ウィリとなった少女
踊る、踊る、半透明の少女達
森の沼のほとりにて静かに踊る
彼女達はウィリ
裏切られた少女達の成れの果て
踊る、踊る、半透明の少女達
だけどその表情は険しい
彼女達は待っている
裏切り者が訪れるその時を
嗚呼、踊りの輪の中に新たな少女
愚かな貴族に騙された彼女
事実を突きつけられ
心の臓を止められた少女
踊る、踊る、新たな少女
嫉妬に駆られた男に事実を突きつけられた彼女
死した彼女を手に入れたと嗤う男を
悲しみと共に見つめる少女
駆ける、駆ける、半透明の少女達
森番の男を追いかける
怒り狂った彼女達
死せるその時まで男を躍らせる
踊る、踊る、嫉妬に駆られた哀れな男
許しを請う為に来た男
力尽き命乞いをするが
無慈悲に沼へと突き落とされる
ふらり、ふらり、悔恨に暮れる貴族が来る
悲しみを露にするその男
彼女の墓に懺悔をしに訪れ
半透明の少女に逢う
迫る、迫る、半透明の少女達
貴族の男に迫り行く
怒り狂った彼女達
死せるその時まで男を躍らせる
踊る、踊る、偽りを詠った哀れな男
悲しみと後悔のもとに訪れた男
謝罪のために力を振り絞り踊る
愛しき者のもとに逝けるならと
はらり、はらり、と涙が頬をつたう
嘗て愛した男の心に触れて
半透明の少女達に命乞いをする
愛しきお方を殺さないで、と
カーン、カーン、と鐘がなる
それは朝を告げる鐘の音
一人、一人静かに消える
ただ一人少女を残しながら
フワリ、フワリ、と気を失った男へと近づく
愛を示した男の頬に
羽根の様に軽い口付けを送り
朝日の中、とけて、きえた
踊る、踊る、半透明の少女達
森の沼のほとりにて静かに踊る
彼女達はウィリ
裏切られてもなお、真実の愛を望む者たち
いわずもながバレエのジゼルがテーマです
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