出歩くような場所は存在しない。とはいえ、若者のグループが夜遊びしている可能性はある。しかし、ナナの見る色は、一人一人がバラバラに広範囲に散らばっていた。
ナナは窓から身を乗り出して、辺りに目をこらす。
いつもよりハッキリ見える。
色が強く発光している。みんな、とても緊張している。
外の人の色は、孤児院をぐるりと取り囲むように点在して、静止している。じっと、こちらの様子を伺うように息を潜めているような、そんな警戒色。
もしかして、
「う〜、寒いねぇ。ナナちゃん、そろそろ窓を閉めよう」と紅葉がナナに近づく。
「紅葉先輩、」
「なんだい?」
「ここ、囲まれているかも」
「ん?」
「外に、たくさんの人が集まっている」
紅葉は窓に近づいて、さっと外の様子に視線を走らせた。彼女の目ではよく見えなかった。辺りは静かだ。いつも通りの夜のように見える。
紅葉はナナにナナの耳元に口を近づけて囁いた。
「もしかして、色ってやつ?」
ナナがうなずく。
紅葉はナナからその能力について教えて貰ったことがある。それは、ナナが黒条百合華に怒った時のことだった。百合華を指差してナナが「あなたの色は不安定」と言い放った後のことだ。
「数は?」
「この窓から見えるのは十人くらい、かな」
「……ナナちゃんの目のこと、みんな知ってるの?」
ナナは首を振った。このことを知っているのはごく一部の人間だけだ。紅葉が知っているのは、ナナがうっかりと漏らしたからだ。
紅葉は、もう一度外を何気ない様子で眺めた。もし本当に十人もそこにいるのならば、静か過ぎる。不気味なくらいにだ。
紅葉は無言で窓を閉めてカーテンを引いた。そのまま、ナナの手を引いて窓から離れる。
「紅葉さん?」と榊が声をかける。
「ちょっと、トイレ行ってくるね〜」と明るく振る舞いて、ものすごい早足で部屋から出て行こうとする。
「紅葉さん? トイレは部屋の中、」と榊が慌てて声をかけるが、すでに紅葉とナナの姿は部屋から消えていった。
消灯時間をとっくに過ぎた廊下は暗い。暗い廊下を二人は早足で歩く。ナナは必死に紅葉の歩調についていきながら、廊下の窓から外を眺めた。
間違いない。この窓からも人の色があちこちに見える。
「まだ見える?」と紅葉が歩きながら聞く。
「はい」
「間違い、ないみたいだね。何者なんだろう? 心当たりとかある?」
「ううん」とナナは首を振る。
「とりあえず、ロク君に電話かな」
紅葉は自分の携帯端末を取り出すと、ロクに電話をかけた。しばらくも待たずにロクに繋がる。
「やぁ、ロク君」
「紅葉先輩ですか、助かりました」
「ん、どうしたんだい?」
ロク君の声の背後からは、何やら男子たちのはしゃぎ声が聞こえている。口々に騒いでいるから上手く聞き取れないのだが、なんだ、なんだ。ロクの番だぞ。言えよ。どいつが好きなんだよ。
ほーう、男子も恋バナか。
「盛り上がっているねー。お酒でも入ってるんじゃないの?」
「いえ、酒は捨てさせました」
「おや、持ち込みがあったのかい」
「父さんが押しつけたんですよ。まったく、父さんは未成年の飲酒の悪影響を知らないんだから」
「へぇ」
お堅いロク君らしいや、と紅葉は思う。
しかし、ロク君の言うとおりだ。大学の講義で最近知ったことだが、成長時期の飲酒は本当にやばい。脳の成長を阻害し、精神不安定になりやすくなる。その一例として、妊婦が飲酒して生まれた子どもは家庭内暴力を起こしやすいという統計もあるくらいだ。
ま、そんなことよりも、気になることがある。
「ねぇ、ロク君」
「なんですか?」
「ロク君は誰が好きなんだい?」
「……馬鹿な事を言わないでください」
むう、と紅葉は口をとがらせる。これは何とかして聞き出したくなる。あのロク君に好きな子か〜。お姉さん、気になります。
ロクの周りではやし立てる声はなりやまない。
ロク、誰からだよ、お前の番だぞ。お前は誰が好きなんだよ。このファザコン野郎。ゲロっちまえよ。おい、ロク。ほらほら、早くしろよ。それともその電話は彼女からなのか? そーなのか? そーなんだな。ちくしょう。こんちくしょう。
……随分と、楽しく出来上がってるじゃないか。
「ああ、もううるさい。紅葉先輩からだ」と向こうで叫ぶロク君の声。
えー、あのチョーグラマーなお姉さんかよ。羨ましい。そうかお姉さんが好きなのか、年上なのか。くそ、そうきたか。ちくしょう、これが飲まずにいられるか。やっぱり、おっぱいなのか。いいな、いいよな。おっぱい、おっぱい。
「違うって!」
