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あいいろのそら  作者: 逸見真希
一章 親友
9/73

7 テスト明けの朝【聖】

GWは各自無難に過ごしました。

高校生活初めてのまとまった休日は、部活と課題に忙殺されます。

慣れてくると、もう少し余裕も生まれるのでしょうが。

友人との関係も深まると、遊びの計画も立てるのでしょうが。

そして、先週末には、二日間かけて5教科7科目+αの中間テストが行われました。


 先日、学校では一学期の中間テストが行われた。

成績によりクラス分けがなされるこの学校において、一回一回の定期テストが、来年度のクラス分けに影響が出る。

そのため、クラスアップを狙う学生の多くは、今日からだんだんと返されるであろうテスト結果を前に、鬼気としていた。



【聖夜side】


…今日からか、テスト返却。


…せっかく迎えに行ったのに、アイツもういないし。

俺が勉強のために早く登校してたときは、後から来てたのに…

さては、テストも余裕かよ。

……こっちは、またアイツと同じクラスになりたくて必死なのに。


「あーあ…」


思わずため息がでる。


「どーした、白河。朝から辛気臭いやん。」


…コノ声は…


「はよ!白河。今日は一人やん。珍しいなぁ。」


やっぱり。

今年同じクラス…そして隣の席になった葵さんだった。


「んー、まぁ…な。」

「…ま、えっか。一緒に行こかー。」


俺があんまり話したくない話題だということも察してくれて…良い奴だ。


 元気で明るくて、…でも少し気が強くて。

一部の人間には嫌われてるみたいだけど、それは特殊で。

基本的に、男にも女にも皆から好かれてる。

それに、こうやって気遣いもできる奴だから、一緒にいて楽…というのか。


「…そういえば、今日は茉莉花も家早う出てったわ。なんや、一組は朝集まりがあったのかもしれへんな。」

「へぇ…そっか。そうなんだ…」


良かった。

…まさかとは思うけど、アイツに避けられてたらどうしようかと思った。


「…なぁ、白河。」


葵さんの目付きが、気のせいかどこか怪しげだ。


「ん?」

「…白河が前に言っとった好きな子ぉって…いつも一緒に来とる二人のどっちかやろ。」

「え…」


いきなり何を言って…


「やっぱ当たりか。」

「なんで!」


なんでこうも分かるんだよ!


「だって、白河分かりやすいねんもん。」

「マジ?」

「ちょっとな。」


…前は、「結構冗談…」だったのに…。


「ホントに?」

「何が。」

「…本当に、俺、分かりやすいか?」

「……そやなぁ。自分の目には、そう見えたで。」

「マジかよ…」


そんなに分かりやすいのか?


……んなわけねぇよ。

だって、本人は…気付いてないんだから。


「…その子のこと、長いんか?」

「…うん。小学生のころから…」

「…なら、竹内さんの方か。」

「な!」


嵌められた…!!

…こうなったら、自棄だ。


「あぁ、そうだよ。」

「ふ~ん。」

「なんだよ。」


ずっと片想いしてる俺を、呆れるか?哀れむか?嘲笑うか?

それとも…


「ええやん。」

「え…?」

「なんか、ええやん。そういうの。…すっごい好きな人がおるって…いいことやと思うし、大事なことやと思う。」


…笑った。


「…五年以上の片想いだぞ?」

「へぇ…すっごいなぁ…」


葵さんの目には、さっき俺が考えたような感情は無くて…

ただ純粋に、そう思ってくれてるんだって、わかった。


「その気持ち、大切にしたってな。…自分も応援するで。」


だからかな?


「…ありがとう。」


あんなに素直に…お礼の言葉を言えたのは。


【聖夜side End】


,

本日2話更新・・・したいのですが、この日は1日に3つも出来事があるため、そしてまた間が少し空くため、同じ日に起きたことだけど分割します。

というわけで、

次話更新⇒5月21日

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