昨日の宙
こんにちは。パニクる者パニラーと申します。
未熟な文章ですが、伝えたいことは伝わるような作品にしたいと思いますので長い目で見守ってください。
「ねえ……昨日の空の色、覚えてる?」
そんなの気にしていなかった。
そう自分が言うと、彼女は「そっか……」とだけ言って黙り込む。
空の色なんか気にしたことなかった。そもそもそんな日常で当たり前のことをいちいち考えたことすらなかったかもしれない。
「昨日はね、綺麗な夕焼け空だったよ。一昨日は少し日が暮れるのが早くて、その前はどんより曇ってた」
そう言う彼女の表情は笑顔ではあるがどこか曇って見えた。
「君にはさ、今日の空……どんなふうに見えてる?」
改めて遠くの空を見つめる。太陽が沈みかけていて、その光が赤く染まってあたりを今も照らしている。
間違いなく綺麗な空。それが一番しっくりくる答えだった。
「うん。本当に綺麗だよね」
その旨を伝えると今度はそう返して、彼女は微笑んだ。
そして、その表情もまた、とても輝いて見えた。
――伝えるのは今しかないかもしれない。
そう。自分は、彼女の――
いつもと変わらない日常。それはふとしたことで簡単に崩れ去ってしまう。
そんなこと、ありえないかもしれない。
けれど……自分たちにはそれこそがそうだったんだ。