なんだか、あのロク君が形無しだ。
「物凄い楽しそうだね」
「すみません」
「いいって、いいって」
紅葉はケラケラと笑う。男子中高生のバカっぽい会話は割と好きだったりする。
「先輩、ところで何の用ですか」
「ああ、実は重要なことだよ。今、この孤児院は何者かに囲まれている」
「……先輩、また何かのアニメとかですか?」
「違うって!」
紅葉はおかしい、と思った。ロク君の中で私のイメージはそんな感じなのか? 昔は初心で稽古熱心な良い子だったのに、こんなにも擦れてしまって……。お姉さんは悲しいです。
「ナナちゃんが見たの。外をぐるっと取り囲む人の色。たくさんいるって。今、夜中で、こんなところをさ、おかしいでしょ」
「……そういえば、紅葉さんはナナのことを知っていましたね」
ロクは携帯端末の向こうで、まったくナナは迂闊なんだから、とブツブツとこぼしている。
「先輩、ナナに変わってもらえますか?」
「ん、いいよ」
紅葉はナナに端末を手渡す。
「ロク、代わったよ」
「ナナ、外の様子についてだが、詳しく教えてくれ」
「う〜ん、窓から見えるのは十人くらい。部屋の窓からも廊下からも見えるから、きっと全体を囲まれていると思うよ」
「実際にはもっと多い、と見るべきだな。それにしては外が静かすぎる。息を潜めているのか。ナナ、動いている色はあるか?」
「ほとんど、ないよ。みんなじっとしているみたい」
「相手の感情や人間性は?」
「普通。悪い人も良い人もいる。ただ、みんな緊張しているから色が硬い感じがする」
「動揺や迷いの色はあるか?」
「よく分からないけど、あんまりそんな感じはしないよ」
ロクは声を潜めてブツブツと独り言を始めた。
「確かに不自然だが、情報が足りないな……」
しばらく考え込んだ後、ロクはすぐに決断した。
「ナナ、今、どこにいる?」
「ん、今は二階の廊下。紅葉先輩と二人」
「一度、合流しよう。僕がそっちに行く。外から見えない位置まで移動してそこで待機してくれ。電話はそのまま切るな」
「分かった。電話は紅葉先輩に返すね」
「ああ」
ナナは紅葉に携帯を返しながら、「通話は切らないで」と言い添える。紅葉はそれを受け取りながら、慣れたもんだ、と感心した。
紅葉自身、モドキーズの活動や、黒条組の仕事のためにこういった状況に置かれたことは何度もある。こういった時の連絡網の確保は非常に重要だ。できれば常時接続した状態が好ましい。電話代がかかるけど。
二人は窓のない階段の踊り場まで歩いてロクを待つ。数分もしないうちに、ロク君が歩いてやってきた。
「やあ」と紅葉が手を挙げた。
ロクは軽く頭を下げて、さっと近寄った。
「お待たせしました。来る途中に外を見ましたが、確かに人が見えました。気をつけて探さないと絶対に気づかないような場所でした。確かに相手はこちらを窺っているようです」
「ほう、目がいいね」
「さて、どうしたものかな」
ロクは顎に手を当てて、思考を走らせた。
相手の正体は何だ。
先ほど見かけた相手は、ジーンズにコートを羽織って一般人に偽装していた。郊外とはいえ町の近くに建てられた施設だ。偶然、一般人や巡回中の警察に見つかった時のための偽装なのだろう。片面のまどからナナが見た人数は十人。それが四方を囲っているのなら四十人以上になる。
こちらを包囲している、とすれば相手の正体と目的が気になる。いくつか、心当たりはあるが、現時点で断定はできない。
それに包囲している、というのが不可解だ。包囲には十分に訓練された人員を大動員する必要がある。実行の難易度が高まる上に、通信内容が情報漏えいのリスクも増大する。相手にはそのリスクを冒してまで、こちらを包囲する必要性があるのだ。
これらの状況から、相手は高度な戦闘訓練を受けた組織であることは確定的だろう。
「とりあえず、GOAにここに緊急配備を要請します」
ロクは携帯端末を操作して、緊急配備の手続きをする。GOAがここに到着するまで三十分程度は必要だろう。ロクは、なおも思考を加速させていく。
相手が高度に訓練された組織であれば、相手の正体はある程度に限定される。そらに、日本国内で数十名以上を密かに動員できるとすれば……。
諸外国の諜報組織。
国内の純人会の残党。
黒条会の実働部隊。
モドキーズの精鋭。
……モドキーズと黒条会の線は薄い、とロクは紅葉をちらりと見た。紅葉はモドキーズの総代だったはずだし、黒条会と政府の関係は良好だ。
ロクの視線に気がついた紅葉は、首を傾げた。
ロクは紅葉に確認をしてみた。
