end.1 愛
PVが200を超えました...
感謝、感謝です!!
それでは、まずは一パターン目をお楽しみ下さい。
彼女はベッドに突っ伏して泣いていた。
愛する彼が病気で死んだ。
あぁ、もう二度と聞くことの無い彼の声。
彼はせめて手紙という形で、何かを伝えようとしているのだろう。
だがそれは完全に読み解くことは出来なかった。
リーシャは自分に手紙を残してくれたのに、何故彼が死んだのかまでは分からなかった。
頭の中に叩き込まれた"病死"と言う情報を、彼女は疑う余地もない。
その時ローザがエレーナを訪れた。「エレーナちゃん」
「何?」「エレーナちゃんに伝えなきゃいけないことがあるの」
彼女は話し始めた。リーシャが彼女に残した言葉を。
「"ペンダントはお守りのつもりだった。
君がもし一人で淋しいのならそれを見て、君には僕がついていることを感じて欲しかった。
でもそれは間違っていたのかもしれない。
…もし君がいつか、誰かを愛する日が来たらその時は僕を忘れて欲しい"って。それと"手紙の内容は気にしないで"とも言っていたわ。
その手紙を捨てる前に、それが出来なくなったからそう言い残したみたいね」
「そう…分かった」でも彼女は、リーシャの他に誰も愛せないと思った。
それから彼女は努力を重ね、科学者としての夢を叶える。
彼女が発表した論文のお陰で、沢山の人々の命が助かった。
しかし彼女は本当の幸せを掴めなかった。
その中に不幸という痛みと苦しみを抱えていた。
「せめて、子供がいたら良かったんだけどね…」
何故か、出来なかった。
これもまた、神の啓示か。
リーシャが自らの生命を絶ったことに対する戒めだとは、彼女は気付いていない。
そして最後に彼女は、一人寂しい人生を終えた。
生命の重さと強さを知り、その渦に飲み込まれて。
あの...十分暗い終わり方にも見えますが。
これでも、まだマシな方なんです。...すいません。