「紅葉先輩は、モドキーズの総代でしたよね」
「うん、だったけどね。引退したよ。今はキャピキャピの女子大生」
紅葉は身をくねらせて、髪をかきあげる。借り物らしき小さなパジャマからは、彼女大きな胸部があふれている。
なるほど、こういう人をキャピキャピしている、と言うのか、とロクの思考に雑念が割り込んだ。
「今のモドキーズの活動はどんな感じですか?」
「さあ、私はもうあんまり関わってないけど、基本的には組織を小さくしていく方針だったはずだよ。もう、誘拐事件もだいぶ減ったからね。後任の鬼瓦もそのつもりだったし……。もしかして、ロク君、モドキーズを疑ってる?」
「ええ、このレベルの集団を組織できる数少ない組織の一つ、ですから」
むぅ、と紅葉は口を尖らせた後に、あっ、と口を開けた。
「何か思いつきました?」とロクが問いかける。
「そう言えば、一部には縮小反対派がいたね。武闘派の連中が中心になっているようだね。鬼瓦が手を焼いていたよ」
「その線もあるのか……」
ロクは再び思考の海に潜り込む。
状況は複雑で余談は許されない。しかし、底の方に違和感がある。冷たい海底で、そこだけが生暖かい。何かが蠢いている。そんな感覚。
統制された組織が、わざわざ困難な包囲作戦を実施している。相手の指揮官には目的がある。そいつは戦力分析をした結果、包囲作戦が必要であると判断した。
なぜだ。
もしかしたら、そいつがこの孤児院が保有する戦力を知っているからかもしれない。包囲が必要なほどに、ここの住人が脅威であると判断した可能性だ。
だとすれば、相手は知っている。ここにいるのが、かつての鬼子実験部隊の兵士であることを……。
ロクは口を開いた。
「相手の正体は、中国の諜報部隊か、黒条会の実働部隊の可能性が高いです」
紅葉は驚いた。
「えっ、なんでクロちゃんの家が出てくるのさ」
「可能性の話です。これだけの集団を国内で動員できる組織は少ない。黒条会であれば容易です。それに、相手はわざわざ包囲をしています。おそらく、ここにいる生徒たちが鬼子実験部隊の脱走兵である事を知っている」
「……」
「それを知っているのは、黒条百合華と中国政府だけです」
「目的は何なのさ?」
「わかりません。それが黒条百合華の考えることだったら、なおさらです」
ロクはそう言って口元を歪めた。実のところ、ロクは相手の目的についてはある程度、見当をつけていた。
もっとも可能性が高いのが、法強の身柄確保だろう。この場合、相手は中国政府にほぼ確定する。表向きは日本に亡命したことになっているとはいえ、中国における法強の人気は未だに高い。親法強派による救出作戦か、あるいは反法強派による暗殺という線もある。
次に可能性が高いのが、僕かナナの誘拐だ。改良素体の誘拐についてはあらゆる組織に動機がある。だが、今のタイミングに仕掛けてくる理由が分からない。もっと適した状況があるはずだ。僕とナナが学校にいる時のほうが状況的には有利なはずだ。
そして、厄介なことに、父さん個人を狙っている可能性も、一応だが、ある。その場合は、確実に黒条百合華が犯人だ。黒条百合華が犯人であれば、これから何が起こるか予測することは不可能に近い。彼女ならもっとも自分が不利な状況をあえて選んでくる可能性すらある。
ロクは思考を中断させた。今は行動するときだ。相手が中国政府でも、黒条会でもこちらの初手は変わらない。
「まず、榊と合流しましょう。ここの生徒を動員する必要があります」
「ほう、私に何か用か? ロク」と榊の声が背後から刺さる。
ロクたちは驚いて振り向いた。
背後には、こちらに向かって歩いてくる榊夜絵の姿がある。
「何か様子がおかしいと思って、つけてみれば、コソコソと何をしている」
榊は目を細めながら、こちらに歩いてくる。
薄手のカーディガンの下には、クマさんがプリントされたパジャマを来ている。こいつ、やけに可愛い感じのパジャマを着ているな、とロクは思った。
「榊、」とロクが言いかけたのを、榊は手を振って遮った。
「全員を動員したいらしいな。聞こえていたぞ」
「お前、どこまで聞いていた」
「ここが包囲されていて、相手は中国政府か黒条会らしい、というくだりまでだな」
「そうか、」
ロクは、榊に向かって歩く。
「榊、頼みがある」
「別に構わんぞ、動員発令ならあらかじめ手順を決めてある。平和な日本にいるとはいえ、そこらへんは癖でな。深夜だろうが寝ていようが、全員即応できるはずだ」
「助かる。生徒の全体の指揮を頼めるか」
榊は口をへの字に曲げた。
「いや……。ロク、全体指揮はお前がとれ」
「なんだと」
ロクが怪訝な顔をして榊を見る。
「全員には私から通達する。指揮に必要な手順は、私の端末から行えば問題はないだろう。貸してやる」
「待て、榊。それで全員が納得するのか」
「さあ、それは分からない。しかし、副隊長の私が、お前に指揮権を委譲すると言えば、一応は従うはずだ。作戦中の命令に疑念を持ち、反応を鈍らせることなどはない。私たちはそうできている」
榊は携帯端末を取り出した。
「それに、副長とはいえ、私は全体指揮をとった経験はそれほどない。私たちの隊長はニィ隊長だったからな。いくら、お前でもニィ隊長の半分くらいは出来るだろう?」
榊は挑戦的にロクに問いかけた。
「隊員からの信頼は、結果で勝ち取れ。ニィ隊長はいつもそうしてきた。不可能を可能にし続けることで、私たちを導いてきた」
ロクが口を挟む間もなく、榊は取り出した携帯端末に向かって声を張り上げた。
「緊急連絡。総員傾注せよ。本施設は何者かに包囲されている。繰り返す、本施設はすでに包囲されている。相手の正体は不明。本状況についての指揮は、副長の榊夜絵から布津野ロクに委任する。繰り返す、指揮権は布津野ロクだ。現在の状況で最も正確な情報を把握しているのは奴だ。文句は後で聞く。とりあえず従え」
榊はそこで一息おいて、端末に向かって言い放つ。
「みんな、政府の第七世代様とやらが、あのニィ隊長と同じことが出来るか、お手並み拝見といこうじゃないか」
そう言い切った榊は、くつくつ、と声を忍ばせて笑った。そして、そのまま端末をロクに差し出す。
ロクは差し出された端末を受け取った。榊と目が合った。彼女は、小さな声で「私のプライバシーまで見たら殺すぞ」と言った。
ロクは受け取った端末に視線を落とした。どうやらすでにグループ会話モードになっている。会話に利用しているアプリケーションはどうやら自作のものらしい。通信プロトコルやファイアウォールなどのセキュリティ設定も独自に組み込むためだろう。部隊の中にはテクノロジーに詳しい者も揃っているらしい。
ロクはアプリケーションの表示を確認する。孤児院の生徒全員らしき暗号名がリスト表示されている。すでに全員がオンライン状態。わずか数秒で、ここの全員が動員されている。
ロクは端末を耳に当てた。口からは自然に言葉が出た。指揮をするのは慣れていた。思考と口が連結している。思考の流れが淀みなく、言葉となって伝達されていく。
「布津野ロクだ。榊から指揮を引き継いだ。状況は危急を極めている。情報はこの端末から更新伝達する。常にオンラインで待機」
了解、了解、了解……
無数の声を潜めた応答が重なった。確かに、よく訓練されている。この状況で全員が一斉に唱和すれば、外を包囲している相手に気づかれる危険性がある。それを自然と察し、それぞれが最適な行動を取っている。
「各々、外の奴らに気づかれないように移動しろ。集合場所は中央棟。そこで防御陣を構築しろ、設置可能なトラップなどは任せる。中央棟での現場指揮は榊夜絵に委せる。相手からは暗視ゴーグルでこちらを監視している可能性もある。窓際は匍匐で移動。相手に集合を気づかせるな」
了解、了解、了解……
相手は四十人以上で、武装している可能性が高い。一方で、こちらは銃火器を持っていない。屋外で対応するよりも、こちらに地の利がある施設内に引き込んで対応するべきだ。相手の突入前に、こちらの戦力を一箇所に集めて防御陣を構築する。
時間さえ稼げればGOAがここに緊急配備される。そうなれば袋のネズミとなるのは相手の方だ。GOAの降下突入に備えて屋上も確保したほうが良いだろう。
「榊、中央棟の防衛指揮を頼む」
「ああ、了解した」
「ナナと紅葉先輩は、僕と屋上に相手の動きを監視しつつ、GOAの救援を誘導します」
「分かった」紅葉とナナが頷く。
「紅葉先輩、ナナを守ってやってください。GOAが到着したらナナを始めに退避させます」
「任せなさい」
紅葉はナナを抱き寄せて、胸を拳で叩いた。
「それでは、状況開始です」
四人は闇に溶け込むように、動き出した。
3-13話の時に、感想で未成年の飲酒についてご指摘を頂きました。ありがとうございます。
そのご指摘を受け、この話を少し変更させて頂きました。
具体的には、ロクにお酒を捨てさせました。
(変更前は、酔ったルームメイトにロクが絡まれて困っているシーンがありました)
未成年の飲酒、絶対ダメ!





